2024年3月24日に北米日産が発表した、新型「キックス」。従来のキックスのぬるんとしたイメージから一転、ボクシーで力強さを感じる新鮮なデザインで、なかなかかっこよく、早くも評判となっている。今回の北米モデルの発表ではガソリンモデルのみだったが、現在日本仕向けではe-POWERのみのキックスが、新型ではどのようになるのかは気になるところ。日本仕向けの新型キックスに期待したいことを考えてみよう。
文:吉川賢一/写真:日産
新型キックス北米で発表!! 売れそうなところと売れるためになんとかしたほうがいいところ
■外装内装ともに大幅に質感が向上!!
エクステリア・インテリアともに質感が大幅に上がっているようすの新型「キックス」。エクステリアは、ノーズ先端を持ち上げ、エクストレイルのような角ばったデザインへと大変身し、フロントグリルには、くっきりとした横模様が入り、左右端にある4本のデイライトに繋がっている。
その上には、細眼のヘッドライトもレイアウトされており、モーショングリルのような造形はうっすらと残ってはいるが、かつてのように主張したデザインではなくなった。
フロントからリアへと水平に伸びたウインドウラインは、車両後端のCピラー周りでキックアップし、筋肉質なリアフェンダーを強調。逆さL字のフルLEDリアテールライトも特徴的だ。ホイールには、日産車が昨今の新型車で取り入れているセンターカバータイプを採用している。
インテリアも、12.3インチのフル液晶メーターに、12.3インチのディスプレイオーディオを組み合わせ、1枚の大きな液晶ディスプレイのようにみせているほか、インパネやドアパネル等にはソフトパッドを使用するなど、ノートオーラ並みに質感高いデザイン。ヘッドレスト内蔵スピーカーや電動パノラミック・サンルーフはオプション装備だ。
今回発表となったパワートレインは、最高出力141ps、最大トルク190Nmの新しい2.0L直4エンジンに最新のエクストロニック・トランスミッション。
装備も充実しており、全方位運転支援システム(セーフティシールド360)を全モデルに標準装備したほか、歩行者検知機能付きエマージェンシーブレーキ、BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)、LDP(車線逸脱防止支援システム)、ハイビームアシストなど、日産が持つ先進運転支援装備はほぼ搭載される。最上位グレードには、北米向けキックスとして初めて、プロパイロット(北米名:ProPILOT Assist)も採用になった。
エクステリアデザインを大きく変えてきた北米向け新型キックス。フロントバンパーのデザインが特徴的だ
リアフェンダーのボリューム感が凄い。LEDのテールランプは新デザインを採用している
ぱっと見の内装はノートオーラにそっくりだが、オーラにはないシフトノブがあるなど、若干異なるようだ
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■おそらくe-POWERのみとなるだろうが、ガソリンも絶対必要!!
というのが、北米で発表となった北米向けの新型キックスの概要だが、日本仕向けにはe-POWERが用意されるはずだ。
エクストレイルで好評のe-POWERターボ(1.5L直3のVCターボで発電する電動車)となるかは不明だが、現行車のe-POWER(1.2L直3エンジン発電)からは、パワーアップもしくは燃費改善が期待できるだろう。現行キックスは燃費がイマイチ。
WLTCモード燃費は、FFが23.0km/L、4WDが19.2km/L。ライバルのヴェゼルe:HEV(2WD:25.0km/L、4WD:22.0km/L)と比べるとやや落ち、高速走行向けのモードをもつホンダやトヨタのハイブリッドシステムと比較してしまうと見劣りするのは否めない。e-POWER用のギアなどが用意されるか、小排気量のVCターボを発電エンジンとするか、ドラスティックなアイテムが欲しいところだ。
気になるのは、現行キックスと同様にe-POWER一本となるのかどうかだ。おそらく日産は、新型キックスでも、日本仕向けはe-POWER一本でくるのだろうが、筆者は、キックスのようなコンパクトSUVには、やはり廉価グレードとなるガソリンモデルが必要だと思う。
現行キックスは2WDが税込299万円~321万円、4WDは326万円~348万円となかなかの価格。ホンダヴェゼルe:HEVは2WDが277万円~341万円、4WDが299万円~322万円で、ガソリンのヴェゼルならば239万円で買えるし、3月22日から発売となったWR-Vは税込209万円~248万円と、もっとリーズナブルだ。
WR-Vでホンダがやったように、日産もインド市場で販売している小型SUVの「マグナイト」をガソリン車のまま日本市場にもってくるならば話は別だが、ラインアップにコンパクトSUVが高額なキックスのみというのは、大きなチャンスを逃しているように感じるのだ。
このキックスを皮切りに、ノート、ノートオーラ、エクストレイルと、2020年以降にフルモデルチェンジをしたモデルはe-POWER一本のみに絞ってきた日産だが、2022年にフルモデルチェンジをしたミニバン「セレナ」にはガソリン車を残した。「セレナのお客様は(安い)ガソリン車を待っているお客様が沢山いるから」だと説明していたが、そんなのはどのクルマも同じだ。
■大半のお客様が待っているのは「安くて良いクルマ」
エクストレイルが350万円オーバーの高額SUVに移行したことで、日産はその下のラインアップが手薄になった。日産は日本市場でのコンパクトSUVカテゴリで勝つ気がないのかもしれないが、大半のお客様が待っているのは「安くて良いクルマ」だ。
新型キックスが成功するためには、e-POWERと同時に200万円台前半のガソリン車もセットで出すことが必要だと思う。日産は日本で誕生した日本のメーカーだ。海外販売がいまの会社を支えているのは間違いないが、足元の日本市場も大切にしてほしく、日産には、そういうメーカーでありつづけてほしいと思う。
2024年3月25日に日産が発表した経営計画「The Arc」において登場した、25車種のシルエット映像。先頭にいる次期リーフの後方に位置しているのが新型キックスだ
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みんなのコメント
正しくその通り。
それは日本の中古車見てればわかる、走行少ないクルマ多いもの。
結局コレで新型のエクストレイルは元のオーナーを取りこぼしてるでしょ。
そりゃ景気の良い時なら良いですよ、少なくとも今はそうじゃないもの。