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【クルマ定額制サービス】メーカーにとって、クルマを買ってもらえなくてもいい?

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【クルマ定額制サービス】メーカーにとって、クルマを買ってもらえなくてもいい?

トヨタがサブスクに積極的 KINTOを拡充

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】トヨタ定額制サービス どんなクルマが人気?【人気モデル5選】 全65枚

佐藤浩市、松田翔太など有名俳優が続々出演する、KINTOのテレビCM。

「クルマもサブスクがお得」という。

トヨタの積極的な普及活動によって、一般ユーザーにとって、KINTOの存在がなんとなくわかってきた時期ではないだろうか。

頭金なし、保険料やメンテナンス料が込々とか言われると、サブスクを検討してみるのも「ありか?」と思うようになってきたかもしれない。

今年(2020年)5月からは、KINTOのサービス内容がさらに広がる。

1台のクルマに乗るKINTO ONEでは、これまでの3年間プログラムに加えて、5年間または7年間の長期契約が可能になる。ボーナス併用払いの設定もできる。

だが、こうしてKINTOがどんどん変化していくと、ユーザーにとって残価設定ローンやリースなど、既存の支払いプログラムとの比較がますます難しくなる。

まるで、スマートフォンを購入する時に、販売店から様々な〇〇プランの組み合わせを提案されて、ユーザーはなんとなく納得するが、そもそもスマホの価格がいくらなのかさっぱりわからなくなる。そんなふうに思っているユーザーも多いはずだ。

そういう意味では、クルマもスマホ化するのだろうか?

一方で、KINTOなどクルマのサブスクは、メーカーにとって儲かるビジネスなのだろうか?

そもそも、なぜこのタイミングでトヨタはサブスク推しなのか?

このまま何もしないと5年後に30万台ダウン

KINTOが発表されたのは、2018年11月1日。

その数日後、筆者(桃田健史)トヨタ東京本社でトヨタ国内営業本部の幹部にKINTO導入の背景について直接聞いている。

彼がまず指摘したのは、国内市場の将来的な縮小だ。

トヨタは国内販売台数150万台キープを主張しているが、このまま何もしないで、市場の成り行きに任せてしまうと2025年には120万台まで低下すると、トヨタは見ている。

この差、30万台をどうするか?

半分の15万台は、リースと残価設定ローンの3~5年での乗り換え。10万台は、法人需要。残りの5万台をKINTOなど新しいサービスに期待する、と説明した。

ただし、市場動向やユーザーのクルマに対する考え方は近年、刻々と変わってきているので、状況を見ながらフレキシブルに対応する、とも言った。

2020年5月から、KINTO ONEのサービス内容を拡張するのも、こうした30万台の振り分けの一部修正だと考えることができる。

とはいえ、ユーザー目線はサブスクに、別のサービスが広がることを期待しているのではないだろうか?

サブスクといえば、飲食やネットでのテレビ/映画の視聴のように「〇〇放題」。クルマなら「乗り換え放題」が最も魅力的だ。

KINTOでも、乗り換え放題が一気に広がることはありなのか?

なぜプレミアムブランドばかりがサブスク?

KINTOにも乗り換え自由プログラムがある。

レクサスを対象とした「KINTO FLEX」だ。サービス開始当初は、KINTO SELECTと呼んでいたが2020年2月に名称を変更している。

例えば、3年間で3台プランでは、月額4万4000円。対象モデルは、レクサスES、IS、RC、RX、NX、UXだ。

海外でも、KINTO SELECTのようなプレミアムブランドでの乗り換え放題プランがある。

例えば、メルセデス・ベンツ・コレクション、ポルシェ・パスポード、アクセス by BMW、ブック by キャデラックなどだ。

いまのところ、実施地域はプレミアム系モデルの販売台数が多いアメリカ市場が主流である。

なぜプレミアム系優先で一般ブランドは置き去りなのか?

最大の理由は、新車自体の利幅の差ではないだろうか。サブスクに限らず、新規の顧客サービスを議論する際、一般ブランドメーカーの幹部は「プレミアム系ブランドのように利幅が大きくないので、付帯するサービス展開にも限界がある」と指摘する。

もう1点は、ブランドに対するロイヤリティの高さの差だ。プレミアム系ブランドではリピーターが多く、また家族で複数所有も多いので買い替え/借り換え時期も短い。

その他、プレミアム系は走行距離も少なく、ていねいに扱うユーザーが多いので、中古車バリューが高いという点もある。

ということは、一般ブランドでの乗り換え放題プランは無理なのか?

いや、どうやらそんなこともなさそうだ……。

注目 ディーラー再編/中古車流通の新動向

注目されるのが、トヨタのディーラー再編と中古車流通の新しい動きだ。

トヨタ系のすべてのディーラーで同じモデルを販売する、全店舗全車種併売が始まった。5月からの実施を目指してきたが、4月から本格的に始まっている地域もある。

これに伴って、一部地域では、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の看板を下ろして、ディーラー経営会社が合併した。

そもそも、KINTO導入と、全店舗全車種併売は、トヨタ本社が同じタイミングで公表した1つのパッケージだ。

その裏付けとして、中古車事業にもメスを入れた。

認定中古車ブランドを、トヨタ認定中古車としてブランドを統一。今後、トヨタ公式中古車サイトで、他の自動車メーカーの公式中古車サイトとの連携を目指す。

さらに、オークションでの仕入れシステムも大幅に改善する。

乗り換え放題のサブクスを増やせば当然、中古車も一気に増える。その受け皿として、中古車版KINTO ONEが2020年1月からテスト的に始まっている。

日系メーカーでは、トヨタが先導するサブスク。2025年あたりには、日系、輸入車問わず、乗り換え放題の時代が到来するのかもしれない。

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