現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 重厚なオーラがスゴイ! アメ車をインスパイアした昭和のセダン3選

ここから本文です

重厚なオーラがスゴイ! アメ車をインスパイアした昭和のセダン3選

掲載 更新 26
重厚なオーラがスゴイ! アメ車をインスパイアした昭和のセダン3選

■1960年代に誕生した高級セダンを振り返る

 日本で本格的な自動車製造が始まったのは大正時代ですが、近代的な量産体制が整ったのは第二次世界大戦後のことです。

ちょいワルオヤジに乗って欲しい! シブくてナウい国産セダン3選

 とくに1960年代になると高性能化が一気に進み、日本車も大きく進化を遂げました。

 一方、デザインやメカニズムは、まだ欧州車やアメリカ車をお手本としているモデルも多く、とくに大型(当時としては)の高級セダンはアメリカ車の影響が大きかったといえます。

 そこで、1960年代に発売された、アメリカ車をインスパイアしたような高級セダンを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「クラウンエイト」

 1955年に誕生したトヨタ初代「トヨペット・クラウン」は当初から高級車として開発され、庶民には高嶺の花の存在でした。

 そして、1962年には2代目が登場し、ボディサイズが全長4610mm×全幅1695mm×全高1460mmと、小型乗用車枠の上限近くまで大型化され、デザインもよりモダンなスタイルへと変貌。

 この2代目クラウンをベースに、国産乗用車初のV型8気筒エンジンを搭載した「クラウンエイト」が、1964年に発売されました。

 クラウンエイトは「センチュリー」の前身となるモデルで、運転手が乗車するショーファードリブンカーとして、主に法人の役員専用車やハイヤー向けに開発。

 外観デザインはベースとなった2代目クラウンと同じく、アメリカ車から発生して世界的な流行となっていた、ボンネットとトランク上面がフラットなフラットデッキスタイルを採用しています。

 ボディサイズは全長4720mm×全幅1845mm×全高1460mmと、2代目クラウンに対してホイールベースを50mm、前後トレッドを160mm、全長を120mm、全幅を150mm拡大することで、ショーファードリブンカーらしく広い室内空間を誇りました。

 搭載されたエンジンは新開発の2.6リッターV型8気筒OHVで、エンジンブロックとシリンダーヘッドがアルミ製で軽量化が図られ、スムーズな回転と高い静粛性を実現。

 装備ではトヨグライド2速AT、パワーステアリング、クルーズコントロール、パワーウインドウ、電磁式ドアロック、電動式三角窓など、贅を尽くしたアイテムが搭載され、高級車にふさわしい仕上がりとなっていました。

 クラウンエイトの価格は東京店頭渡しで165万円。2代目クラウンのトップグレード「カスタム」のAT車が114万円でしたから、いかに高額だったが伺えます。

●日産「グロリア」

 1959年にプリンスから高級セダンの初代「グロリア」が発売されました。1962年には先進的なSOHCエンジンを搭載した2代目が登場し、その後1966年にプリンスは日産と合併。

 3代目となるグロリアは、1967年に日産とプリンスの合併後初の新型車として発売されました。

 開発工程の多くはプリンスでおこなわれ、外観は同じくプリンスが開発した御料車「プリンスロイヤル」と同様な縦2連4灯式のヘッドライトを採用。3代目グロリア最大の特徴として、後に「タテグロ」の愛称で呼ばれました。

 ワイド感のある直線基調のボディは均整のとれたプロポーションで、2代目もアメリカナイズされたスタイリッシュなデザインが印象的ですが、3代目のフロントフェイスとテールまわりも日本車離れした個性的なものでした。

 エンジンは合併の過渡期だったこともあり、当初はプリンスが開発した2リッター直列6気筒の「G7型」がトップグレードに搭載されましたが、1969年のマイナーチェンジで日産製の「L20型」に換装されます。

 その後グロリアは4代目からボディが「セドリック」と共通化された兄弟車となりました。

●三菱「デボネア」

 現在、三菱のラインナップからセダンが消滅して久しいですが、かつてはさまざまなセグメントのセダンを販売していました。

 なかでも特異なモデルとしてもっとも有名なのが、1964年に誕生した初代「デボネア」です。

 デボネア誕生の経緯として、当時GMに所属していたハンス・プレッツナー氏が、GMを休職し日本の自動車メーカーでデザインコンサルタントの仕事を希望していた事から、三菱は同氏を招聘。

 それによって、デボネアは1960年代のアメリカ車をオマージュしたような、重厚感のあるデザインが実現できたといいます。

 ボディサイズは全長4670mm×全幅1690mm×全高1465mmと現在の水準ではコンパクトですが、数字以上に大きく見えます。

 発売当初は2リッター直列6気筒OHVエンジンを搭載し、高い静粛性と滑らかな加速は高級セダンにふさわしいものでした。

 その後、環境対応から新世代の2.6リッター直列4気筒エンジンに換装するなど改良されましたが、それ以外は大幅な変更はおこなわれず、1964年当時の基本設計のままデボネアは1986年まで生産が続けられました。

 現在、クラシカルなデザインが再評価され、旧車ファンから注目される1台です。

※ ※ ※

 今回はアメリカ車にインスパイアされたモデルを紹介しましたが、ほかにもマツダ初代「ファミリア」や日野「コンテッサ」など、欧州のデザイナーによってヨーロピアンな外観に仕立てられたモデルもあります。

 しかし、海外の著名なデザイナーや工房によるデザインが必ずしも日本で受け入れられるとは限らず、ピニンファリーナ作の日産2代目「ブルーバード」は、デザインが不評でした。

 デザインに正解はないといいますが、まさに日本人に好まれなかったという例です。

こんな記事も読まれています

伝統と革新が融合したスポーツモデル!ダイナミックな外観や新世代ISGを引っ提げ、「メルセデスAMG CLE 53クーペ」発売!
伝統と革新が融合したスポーツモデル!ダイナミックな外観や新世代ISGを引っ提げ、「メルセデスAMG CLE 53クーペ」発売!
LE VOLANT CARSMEET WEB
今季10戦目にしてなんと5回目の11位……ヒュルケンベルグ抜群の安定感も”入賞圏外”に落胆「新しいポイントシステムが必要だ」
今季10戦目にしてなんと5回目の11位……ヒュルケンベルグ抜群の安定感も”入賞圏外”に落胆「新しいポイントシステムが必要だ」
motorsport.com 日本版
オートバックスセブン、林野庁と協定締結 店舗での国産木材使用を拡大
オートバックスセブン、林野庁と協定締結 店舗での国産木材使用を拡大
日刊自動車新聞
日産が新型「軽“ワゴン”」発表! ホンダ「N-BOX」対抗の「超背高モデル」! 超スゴイ“ピンク”も追加の「新ルークス」に販売店でも反響あり
日産が新型「軽“ワゴン”」発表! ホンダ「N-BOX」対抗の「超背高モデル」! 超スゴイ“ピンク”も追加の「新ルークス」に販売店でも反響あり
くるまのニュース
そういえば滑りづらくなった!? 首都高の二輪車安全対策「フィンガージョイントすべり止め」「カーブ部のカラー舗装延伸」とは?
そういえば滑りづらくなった!? 首都高の二輪車安全対策「フィンガージョイントすべり止め」「カーブ部のカラー舗装延伸」とは?
バイクのニュース
「ChatGPT」車載化、VWがゴルフやティグアンにオプション設定…欧州仕様
「ChatGPT」車載化、VWがゴルフやティグアンにオプション設定…欧州仕様
レスポンス
アクセルを戻せば減速する……のはわかる! でも説明しろと言われると悩むエンジンブレーキの「仕組み」とは
アクセルを戻せば減速する……のはわかる! でも説明しろと言われると悩むエンジンブレーキの「仕組み」とは
WEB CARTOP
フレッシュアップされたBMW 3シリーズの全情報 価格から走行性能&比較テストまで 新型BMW 3シリーズのすべて
フレッシュアップされたBMW 3シリーズの全情報 価格から走行性能&比較テストまで 新型BMW 3シリーズのすべて
AutoBild Japan
ついに始まった首都高「新ルート事業」の凄さとは 「箱崎の渋滞」も変わる!? 都心に地下トンネル「新京橋連絡路」爆誕へ
ついに始まった首都高「新ルート事業」の凄さとは 「箱崎の渋滞」も変わる!? 都心に地下トンネル「新京橋連絡路」爆誕へ
くるまのニュース
新型コンパクトSUV『EMZOOM』、世界市場で成功…中国広州汽車
新型コンパクトSUV『EMZOOM』、世界市場で成功…中国広州汽車
レスポンス
日本でまさかの拳銃を使ったタクシー強盗発生! キャッシュレス化で現金をもたない仕組み作りが一番の解決策
日本でまさかの拳銃を使ったタクシー強盗発生! キャッシュレス化で現金をもたない仕組み作りが一番の解決策
WEB CARTOP
伝統を継承するマッスルクルーザー! スズキが米北米市場で2025年型「ブルバードM109R」を発売
伝統を継承するマッスルクルーザー! スズキが米北米市場で2025年型「ブルバードM109R」を発売
バイクのニュース
本田宗一郎とイーロン・マスクに共通点があった? 稀代の経営者を支える「無知の知」とは何か
本田宗一郎とイーロン・マスクに共通点があった? 稀代の経営者を支える「無知の知」とは何か
Merkmal
全長5m級!トヨタが新たな「ラージSUV」まもなく発売!? 17年ぶり復活! 斬新フェイス&車中泊出来そう空間の「クラウン」 発売はどうなった?
全長5m級!トヨタが新たな「ラージSUV」まもなく発売!? 17年ぶり復活! 斬新フェイス&車中泊出来そう空間の「クラウン」 発売はどうなった?
くるまのニュース
フレキシブルウイング巡る論争が再燃。メルセデスに注目集まるも、今のところFIAは介入せず
フレキシブルウイング巡る論争が再燃。メルセデスに注目集まるも、今のところFIAは介入せず
motorsport.com 日本版
驚異のパフォーマンス向上! 最新スパークプラグの技術とその効果~カスタムHOW TO~
驚異のパフォーマンス向上! 最新スパークプラグの技術とその効果~カスタムHOW TO~
レスポンス
シボレー コルベット【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
シボレー コルベット【1分で読めるスーパーカー解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画26-1「JB64のシートを移植しよう」
『ぽんこつジムニー』ハコ替え計画26-1「JB64のシートを移植しよう」
グーネット

みんなのコメント

26件
  • クラウンエイトはバッテリー上がると電磁ロックが効かなくなるのでドアが開かないのが欠点でした。
    近年のクルマとは違ってドアロックにリンクが繋がっておらず、ソレノイドでロックを動かすため素人には開けようがありませんでした。
    フロントドアよりもリヤドアの方が長いのでドアガラス面積も広くてクラウンではなく、センチュリーなんだなと思いました。
    形式もVG10で、のちのセンチュリーはVG20から始まります。
  • 細部にわたるデザインがたまりませんね
     ヒーターとクーラーついてりゃこの車でまったりドライブしたいわ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

26.8879.0万円

中古車を検索
クラウンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.9575.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

26.8879.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村