シンクロウェザーはすでに人気タイヤに!
大リーガー・大谷翔平選手をメインキャラクターにしたCMで話題になったオールシーズンタイヤ「ダンロップ・シンクロウェザー(以下SW)」。これは水や温度によってスイッチのようにゴムの性質が自動的に変わる、と同社が謳う革新技術「アクティブトレッド」を搭載する次世代のタイヤで、季節や天候に関わらず1年中理想的なグリップ力を発揮するという。
ダンロップが開催した夏・冬の性能テストに参加してその素晴らしさを体験した筆者は、マイカーの1993年式メルセデス・ベンツW124型セダン(280E)にそれを装着することを決定。取り付けてすぐにロングドライブを敢行して、そのフィーリングを確かめてみた。
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ダンロップタイヤの専門店「タイヤセレクト世田谷用賀」で装着したSWは、195/65R15の純正サイズ(税込価格2万6730円/本)。サイドウォールには、DUNLOPのロゴの下に技術名の「ACTIVE TREAD」、SYNCHRO WEATHERのタイヤ名の下に、左から、国際氷上テストに合格した証の「アイスグリップマーク」、ヨーロッパでの冬用タイヤを示す「スノーフレークマーク」、オールテレインであることを示す「マッド&スノーマーク」、日本での冬用タイヤを示す「SNOWマーク」が並んで刻まれていて、チェーン規制がかかっていない道路ならそのまま走行可能なタイヤであることを示している。
製造年月日は「3724(2024年の第37週)」なので、工場出荷から約1か月しか経っていない生まれたてのタイヤであることがわかる。ロゴのない部分には4本の曲線が描かれていて、これは4つのシーズンを表しているとのことだ。空気圧は、前2.2bar、後2.4barで指定通り。ピットには、筆者のもの以外の装着を待つSWが積まれていて、早くも人気タイヤになっていることがわかる。店への問い合わせも頻繁にあるという。
ロングドライブで新タイヤの乗り心地を試す!
ちなみに、それまでW124が装着していたのは某国産メーカーの最高級タイヤ「レグ○」で、走行面で不満に思うことは全くなかった。新たにSWを装着したホイールは、製造から6シーズン目となったピレリのスタッドレスタイヤ(山はまだしっかり残っていたが、ゴムの寿命は尽きていたはず)を取り付けていたものだ。
店舗から出て環八を走り始めると、その静粛性と、柔らかなゴムによる快適な乗り心地に全くもって感心する(新しいタイヤを装着した際には大体こう感じるものだけれど)。過去に装着したことがあるオールシーズンタイヤが持っていたネガな面(特にロードノイズ)は感じられず、サマータイヤと遜色なしである。
装着して4日後の10月21日には、静岡県浜松市のスズキ自動車で取材があったため、SWを装着したW124で向かうことにした。ルートは中央道、富士五湖道路、新東名を経由、というもの。月曜日ということもあってクルマの通行量が少なく、80km/h、100km/h、120km/hの制限速度にできる限りクルーズコントロール(当然アダプティブではない……)のスピードを合わせて巡航していった。これらの高いスピード領域でもロードノイズは気にならず、W124に取り付けている「ナカミチ」製オーディオの音量をいたずらに上げる必要がなかったのは嬉しいところ。
たった一つ気になったのは、車速が120km/hに近づくと(115km/hぐらいから)、ステアリングから伝わってくる振動がわずかに感じられたこと。空気圧をもうちょっと上げておいた方が良かったのか、またホイールバランスが狂っているのか。帰ったらチェックする必要がありそうだ。
当日の取材が午後からだったので、到着後は浜名湖に行ったり、うなぎパイファクトリーに行ったり(ここの混雑ぶりにはビックリ)、スズキの広報さんに教えていただいた「かねりん」で昼食の鰻重をいただいて浜松を満喫した。
訪問したスズキ本社工場前にある「スズキ歴史館」では、同館を担当する馬越悟広報から、スズキを代表する各世代の製品の超詳細な説明を受け、恐れ入ることに。ジウジアーロがデザインした、世界で唯一の量産ロータリーエンジン搭載オートバイの「RE5ロータリー」や、初期の二輪モデル「コレダ」、初期型「ジムニー」、真っ赤な「アルト47万円」など、観ているだけで楽しくなる。興味がある方は、ぜひ訪問してほしい。
645km走行後、燃費はどうだったのか?
帰りは、海老名付近の東名で集中工事の渋滞に捕まってしまい(1時間で3kmしか進まなかった……)、無駄なガソリンを消費してしまった。
気になるSWの燃費は、往路が352km走って給油したハイオクガソリンは35.65L。満タン法で9.87km/L。復路は293kmで30.04Lを消費して9.75km/L。トータルで645km走って65.69Lを消費して、9.82km/Lという結果になった。
これまでサマータイヤで同様のロングドライブを敢行した際には、平均して10km/Lをオーバーしていたので、SWはそれよりわずかに劣る結果になった。柔らかいトレッド面が発生する粘着力による抵抗なのか、高速走行で発生していた細かい振動によるものだったのかはわからないけれど、まあ早急に判断する必要もないだろう。走行距離が伸びれば変わってくる面もあるだろうし、東京では滅多にお目にかかれない雪の路面の印象も伝えてみたい。乞うご期待だ。
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