現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > フォルクスワーゲン 9代目パサートヴァリアントのPHEVはほぼEVの走り【試乗記】

ここから本文です

フォルクスワーゲン 9代目パサートヴァリアントのPHEVはほぼEVの走り【試乗記】

掲載 更新 3
フォルクスワーゲン 9代目パサートヴァリアントのPHEVはほぼEVの走り【試乗記】

フォルクスワーゲンのD/Eセグメントサイズとなるパサートが9代目になり、試乗することができたのでお伝えしよう。

関連記事:フォルクスワーゲン 新型パサート 9世代目にフルモデルチェンジ ガソリン、ディーゼル、PHEVをラインアップ
関連記事:フォルクスワーゲン ディーゼルもある9世代目の新型パサートはマルチパスウェイにシフトか?!【公式動画】

BYD コンパクトEV「ATTO2」の全貌が見えた

まずはラインアップからセダンがなくなり、ステーションワゴンタイプのヴァリアントだけの投入となった。ボディサイズも全長が130mm長くなり、ホイールベースも50mm長くなっている。全長4915mm、全幅1850mm、全高1500mm、ホイールベース2840mmとかなり大きく長くなった。そのサイズアップはトランク容量と後席のスペースに活かされている。

1.5Lターボエンジン+プラグインハイブリッドトランク容量は通常状態で690L、最大で1920Lという最大級の容量を確保し、また荷室フロアを低く設定しているので、使い勝手も良い。直線的なデザインを取り入れているため、荷室の積載も使いやすいと言える。

9代目となったパサートヴァリアントには3つのパワートレインがあり、1.5Lガソリンターボ+マイルドハイブリッド、2.0Lディーゼルターボ+4Motion(AWD)、そして1.5Lガソリンターボ+プラグインハイブリッドという3種類。試乗は1.5LのMHEVとPHEVの2タイプを試乗した。

1.5L+MHEV驚いたのはPHEVだ。いずれもMQBevoのプラットフォームを採用しているが、フォルクスワーゲンのEVはMEBプラットフォームであり、異なるものの、ほぼEVと感じさせる乗り味だったことだ。ある意味移行期にあることが明確にわかる9代目といえよう。

PHEVユニット。考え方はEVをベースとしてエンジンがサポートという役目になっているPHEVシステムのEV走行可能距離は142kmもあり、日常はEVで賄える。さらに最高速度も140km/hまでEV走行が可能のため、国内であればEVだ。アクセルを大きく踏み込んでもエンジンはかからない。この辺りの制御からもEVをベースにしたPHEVであると感じるのだ。もっともキックダウンするほど踏み込むとエンジンは始動し、またバッテリー残量が少なくなった時や、140km/hを超えた時にはエンジンは始動するのだが、例外的な条件と言えるのではないだろうか。

組み合わされるエンジンも1.4LのTSIから1.5LのTSIevo2へと変更され、可変ジオメトリーターボのVTGターボとミラーサイクル運転をし、最大350バールの高圧噴射圧、プラズマコーティングされたシリンダー、冷却チャンネルを内蔵したピストンなども採用し、高効率なICEとなっている。

さらに搭載するバッテリーサイズも25.7kWh(NET=19.7kWh)と、従来の倍近いサイズにアップされており、ほぼEVと言える容量のバッテリーを搭載しているのだ。したがって、本国仕様では急速充電にも対応しており、CO2を排出する機会の少ないPHEVに位置付けている。

普通充電のみ対応だがAC11kWの充電が可能に残念ながら国内導入モデルのPHEVには急速充電には対応しておらず、おそらくCHAdeMOへの対応と、伴うコストアップがあったのだろうと想像する。しかしながら、現在のEVオーナーの環境意識は高く、PHEVが公共の急速充電システムを使用していても一昔前のように、懸念する声は薄れているのが現実だ。積極的にCO2削減を意識しているオーナーと捉えているのだろう。

広大な荷室。これでリヤシートを倒していない状態後席背もたれを後方から操作できるアンビエントライトも装備する高級感アルカンターラの梁やステッチなど高級仕様だシフトレバーがコラムへ移動したためセンターコンソールはすっきりさて、その新型となったPHEVはワインディングを走っても、高速道路を走ってもEVであり、エンジンが稼働するシーンに出会わない。走行距離が140kmを超えたあたりでEV走行可能距離0kmとなり、ようやくエンジンはかかり、エンジンで走行をするが、とても静粛性が高く、EV走行時との落差を感じない点でも優れている。

さらに加速中はエンジン音はするが、滑空するようなシーンになると、エンジンはすぐに停止する。これはメーターパネルを見ていないと判定できないほど静かで滑らかに行なわれており、意識しないとエンジンなのか、モーターなのかわからないレベルなのだ。

したがって、EV走行距離が0kmを表示していても、少しエンジンで走行すると、次のシーンではEV走行するわけで、どっちのパワートレインで走行しているかを考えるのは馬鹿馬鹿しく感じてくるのだ。それほど緻密な制御が行なわれており、絶賛できる仕上がりと言える。

ちなみにPHEVの考え方では、従来はエンジン車をベースにモーターがアシストもしくはEV走行という概念だったが、このパサートヴァリアントPHEVはEVをベースにしてバッテリーが足りないなど、モーターでおぎなえない場合は、エンジンを稼働させるという概念に変わっている。だから少しでもバッテリーがあれば積極的にEV走行することになるのだ。これはBYDのPHEVも同じ思考であり、日本メーカーのPHEVではまだ、その思考へシフトチェンジは行なわれていない。

さて、パサートヴァリアントのサスペンションにはDCC-proを装備しており、画期的な乗り味の変化も楽しい要素だった。これはダンパーの伸び側と縮み側の減衰をそれぞれ独立して設定できるため、コンフォートな高級車から、引き締まったスポーティな走りの両立ができたことも驚きのひとつだった。

このようにICE用のプラットフォームMQBの改良型でも、ここまでEV化が可能であり、もちろんエンジン車はお手のものという印象だ。

1.5TSIのコクピットノートPCと同じ15インチサイズあるインテリアでは12.5インチのデジタルクラスターに15インチのセンターモニターを装備。センターモニターはタッチスクリーン式で、もはやラップトップPCと同じサイズのモニターが装備されている。しかしながら、タッチ式であり、左手での操作かつ、目的の操作は階層に入っており、改善はあるものの使い勝手はまだダメだ。

例えば風量を変えるのも、ワンタッチしてからの操作であり、直感的には操作できない。ナビにおいても現在地に戻る操作が▲の時もあれば「地図」と書かれた文字をタッチしないと現在地に戻らない場合もあり、複雑怪奇。改善を要求するインフォテイメントである。

1.5Lターボ+マイルドハイブリッド一方で1.5LのMHEVモデルは、アクセルの早開きがあり、らしくない制御になっていた。ステアリングの操舵フィールも電動感が残り手応えはイマイチ。ただ加速してエンジンが勇ましい音を出すようなことはなく、高級なパサートヴァリアントに相応しい静粛性は確保している。

このあたりのPHEVとMHEVに違いがあることは不思議だ。よく考えてみると、PHEVでありながら、ICE用のプラットフォームMQBevoで、ここまでEV化が可能としたことは高い技術力だと理解できる。そして、エンジン車はMQBならお手のものという印象だ。だが、開発当時のフォルクスワーゲンの事情をふり返ってみると、トップのヘルベルト・ディースから現在のオリバー・ブルーメに人事変更があったのが2022年。

開発コストと製品クオリティの争いはいつの時代にも存在するが、コストカッターとも言われたディースで開発が始まったパサートは、開発期間が短かった可能性も考えられる。したがってICEモデルのほうが得意なMQBだったが、詰めの甘さが残ってしまったのではないかと想像する。

そう考えると、マイナーチェンジやイヤーモデルでは制御の見直しも行なわれ、CHAdeMOにも今後は対応してくると予想している。現在のPHEVは自宅に充電環境がある人がメインターゲットになり、となると今なら、2.0L TDIを搭載しAWD機構をもつパサートヴァリアントの選択が正解かもしれない。個人的にはCHAdeMO対応したPHEVを待つかもしれないが。

諸元

価格

■ フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント 最近の関連記事

◆フォルクスワーゲン 9代目パサートヴァリアントのPHEVはほぼEVの走り【試乗記】(高橋アキラ)(2025.02.07)

【気になる新車】フォルクスワーゲン 新型パサート 9世代目にフルモデルチェンジ ガソリン、ディーゼル、PHEVをラインアップ(2024.11.27)

【気になる新車】フォルクスワーゲン ディーゼルもある9世代目の新型パサートはマルチパスウェイにシフトか?!【公式動画】(2023.09.04)

フォルクスワーゲン パサート ヴァリアント 関連記事
フォルクスワーゲン 関連記事
フォルクスワーゲン 公式サイト

The post フォルクスワーゲン 9代目パサートヴァリアントのPHEVはほぼEVの走り【試乗記】 first appeared on オートプルーブ - Auto Prove.

こんな記事も読まれています

【詳細データテスト】ポルシェ911 適度なハイブリッド GT3に次ぐ走り 公道ではベストな911
【詳細データテスト】ポルシェ911 適度なハイブリッド GT3に次ぐ走り 公道ではベストな911
AUTOCAR JAPAN
楽しーんだなコレが!!! 走りを極めたフレンチホットハッチの魅力爆発! ルノールーテシアRS試乗プレイバック【ベストカーアーカイブス2013】
楽しーんだなコレが!!! 走りを極めたフレンチホットハッチの魅力爆発! ルノールーテシアRS試乗プレイバック【ベストカーアーカイブス2013】
ベストカーWeb
日本にわずか4台のルノー「クリオRS 182トロフィー」を2台乗り継ぎ14年! 唐辛子カラーのホットハッチはノーマルのままで十分楽しい!!
日本にわずか4台のルノー「クリオRS 182トロフィー」を2台乗り継ぎ14年! 唐辛子カラーのホットハッチはノーマルのままで十分楽しい!!
Auto Messe Web

みんなのコメント

3件
  • rac********
    アウトランダーが遙か昔からEVベースの挙動してるのでは?
    違う日本?
  • bus********
    なんか、記事がむちゃくちゃ粗いなあ。書きかけのままで公開してるでしょ。
    句読点がなかったり誤植があったり諸元が調べてなかったり。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

521 . 6万円 677 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24 . 8万円 568 . 0万円

中古車を検索
フォルクスワーゲン パサートヴァリアントの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

521 . 6万円 677 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24 . 8万円 568 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

あなたの愛車、今いくら?

申込み最短3時間後最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!

あなたの愛車、今いくら?
※1:本サービスで実施のアンケートより (回答期間:2023年6月〜2024年5月)
メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村

マイカー登録でPayPay1万円相当があたる