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次世代バイオディーゼル燃料が内燃機関の未来を救う。マツダが2022年スーパー耐久シリーズに100%サステオで参戦

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次世代バイオディーゼル燃料が内燃機関の未来を救う。マツダが2022年スーパー耐久シリーズに100%サステオで参戦

マツダは、カーボンニュートラルな次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を使ったマツダ2で、2022年スーパー耐久シリーズに参戦することを発表した。その戦いの先には、バイオ由来の再生可能燃料が切り拓く「もうひとつの持続可能な未来」が見えてくる。

水素エンジン カローラ スポーツとともに「内燃機関の可能性」を切り拓く
世界中の自動車メーカーはおそらく、すでに気づいている。いわゆる電動化だけで持続可能なモータリゼーションを実現するのは、なかなかハードルが高そうだ。だからこそ当面のマルチソリューション化は避けられない、という「選択肢」がさまざまなメーカーから提案されている。その重要な柱のひとつと言えそうなのが、カーボンニュートラルな燃料を使った内燃機関の延命措置だ。

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マツダはかねてから、内燃機関の可能性に注目し続けてきた。2020年冬に発表された創立100周年記念の宣言「THE ROAD TO THE FUTURE ~未来へ向かうマツダの道筋」では、「現時点でCO2排出量を削減する最良の方法は、内燃機関の効率を大幅に改善することにある」と表明している。

具体的な成果のひとつが、リーン燃焼を採り入れたSKYACTIV-Xエンジンの実用化。さらに内燃機関の進化と同時並行で、マツダは使用する燃料自体のカーボンフリー化まで追求していく。先に挙げた「道筋」ではそれが、再生可能液体燃料として紹介されている。

2021年11月のスポット参戦に続いて、今回の次世代バイオディーゼル燃料で走るマシンによるスーパー耐久レースシリーズへの参戦は、そうした取り組みの新たなステップアップとなる。リアルでの実証実験であると同時に、カーボンニュートラル実現の選択肢のひとつとしての再生可能燃料の普及拡大を目指したものだ。

ゼッケンナンバー55をつけた「MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bio concept」が戦うクラスは、ST-Q。トヨタのマルチソリューション戦略の一角を担う水素エンジン搭載の「ORC Rookie Corolla H2 concept」や合成燃料搭載のGR86、同じく合成燃料で走るスバル BRZたちのライバルとなる。

カーボンニュートラルに向けた内燃機関の可能性を、3メーカーがともに広くアピールしていくわけだ。

持続可能性を秘めたバイオディーゼルの、地産地消モデルを構築
果たしてマツダは、いつ頃から次世代バイオディーゼル燃料に注目していたのだろうか。

次世代バイオディーゼル燃料開発への取り組みが初めて具体的に明らかにされたのは、2017年4月のことだった。国立大学法人広島大学との共同研究講座として、同大学院理学研究科内に「次世代自動車技術共同研究講座 藻類エネルギー創成研究室」を開設したところから始まっている。

そこで掲げられていたマツダのコメントは、実に明解だ。

「自動車などの内燃機関を搭載した移動体のエネルギー源については、将来においても液体燃料が、効率的か実用的な手段であると考えています」

2018年には「地元広島における自動車用次世代バイオ燃料の地産地消モデル構築」を旗印に、実証事業計画に参画。ユーグレナ社との協業を発表している。これが今回のスーパー耐久参戦につながる第一歩となった。

人や家畜の食糧と競合しない第二世代バイオ素材への期待値
ところで、そもそも「次世代」「バイオ」燃料というのはどんなものなのだろう。

「バイオ」とは主に、植物由来の素材を指す。生育時に二酸化炭素を吸収することから、燃料として利用される時に二酸化炭素を排出したとしても、大気全体のCO2総量が変わらない=カーボンニュートラルを実現=環境に優しいというわけだ。

それでは「次世代」とはなにかと言えば・・・原料となる素材の世代交代を意味する。

従来のバイオ燃料の素材は、トウモロコシやサトウキビなどの穀類だったが、食糧競合という大きな壁にぶつかっていた。それに代わって注目された第二世代のバイオ燃料が、食糧競合を起こさない「次世代」素材たちだ。

ひとくちに次世代と言っても、いくつかの種類がある。欧州を中心に研究開発、商業化が進んでいるのは、食品などの廃棄物由来の次世代バイオフューエルだ。樹木の廃材など木質系バイオマスを使ったセルロース由来のものは、日本においても技術的に早く実用化され得るという研究報告がある。

一方、微細藻類系は、中長期的に見て「有望株」と言われている。主に陸上で生育するセルロース系バイオマスに比べて成長速度が速く、生産性に優れているからだ。炭化水素や脂肪酸といった、燃料として有用な成分を多く含む点も、有望株とされるゆえんのひとつだ。

そんな中でも、食品添加物としても実用化されているユーグレナは、ある意味、非常に身近と言えるだろう。ちなみにユーグレナというのは、和名「ミドリムシ」のこと。健康サプリとしての知名度は、かなり高い。

ミドリムシは培養される過程で、油脂分(ワックスエステル)を体内に蓄積させる。それを乾燥させてワックスエステルを抽出、水素を添加して余分な酸素を除去する「水素化処理」を行うと、いわゆる「原油」である脂肪酸メチルエステル(FAME)が合成される。ユーグレナ社はこのFAMEを分解、精製することで燃料として利用することを可能にした。

100%サスティナブルな燃料でも、性能低下はなし
ユーグレナ社が生成した次世代バイオディーゼル燃料は「サステオ(SUSTEO)」と名付けられ、すでに自治体や鉄道、航空機、船舶などさまざまな輸送業態への供給、実証実験などが進められている。

ちなみに航空機で最初にサステオを使用して空を飛んだのは、プライベートジェット機「ホンダ ジェット エリート」だった。一般向けチャーターフライトに向けたデモンストレーション的フライトではあったものの、将来的には顧客がオプションとして「サステオ」を選択できるサービスも検討しているという。

そして2021年11月、スーパー耐久という舞台でユーグレナ社はマツダとタッグを組み、さらにエポックメイキングな「実験」に臨んだ。これまでに供給されてきた「サステオ」は既存のジェット燃料や軽油などと混合されたものだったが、参戦する「#37 MAZDA SPIRIT RACING Bio concept DEMIO」には、まじりっけなしでミドリムシ由来の100%サステオが使用されたのだ。

一般的な普及に関連して注目したいポイントが、レースで使われたSKYACTIV-15Dの場合、エンジン本体には「サステオ」使用に対応するための改造をなんら受けていなかった、ということだろう。点火系など制御に関わる部分や排気系についてはチューニングが入っているようだが、現存している多くのディーゼルエンジンに大がかりな変更なしで使用できる可能性が高い。

性能も石油由来の軽油と同等。つまり、普通に今乗っているディーゼルモデルにも使えるということなのだ。

目指すはリッター100円。「当たり前の世界」がもうすぐやってくる?
ただし、やはり今のところはコストが最大のネックだ。ユーグレナなどの微細藻類は陸上植物由来のバイオマスに対して桁違いの生産性が期待できるというけれど、それですら培養段階で水の補充や栄養源としての炭素、栄養分の添加などに、大きなエネルギーの投入が必要とされている。

もちろんユーグレナとして、一般に普及させるための目標は設定されている。2020年に公表された計画では2025年に商業規模のプラントを建設、「バイオ燃料」の生産量を2000倍に引き上げることを目指していた。生産コストは100分の1とのこと。生産量は2025年までに25万kLに達し、製造コストをさらに大幅に下げるという。

その際の目標価格も実は具体的だ。ずばりリッター100円。夢のような低コストでどんなに走り回ってもカーボンニュートラル。すべての常識が覆る可能性を秘めている。

2023年にはスーパーGTでも、バイオ系のサスティナブル燃料「カーボンニュートラル・フューエル」の導入が始まる予定だという。国内レースにおけるSDGsな取り組みは、急速に深まりつつあるようだ。

この分だと「バイオ燃料が当たり前」に内燃機関に使われる時代は、想像しているよりもずっと早く訪れることになるかもしれない。課題はもちろんいろいろある。けれど電動化とともに、サスティナブルなモータリゼーションの選択肢が増えるというのは、素直に喜ばしいことではないだろうか。

マツダによるスーパー耐久レース 参戦体制
チーム名:MAZDA SPIRIT RACING
チーム代表:前田育男(マツダ 常務執行役員)
レース運営サポート:TEAM NOPRO(ノガミプロジェクト)、HM RACERS(広島マツダ)
車両:#55 MAZDA SPIRIT RACING MAZDA2 Bioconcept(ST-Qクラス)
ドライバー: 井尻 薫、関 豊(以上、プロレーシングドライバー)、寺川 和紘、前田 育男(以上、社内ドライバー)

[ アルバム : マツダ 次世代バイオディーゼル はオリジナルサイトでご覧ください ]

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  • 2012年式にも対応してほしいです。 2だけでなく6,cx8にも実験して力がどうなるか騒音が出るか燃費がどうなるか、も試してください。
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