現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダの新型SUV「WR-V」と「ヴェゼル」の違いを徹底検証

ここから本文です

ホンダの新型SUV「WR-V」と「ヴェゼル」の違いを徹底検証

掲載 49
ホンダの新型SUV「WR-V」と「ヴェゼル」の違いを徹底検証

今、ホンダ車で大きな話題になっているのが、3月22日に発売予定の新型コンパクトクロスオーバーSUV、Z世代にもアピールしたいという、インドで生産され逆輸入されるWR-Vだ。特徴的なのは、駆動方式がFFのみ。パワーユニットも4気筒1・5L NAのガソリンエンジンのみということだ。

現時点でのホンダSUVのラインナップは、発売順ではヴェゼル(FF/4WD、e:HEV/ガソリン)、以前のCR-VのポジショニングをカバーするZR-V(FF/4WD、e:HEV/ガソリン)の2モデル。ならば、WR-Vはヴェゼルの下位に位置づけられるさらなるコンパクトモデル(トヨタ・ライズやダイハツ・ロッキーなどのポジション)かと思いきや、その寸法を確認すると、なんとヴェゼルと大きく違わない。

ベントレーが作った英国で最も豪華なライブハウス「ベントレーレコードルーム」の気になる中身

ホンダ・ヴェゼルG

ホンダZR-V

まず、基本プラットフォームをヴェゼルから受け継ぐWR-Vとヴェゼルのボディサイズ、ホイールベースを比較してみると、WR-Vは全長4325×全幅1790×全高1650mm、ホイールベースはBセグメントSUV最大級の2650mm。一方、ヴェゼルは全長4330×全幅1790×全高1590mm、ホイールベース2610mmとなる。

ホンダ・ヴェゼルG

つまり、WR-Vはヴェゼルに対して全長が5mm短いだけで、全幅は同じ。そして注目すべきはホイールベースがヴェゼルより長く、全高もWR-Vのほうが60mm高いこと。そして最低地上高がWR-Vは195mm。ヴェゼルはFFが185mm、4WDが170mmとなり、最低地上高に関しても、FFのみながらWR-Vのほうが余裕があることになる。

WR-Vがガソリン車のみということで、ヴェゼルGのガソリンFFモデルと車重、燃費性能を比較すると、車重はWR-Vがグレードにより1210~1230kg。ヴェゼルG(ガソリン車)のFFは1250kgとやや重い。しかし、両車のWLTCモード燃費はWR-Vがグレードにより16.2~16.4km/L、ヴェゼルGが17.0km/Lと、ヴェゼルが僅差で上回る。これは車高の高さの違いによる空気抵抗の差もあるだろう。

ホンダWR-V

両車はSUVとしてのキャラクターも異なる。全高の低さやスタイリッシュさが強調され、土の臭いがしないキャラクターなのがヴェゼルであり、WR-Vは全高や最低地上高、アンダーガードやサイドアンダープロテクターを目立たせていることからも、よりクロカン的なデザインを用いた、リーズナブルなスタート価格(209.88万円~248.93万円)もまた売りのコンパクトクロスオーバーSUV。ヴェゼル(G FF 239.91万円)とは異なるコンセプトで造られていることが分かる。そりゃあそうである。全長、全幅がほぼ同じ、キャラクターも被るクロスオーバーSUVを2台ラインナップする理由などないからだ。

ホンダ・ヴェゼルe:HEVモデル

ホンダ・ヴェゼルG

WR-Vの商品性のひとつが、ヴェゼルよりホイールベースが40mm長く、全高の高さもあって、とくに後席のゆとり、ラゲッジルームの広さだ。ラゲッジルームについて具体的なデータを示すと、ヴェゼルはフロア奥行755mm、フロア幅1010mm、最低天井高780mm。後席格納時のフロア長1550mm(実測値)。

ホンダ・ヴェゼルの後席

ホンダ・ヴェゼルのラゲッジルーム

一方、WR-Vはフロア奥行840mm、フロア幅1020~1350mm、最低天井高882mm。後席格納時のフロア長2181mm(メーカー値)。つまり、後席使用時にゴルフバッグが積むのが難しい(先代ヴェゼルはOK)ヴェゼルに対して、WR-Vはゴルフバッグの積載容易性はもちろん、TVCMにもあるように、ホームセンターで買った大荷物、アウトドアの大荷物も余裕で積み込める積載力にアドバンテージがあるということだ。

新旧ヴェゼル

具体的には、4人分のアウトドア用品、スーツケース21インチ×2+25インチ×2、後席片側格納で約170cmのサーフボード、後席両側格納で27インチの自転車も積載可能と説明されている。



後席に関して言えば、WR-Vは頭上、膝周り空間の余裕とともに、全車、後席エアコン吹き出し口があり、後席の居住性、快適性を重視していることが分かる。ヴェゼルのガソリン車は後席エアコン吹き出し口未設定だ(e:HEVモデルには用意されている)。

ホンダWR-V

もっとも、WR-Vはすでに説明したように4WDの設定はなく、見た目のSUVテイストとは裏腹に、オンロード重視のアーバンSUVというキャラクターがより強調されているところが特徴。スムーズな加減速、スポーティな走りを可能にするパドルシフトを標準装備しているのもWR-Vならではだ。

最後に、WR-VのライバルSUVは?という点だが、価格的にはトヨタのヤリスクロスの1.5Lガソリン車の最上級グレードとなるZ”Adventure”、233.1万円(2WD)が挙げられる。が、ヤリスクロスのボディサイズは全長4180×全幅1765×全高1590mm。ホイールベース2560mmと、WR-Vよりひとまわりコンパクトとなるため、クラス違いで、室内空間のゆとりはもちろん、ラゲッジルームの寸法も、WR-Vにリードされて当然だ。では、トヨタのカローラクロスはどうかと言えば、こちらのパワーユニットは2Lで、車格もWR-VのBセグメントからCセグメントとなり、クラス違いということになってしまう。

トヨタ・ヤリスクロス

トヨタ・カローラクロス

よって、勝手な判断として、”ちょうどいい”お手頃クロスオーバーSUVとも言えるWR-Vのライバル車は見つけにくく、なんと、価格を含め、同門の欧州クロスオーバーモデルを彷彿させるデザイン性を備えたヴェゼルのガソリンFF車がライバルになるかも知れない・・・。その上で、WR-Vは、エクステリアのよりSUVテイストあるデザイン、後席のゆとり、ラゲッジルームの広さがセールスポイントになると思われる。

WR-Vの公道試乗記は、今春、発売されてから、改めてお伝えしたい。

ホンダWR-V

文/青山尚暉
写真/ホンダ 青山尚暉

こんな記事も読まれています

奇抜デザインなのに最高の乗り心地!? ハイドロサス搭載[シトロエンC6]は専門店で狙え!!
奇抜デザインなのに最高の乗り心地!? ハイドロサス搭載[シトロエンC6]は専門店で狙え!!
ベストカーWeb
BMW新型「1シリーズ」の全容が判明! 垂直キドニーグリルと丸目4灯ヘッドライトの伝統を捨てた!? 第2世代FFモデルの走りはどうなる?
BMW新型「1シリーズ」の全容が判明! 垂直キドニーグリルと丸目4灯ヘッドライトの伝統を捨てた!? 第2世代FFモデルの走りはどうなる?
Auto Messe Web
【ホンダ新型フリードに試乗】 設計思想に見える優しさも 異例のロングセラーを続けるモデル
【ホンダ新型フリードに試乗】 設計思想に見える優しさも 異例のロングセラーを続けるモデル
AUTOCAR JAPAN
レクサスの「和製スーパーマシン」! 600馬力超えエンジン×「後輪駆動」採用! 迫力ボディも超カッコイイ「LF-LC GT VGT」に反響集まる
レクサスの「和製スーパーマシン」! 600馬力超えエンジン×「後輪駆動」採用! 迫力ボディも超カッコイイ「LF-LC GT VGT」に反響集まる
くるまのニュース
これが「名鉄バス」なのか!? “黒すぎる”高速バス特別仕様車できた! 3列&4列どっちも新車投入
これが「名鉄バス」なのか!? “黒すぎる”高速バス特別仕様車できた! 3列&4列どっちも新車投入
乗りものニュース
自動車業界初!アルファロメオ、NFT技術活用のデジタル認証機能を「トナーレ」に導入!オーナーの新たな信頼源に
自動車業界初!アルファロメオ、NFT技術活用のデジタル認証機能を「トナーレ」に導入!オーナーの新たな信頼源に
LE VOLANT CARSMEET WEB
水不要・無臭・衛生的なトイレ『clesana(クレサナ)』を家庭用コンセントで簡単に使用できるポータブルキットが登場
水不要・無臭・衛生的なトイレ『clesana(クレサナ)』を家庭用コンセントで簡単に使用できるポータブルキットが登場
月刊自家用車WEB
車に貼る「謎の“クローバー”マーク」 意味はナニ? 「車いすマーク」とはどう違う? 見かけたら配慮が必要な理由とは
車に貼る「謎の“クローバー”マーク」 意味はナニ? 「車いすマーク」とはどう違う? 見かけたら配慮が必要な理由とは
くるまのニュース
エムケーカシヤマ、大型商業車用ブレーキパッド新発売
エムケーカシヤマ、大型商業車用ブレーキパッド新発売
レスポンス
クラス超えの質感!! 燃費もリッター30km超え! 欠点が見当たらない[ヴェゼル]は納得のヒット作だった
クラス超えの質感!! 燃費もリッター30km超え! 欠点が見当たらない[ヴェゼル]は納得のヒット作だった
ベストカーWeb
自分の部屋より快適ってどういうこっちゃ!? 知らぬ間にクルマのエアコンが衝撃的な進化を遂げていた
自分の部屋より快適ってどういうこっちゃ!? 知らぬ間にクルマのエアコンが衝撃的な進化を遂げていた
WEB CARTOP
いよいよ「ETCつけろ」包囲網? 全車対象の“激安高速料金”一部廃止の沖縄 やはりETCは割引無しじゃ広がらない?
いよいよ「ETCつけろ」包囲網? 全車対象の“激安高速料金”一部廃止の沖縄 やはりETCは割引無しじゃ広がらない?
乗りものニュース
クルマの「ドアバイザー」は必要?不必要? 装着率わずか「48%」の現実、メリット・デメリットを再考する
クルマの「ドアバイザー」は必要?不必要? 装着率わずか「48%」の現実、メリット・デメリットを再考する
Merkmal
【スズキ】カタナ好き集まれ!「KATANA Meeting 2024」が はままつフルーツパーク時之栖で9/8に開催
【スズキ】カタナ好き集まれ!「KATANA Meeting 2024」が はままつフルーツパーク時之栖で9/8に開催
バイクブロス
ベントレー史上最強の782馬力、新型『コンチネンタルGTスピード』は6月25日発表へ
ベントレー史上最強の782馬力、新型『コンチネンタルGTスピード』は6月25日発表へ
レスポンス
6MT搭載! トヨタ「ハチロク」超弩級の“戦艦”仕様が発売! カッコ良すぎる「和風デザイン」採用した“特別モデル”に予約殺到!
6MT搭載! トヨタ「ハチロク」超弩級の“戦艦”仕様が発売! カッコ良すぎる「和風デザイン」採用した“特別モデル”に予約殺到!
くるまのニュース
やっぱりアクシデント無しでは終わらない!? 最後尾からの追い上げで成長を感じられたスパ8時間 レーシングライダー石塚健のレースレポート後編
やっぱりアクシデント無しでは終わらない!? 最後尾からの追い上げで成長を感じられたスパ8時間 レーシングライダー石塚健のレースレポート後編
バイクのニュース
[新型クラウン]に衝撃ニュース!! [クーペ&オープンモデル]の計画アリ!? 日本で不人気の2ドアモデルを作るワケ
[新型クラウン]に衝撃ニュース!! [クーペ&オープンモデル]の計画アリ!? 日本で不人気の2ドアモデルを作るワケ
ベストカーWeb

みんなのコメント

49件
  • kmq********
    寸法はライッキーより大きいのね
  • sbl********
    高級感を維持しつつ、しぼりにしぼって、サイドブレーキにして価格を抑えた。
    実車を見ても高級感はかなりある。
    実は街中にも映えるアーバンSUVと言っても過言ではない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

264.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

70.0390.0万円

中古車を検索
ヴェゼルの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

264.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

70.0390.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村