この記事をまとめると
■BMWの専門店「アルツモトーレンバウ」が大阪オートメッセに出展
1千万円超えの超高級SUV「レクサスLX」のラリー仕様ってギャップが凄い! ライトな見た目と裏腹に中身は魔改造されていた!!
■こだわりのパーツで武装したE30、E36、E46のM3とZ3を展示していた
■4台はすべて社長/工場長/メカニックが所有する個人車両となっている
M3を知り尽くした匠による完璧なモディファイが光る
去年2022年はMテクの50周年だった。再び新たな節目となる50年が始まった2023年、大阪オートメッセで、初心に帰るべく、社長/工場長/メカニックが個人車両を惜しみなく展示したのが、アルツモトーレンバウ。大阪は池田市でBMW専門店として30数年以上の歴史を誇り、今やディーゼルのMスポーツやBMWミニのチューンも手がけているが、元々はM3のスペシャリストなのだ。それにしても初期の歴代M3が兄弟車たるMロードスターと並んでいると、歴代ともいかにレベルの高いメーカー謹製チューンドだったかがわかる。
まずは本国では2000年と21世紀の最後にデビューしたE46のM3クーペで、年式は2005年式。フロントのストラットタワーバーは純正のまま。
伝統の3.2リッター・ストレート6に施されたメニューは、ステージ1のECUリプログラミングとエヴォスポーツのパワープーリー、aFeのエアクリーナー装着に、エキゾーストシステムはサクラムのクロスパイプとスぺック3のリヤサイレンサーという、今日にも通じる手法だ。
ホイールはBBSのRS-GTでフロント8.5J、リヤ9.5Jの18インチ履きで、足まわりはスプリット・パフォーマンス製のN+スペックと、ローダウン幅もわずか。
一方でインテリアには、BMWパフォーマンスのショートシフターとE85のZ4から移植したステアリングという、純正チューン。カリカリのスポーツ性に加え、GTライクなキャラも獲得した世代のM3だけに、控えめなチューニングが光る。
続いてはE36/7こと前期型のMロードスターで、これはアルツモトーレンバウのメカニックのクルマ。ボディはハマンのフルエアロキットで武装し、ブラックメタリックのボディにシルバーというテールランプユニットとリヤスポイラーというツートン具合が、当時を感じさせる。17インチのホイールも純正風に見えるがニーズのユーロクロスを特注し、フロント8Jにリヤ9.5Jとノーマルより0.5Jずつワイド化されている。
シートは定番のレカロのフルバケで、ドライバー側が競技用のSP-A、助手席側はシェルタイプとしては後傾しているTS-Gと、あえて違うところもニクい。ステアリングはアティベのインディアナポリスを赤いバックスキンに張替え、グリーンのコンソールや懐かしのタカタ6点式ハーネスと好ましいコントラストを効かせている。シフトノブとロールバーはACシュニッツァーだ。
326Sユニットは、グルッペMのエアクリーナーボックスに、オカダプロジェクツ・プロズマダイレクトのパワーイグニッションコイル、イルミナのチタンマフラーを奢ることで、吸排気に点火、さらにはクラッチをツインプレート化している。全体的にスキなくバランスよく、戦闘力を高めた仕様なのだ。
細かいパーツまで徹底的にこだわる
3台目はエストリルブルーのボディにゴールドのBBS RI-Aホイールが眩しい1995年式M3クーペ3.0こと、工場長のE36だ。DTMなどツーリングカーレースの全盛期を彷彿させるゴツめのフロントスポイラーに、ぐっと高さを抑えたBMWモータースポ―ツのクラスIリヤウイングが渋い。
S50パワーユニットは、先のMロードスターと同じくオカダプロジェクツのプラズマダイレクトで点火系を強化し、駆動系はアルゴスのツインプレートクラッチで駆動レスポンスを高めているぐらいだが、排気系はエキゾーストマニホールドからクロスパイプ、リヤサイレンサーまですべてサクラム製で、当時流行った二重のテールパイプといい、官能性を高める方向性が窺える。
シャシー関連では、ビルシュタイン・エナペタルの車高調キットにOS技研のストラットタワーバーという、懐かしくも効果的なメニューが奢られている。
さらに内装に目を移すと、モモの握りの太いステアリングに、リンケージごとショートストローク化されたシフトレバー、さらにレカロのRS-Gがストイック。助手席はあえてノーマルシートのままで、この頃のM3のシートのヘッドレストは肩口まで覆いつつ上下に動くという、凝ったタイプだった。
そして大トリはアルツモトーレンバウの社長が長年大事にしてきたという、1987年式のE30のM3だ。外からパッと見した限りでは、フロントスポイラーとリヤの可変式スポイラー、そしてシートベルトが当時505台のみ生産されたというM3スポーツエボリューション(?)、でもバンパーのアクセントラインが赤ではなく黒なので、あえて控えめなエレガント・スポーツ仕様という、ひとクセある仕上がりなのだ。
直4の2.3リッターユニットは195馬力仕様で、前ヒンジのエンジンルーム内にはこれまた懐かしや、スパルコのアルミ製ストラットタワーバーが! また2本出しツインが軽く上向いたテールパイプが特徴的なDTM風のマフラーは、当時大ヒットしたスーパースプリントだ。
鈍く光る鍛造アルミホイールは、その筋の名門だったTAN-EI-SYA製、ニーズのユーロクロスで、8J×17インチにヨコハマのS.ドライブ40扁平を履き、サスペンションには車高調キット、A.M.S.社のラリーターマック用を装着。
ラグジュアリーでありながらスポーティなコクピットで、クラシックなバケットシートはレカロLX。ステアリングはアティベのインディアナポリスで、千鳥格子柄をあしらったオリジナルの内装の雰囲気を崩さず、スパルタンだがハイクラス感漂う仕上がりだ。
純正チューンのハシリといえるM3クーペだからこそ、オリジナルとのマッチングを意識しすつ、しかし飽くことなくさらなるパフォーマンスの高みを追求している4台。そんな珠玉のヒストリック・チューンドMに同時に会えたのは、眼福そのものだった!
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