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威厳が漂う──ベントレーベンテイガS試乗記

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威厳が漂う──ベントレーベンテイガS試乗記

ベントレーの「ベンテイガS」に小川フミオが試乗した。個性際立つ、超高級SUVの世界を綴る。

オーナーのプライドをくすぐる

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数あるSUVのなかでも、個性の際立つ1台を探しているなら、ベントレーのベンテイガSが良いかもしれない。今や希少なV8エンジン搭載で、かつ堂々とした存在感。操縦には多少の慣れが必要かもしれないが、そこがまたオーナーのプライドをくすぐるクルマだ。

ベンテイガがユニークなのは、モデルの変遷史がエンジンと強く結びついているように感じられるところであると私は思っている。12気筒搭載のベンテイガスピードがあった時代はパワーがなによりのセリングポイント。環境問題がことさら取り沙汰されると、すぐに対応して、V6のハイブリッドを設定した。

そこにあって、2024年8月に、久しぶりという感じで、4.0リッターV型8気筒搭載のベンテイガSに乗ったところ「これしかない!」、という気になってしまった。

3996ccのエンジンはターボチャージャーを装着。2000rpmと低いエンジン回転域から4500rpmと比較的広い範囲で、770Nmもの大トルクを発生する。つまり、発進から高めの速度域まで、かなりの力強さでもって加速が続く。

特に良いのは、V8エンジンの特徴がしっかり感じられるところ。アクセルペダルのオン/オフにやたら過敏でなく、ペダルに右足を軽く載せているだけで、クルマは加速を続けていく。そして、ちょっとでも足に力を込めると、“ドンっ”と、前に飛び出す感じだ。

ベンテイガSの個性が際立つのは、乗り味。サスペンションシステムには「電子制御アンチロールシステム」が、備わっている。走行モードによっては、車体の過度なロールを抑えるための装備だ。

ところが、というのか、私はこのクルマ独特の、コーナーで車体が緩やかにロールしていく味つけが、とても好きだ。全⻑5150mmで全高1755mmもあるうえに、車重が2470kgだから、慣性重量の大きさもなかなかのものだろう。

ドライブモードで「スポーツ」を選べば、それでもハンドリングを重視した操縦性を体験できるが、ベンテイガでは「コンフォート」モード、またはスポーツとコンフォートをバランスさせたという「ベントレー」モードとの相性が抜群に良い。

目を三角にしてスポーツドライビングを追求するクルマでない以上、余裕あるサイズの車体と、たっぷりしたトルク感を、しっかり味わってドライブするのが、オーナーに許された楽しみだ、と、私は思うのだ。

それなりに重量級のクルマで、かつ先述したとおり大トルクがすぐに出るので、ちょっときついカーブでは、外にふくらまないよう走らせるのは、最初はやや慣れが必要かもしれない。ブレーキのフィールも、ペダルに足を載せてすぐの“立ち上がり”が早めなので、スムーズな減速には、やはり慣れなくてはならない。

世の中には、“良い道具”といわれていても、使いこなすにはある程度の慣れが必要なものがいくつもある。一部のスポーツカーにも、そんなモデルが残っている。

で、見返りも大きい。ひとつは、そのクルマが本来持っている特徴が堪能できる点。もうひとつは、オーナーだからこそスムーズに操れるというプライドのようなものを感じられる点だ。これは私の推測であり、ベントレーモーターズの開発者に意図を確かめたわけではないが、ベンテイガSにもそのふたつのよさがある。

ベンテイガSを自分の手足のごとく“振り回せる”ようになれば、離れがたい思いが募るだろう。大きいけれど、小さく感じられるだろう。なにより大きく感じるものがあるとしたら、自分のなかでの存在感だ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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