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なぜN-BOXは売れるのか? 最強の理由と、王者を脅かす新ジャンル軽の登場を解説

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なぜN-BOXは売れるのか? 最強の理由と、王者を脅かす新ジャンル軽の登場を解説

<N-BOXは2位スペーシアの倍近く売れている>
最近は「軽自動車が高価になっている!」と言われますが、実は相変わらず、ベーシックな軽自動車は登録車に比べると十分に手ごろです。高く感じるのは、その主流となっているのがスライドドアのスーパーハイトワゴンだからでしょう。

登録車も同様ですが、普通のヒンジドアのモデルに比べると、スライドドア車はどうしても高価になってしまいます。スライドドアモデルに絞って登録車と軽自動車を見ると、軽自動車は相変わらずリーズナブルな価格帯のモデルが揃っているのです。

ホンダ「N-BOX」 2021年12月の一部改良で運転支援システムがさらに進化。ライバルにどう差をつけた?

そんな軽スーパーハイトワゴンの主役が「ホンダN-BOX」です。2022年度上半期の軽自動車の販売ランキングは次のようになっていますが、N-BOXはダブルスコアとなるほどの圧倒的な支持を集めています。

1位・・・ホンダN-BOX   8万6876台
2位・・・スズキ スペーシア 4万8905台
3位・・・ダイハツ ムーヴ   4万3926台
4位・・・ダイハツ タント   3万8735台
5位・・・スズキ ワゴンR   3万8140台

これらより少し背の低い軽ハイトワゴンに分類される「ムーヴ」や「ワゴンR」のカテゴリーでも、スライドドア車が人気を高めていることは知られています。売れる軽自動車の条件として、スライドドアはマストなのです。

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<いちばんコスパがいいのはN-BOXカスタム!>
では、スーパーハイトワゴンの3強といえる「N-BOX」「スペーシア」「タント」の3モデルを比べると、どれがもっともお買い得なのでしょうか。

クルマというのは購入してしまうと何年も付き合うことになりますから、基本的には好みのスタイリングや使い勝手、どうしても外せない機能などを重視してほしいのですが、損得だけでいえば「N-BOX カスタム」を選ぶのが、もっともお得と言えるでしょう。その理由はリセールバリューが良いことです。

N-BOXには丸目風の標準車と、つり目のカスタムがあり、後者のほうが価格は高めなのですが、実際にはカスタムのほう売れています。比率は1:2くらいのイメージで、僅差ではなく圧倒的にカスタムが人気なのです。

中古車のリセールバリューというのは引きが強いクルマのほうが高くなりがちです。未来の予測をするのは難しいのですが、コアな人気が再燃しているレア車を除けば、基本的に売れているクルマはリセールバリューが高めになります。

つまり、これまでの流れを踏まえてリセールバリューを重視するとN-BOXカスタムを選んでおくのが手堅い選択といえるわけです。リセールバリューを期待してN-BOXカスタムを選ぶユーザーが多いから販売台数も増え、それが価値を上げるという好循環がN-BOXの人気を支えているといえるでしょう。

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<軽スーパーハイトにクロスオーバーモデルという新ジャンル誕生>
とはいえ、そうした流れが変わりそうな予感もあります。

スペーシアには、「スペーシアギア」というSUVテイストのバリエーションが含まれていますが、いまやスペーシア全体の販売状況を見ると半分程度がスペーシアギアになっています。

その人気ぶりをキャッチアップすべく、ダイハツは「タント ファンクロス」というガチンコのライバルモデルを登場させました。タント ファンクロスの販売実績が出てくるのはこれからですが、スーパーハイトワゴンに加えてSUVのクロスオーバーが人気を集める可能性はけっして低くありません。

現在N-BOXにはないクロスオーバースタイルが支持を集めるようなことになれば、軽自動車界の覇権争いに大きな動きが見られるかもしれません。

>>スズキ スペーシアギアのユーザーと専門家のレビューをチェックする
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<N-BOXの強みは登録車品質の先進運転支援システム>
それでも、現時点における各モデルの仕様を見るとN-BOXの優勢ぶりは変わらないようにも思えます。そのファクターとなるのは高速道路での追従クルーズコントロール機能をメインとした先進運転支援システムです。

ホンダセンシングと呼ばれる同社独自の先進運転支援システムは登録車でも実績があるもので、軽自動車としては非常に出来がよく、さらにN-BOXでは基本的に全グレードにホンダセンシングが備わっています。

このあたりの機能性と搭載グレードのわかりやすさというのはN-BOXのリセールバリューを高めている要因のひとつであり、スペーシアとタントはクロスオーバースタイルで差別化するだけでなく、この点をキャッチアップすることが期待されます。

どのモデルを選んでも同等の先進運転支援システムが備わり、環境性能も大差ないとなればユーザーは機能面で迷ったり吟味したりすることなく、純粋に好みのスタイルで愛車を選べるようになるでしょう。

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文:山本 晋也
写真:
1枚目:ホンダ N-BOXカスタム
2枚目:ホンダ N-BOX
3枚目:スズキ スペーシアカスタム
4枚目:ダイハツ タントカスタム
5枚目:スズキ スペーシアギア
6枚目:ダイハツ タントファンクロス

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