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街中で「レクサス版ハイエース」発見!? 異様な存在に驚愕もただの「エンブレム」交換? なぜあえて「別ブランド化」するのか

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街中で「レクサス版ハイエース」発見!? 異様な存在に驚愕もただの「エンブレム」交換? なぜあえて「別ブランド化」するのか

■トヨタ「ハイエース」にレクサスエンブレム?

 本来のものとは異なるエンブレムを装着することで、上級ブランドや上級グレードのモデルに見せる「エンブレムチューン」。
 
 単なる「シャレ」や「見栄」のようにも思われがちですが、実はそこには深い背景があるようです。

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 ブランド名やモデル名、グレード名を表すエンブレムは、クルマと切っても切れない関係にあるとても重要なものです。

 エンブレムがあるからこそ、それほどクルマに詳しくない人であっても、そのクルマがどのブランドのどのようなモデルであるのかを容易に判断することが可能です。

 このように、そのクルマが何者であるかを決定づけるエンブレムですが、世の中には、もともと装着されていたエンブレムを変更し、あえて異なるエンブレムを装着するユーザーもわずかながら存在します。

 例えば、トヨタ「ハイエース」にレクサスのエンブレムを装着してみたり、軽自動車にメルセデス・ベンツのエンブレムを装着してみたりといった例が、しばしばSNSなどで話題となります。

 こうした例のほとんどは、あくまで「シャレ」でおこなわれているものであり、レクサスやメルセデス・ベンツのモデルだと周囲に誤認させることが狙いではありません。

 一方で、なかには明らかに誤認させることを意図してエンブレムを変更するユーザーもいるようです。

 これは、いわゆる「エンブレムチューン」と呼ばれるもので、日産「スカイライン」に「GT-R」のエンブレムを装着したり、メルセデス・ベンツ「Sクラス」などに「AMG」のエンブレムを装着したりというような例が見られます。

 この場合、かなりクルマに詳しい人でなければ、一見しただけでは「見破る」ことはできないかもしれません。

 そういった意味では、ハイエースにレクサスのエンブレムを装着した例と比べて、周囲を誤認させようという意識が強いといえそうです。

 もちろん、上級ブランドのモデルと偽って販売するようなことがない限り、エンブレムを変更すること自体が法に触れることはありません。

 また、エンブレムを変更した程度で下取りや買取り時の査定が上がるということはなく、むしろ下がるケースが多いようです。

 このように考えると、こうしたエンブレムチューンの多くは「見栄」などの自己満足によっておこなわれるものであり、金銭的なメリットやパフォーマンスの向上を目的としたものではありません。

 個人の趣味嗜好は人それぞれであるため、エンブレムチューンもクルマの楽しみ方のひとつといえますが、そもそもなぜエンブレムを変えるという発想が生まれるのでしょうか。

 そこを深堀りすると、クルマの歴史やトレンドが垣間見えてきます。

■エンブレムチューンが生まれたのは「同じクルマ」が増えたから?

 エンブレムの基本的な機能は、クルマがほかのクルマを区別することにあります。

 一方、エンブレムが異なっていても、クルマそのものは同じものであるというケースも存在します。

 例えば、かつて販売されていたトヨタ「セルシオ」は、北米で販売されていたレクサス「LS400」と機構上はほぼ同じです。

 また、いわゆるOEM車も機構上はほぼ同じでありながらエンブレムが異なるという例のひとつです。

 これらのケースでは、細かな仕様の違いに注目すれば見分けることも可能ですが、街で見かけた程度では、一見して両者を区別することは容易ではありません。

 つまり、エンブレムがなければ、それらのクルマを区別することが非常に困難であることがわかります。

 より大きな視点で見れば、ほとんどのクルマでこうした傾向が見られます。

 現在の自動車産業では、メーカー内、あるいはメーカーを超えてプラットフォームの共有化が進められており、それにともなってパワートレインをはじめとするあらゆる部品の共通化が図られています。

 また、各種法規制や技術の成熟化影響もあり、個性あるクルマづくりが難しくなっているのが実情です。

 それはつまり、ユーザーがそれぞれのモデルの違いを実感しにくくなっているということでもあります。

 少なくとも、「走る」「曲がる」「止まる」といったクルマの基本的機能については、新車で販売されているどのモデルを選んでも一定以上のクオリティにあり、一般的なユーザーがその違いを判断し、購入の決め手とするのは容易ではありません。

 そのなかで、そのモデルとほかのモデルを区別するのに、エンブレムは非常に重要な役割を果たします。

 エンブレムが重要になればなるほど、そこにエンブレムチューンのニーズも生まれてくるといえます。

 もし、スカイラインとスカイラインGT-Rが、誰がどう見ても同じモデルに見えないほど姿かたちが異なっていれば、そもそもそこにエンブレムチューンをおこなう余地が生まれることはないでしょう。

 もちろん、愛好家的な視点でいえば、スカイラインとスカイラインGT-Rは天と地ほど異なります。セルシオとLS400、SクラスとSクラスのAMGモデルも同様です。

 しかし、それぞれの違いがわかることこそ、愛好家が愛好家たるゆえんであり、多くの人には「同じクルマ」に見えてしまうものです。

 そして、昨今の自動車業界を見ると、広い意味での「同じクルマ」が増えています。

 そうした背景から考えると、エンブレムチューンは、今後のカスタムにおいてひとつのトレンドになるかもしれません。

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