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メルセデス車のタイヤにある「MO」のマーク これって何? 市販用タイヤとどう違う?

掲載 更新 25
メルセデス車のタイヤにある「MO」のマーク これって何? 市販用タイヤとどう違う?

■新車の開発と並行して開発されるメーカー承認タイヤ

 2021年1月に日本上陸を果たしたメルセデス・ベンツ新型「Sクラス」。メルセデスのフラッグシップサルーンとして、動力性能も静粛性もこれまで以上に進化したラグジュアリーモデルだが、足元を見ると、装着されるタイヤはひとつのメーカーだけではないことに気がつく。

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 あるSクラスの試乗車にはピレリ「Pゼロ」、そしてもう1台のSクラスにはブリヂストン「T005」というタイヤが装着されていた。ただしこれは決して珍しいことではなく、輸入車だけでなく多くの国産車も、複数のタイヤメーカーのものが新車装着用タイヤとして採用されている。

 新型Sクラスの場合には、どのタイヤにもサイドウオールをよく見ると「MO-S」という記号が入っている。これが自動車メーカー承認タイヤ(純正タイヤ)の証で、MOは「メルセデス・オリジナル」、最後のSは「サイレントタイヤ(=スポンジ入りタイヤ)」という意味になる。

 タイヤは動力を路面に伝えるだけではなく、旋回する時はクルマの車重を支えて、そしてクルマがキチンと止まれるように制動力まで受け持つという大事な役割を持つ。乗り心地といった要素にも大きく関わってくる大切なパーツだ。
 
 だからこそ自動車メーカーはタイヤメーカーと共同で新車開発をおこなっている。そして販売される新車には、自動車メーカーの承認マークが付いた純正タイヤが装着されている。

 新型Sクラスのように、自動車メーカー承認タイヤには、サイドウオールに独自のマークが付いていることがある。とくに輸入車の場合、そうした承認マークが付いていることが多い。

 たとえば、BMWやMINIの新車装着タイヤには「★(スターマーク)」、ポルシェは「N0」「N1」「N2」「N3」などの「Nマーク」、アウディは「AO」「RO」、ボルボは「VOL」、フェラーリは「F」などのマークが刻まれている。

 ただし、国産車のタイヤにはなくて輸入車の新車装着タイヤに必ず入っているというわけではない。たとえばフォルクスワーゲンの新車装着タイヤには、この承認マークが入っていない。

 タイヤは走行距離に応じて摩耗していくもの。それではタイヤを交換する際、新車で装着されていたのと同じタイヤを選んだほうが良いのか、それとも市販のタイヤのほうが良いのか。両者ではどのような違いがあるのだろうか? ブリヂストン担当者に話を聞いた。

「新車に純正装着されているタイヤは、『そのクルマの特性にあったタイヤ』になっています。自動車メーカーが新型車を開発するにあたり、その車両の特性、キャラクターに合わせたタイヤをメーカーからの要請を受けて開発・提供しているのです。

 多くの場合、車種ごとに少しずつ違った仕様のタイヤになっています。たとえば同じサイズで同じブランドのタイヤでも、他の車種に装着するとフィーリングが変わってしまうこともあります」とのことだ。

 ブリヂストンの広報担当は続ける。「市販タイヤの特性は、さまざまな車種に装着されることが前提ですので、どのクルマに装着してもマッチングが取れるような仕様にしています。そのなかでお客さまのカーライフに合わせたタイヤを選んでいただきたいと考え、さまざまなタイヤをラインナップしているのです。

 たとえばスポーティなドライビングを楽しみたいお客さまには、グリップ性能やハンドル操作のレスポンスに長けたPOTENZA(ポテンザ)を、また快適な車内空間を求められるお客さまにはREGNO(レグノ)を用意し、走行時の静かさや乗り心地を提供しています」とコメントした。

■タイヤ交換では純正を選ぶ?それとも市販タイヤ?

 他のタイヤメーカーにも同じ質問を聞いた。
 
「基本的には、市販タイヤというのは純正タイヤが摩耗し、交換用タイヤとしてご使用いただくタイヤです。愛車の性能や乗り味、そして使用用途に応じて、お客さまの好みやサイズを含め、幅広く選んでいただけるラインナップが特徴です。

 一方、純正タイヤは新車購入時に自動車メーカーが標準装備しているタイヤで、1車種あたり複数のタイヤメーカーが採用されていたりします」(日本ミシュランタイヤ 広報担当)

「純正タイヤは、自動車メーカーの要求性能に応え、そのクルマとベストマッチするように専用設計されたタイヤです。多くの純正タイヤはクルマ開発の一環として(新車開発と同時に)テストされており、その目標性能は自動車メーカーが設定しています。

 そして市販タイヤは、商品ブランドごとに静粛性重視やスポーツ走行重視など、それぞれ特徴を持っています。横浜ゴムが設定する性能目標にのっとり、幅広いカテゴリーの車両に装着できるように設計されています」(横浜ゴム 広報担当)

 純正タイヤはその車両の性能を発揮できるようにつくられていて、市販タイヤでは幅広い車種に合うように設計・開発。ブランドによっては特徴を持たせたつくりになっているようだ。

※ ※ ※

 では、愛車のタイヤを交換したい場合、純正装着のタイヤが良いのか、あるいは市販されているタイヤのほうが良いのだろうか。
 
 ブリヂストンの広報担当は「2015年から『ちゃんと買い』というプロモーションをおこなっています。自分の愛車に装着していたタイヤよりも性能の低いタイヤを選ぶとクルマ本来の性能が発揮できなくなるので、純正装着タイヤを基準にタイヤを選んでいただきたいというものです。

 具体的には、今よりも乗り心地をもっと良くしたい、雨の日でも安心して走りたい、そして燃費を良くしたいなどに合わせ、商品を選択していただけるものです。交換時にしっかりと自分の目的に合ったタイヤを選んでもらえることが重要です。もし、今お使いのタイヤに少しでもご不満があるようでしたら、販売店でご相談いただけたらと思います」とコメントした。

 もちろん、これまで装着していた純正タイヤが良ければ、愛車を買ったカーディーラーで純正装着タイヤに交換することも可能だ。「いままで履いていた純正タイヤに満足されているようでしたら純正装着タイヤを、お客さまの重視する性能やお好みがある場合は、その特徴をもった市販用タイヤをお勧めします」(横浜ゴム 広報担当)

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みんなのコメント

25件
  • まぁ、単純に、デカイ車にのってブイブイ言わせてる黒塗りエアロは、アジアの安物タイヤだと恥ずかしいよって事だね。
  • 「いままで履いていた純正タイヤに満足されているようでしたら純正装着タイヤを、お客さまの重視する性能やお好みがある場合は、その特徴をもった市販用タイヤをお勧めします」

    これが全てだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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