2024年6月に登場した新型ホンダ フリード。待望のフルモデルチェンジでは、先発のステップワゴン同様、AIRとクロスターの2本立てとなった。その走りや乗り心地はどのように進化しているのか? 実際に試乗してきた!!
※本稿は2024年6月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:小林岳夫、ホンダ
初出:『ベストカー』2024年7月26日号
新型[フリード]ガソリンがかなり良いゾ!! 3列目の[居住性アップ]でシエンタとの差が広がる!
■新型フリードは走りもよくなった!
2024年6月に登場した新型ホンダ フリード。写真の標準タイプ「AIR」と、SUVテイストを取り入れたクロスターの二枚看板となる
最近はクルマの値上げが激しい。2009年の時点で4代目ステップワゴンG・Lパッケージは225万7000円だったが現行型は最も安価なAIRでも305万3600円だ。15年前の1.4倍!
そこで注目されるのがコンパクトミニバンのフリードだ。先代は2016年の発売だが2023年には1カ月平均6464台を販売し、ホンダ車ではN-BOXに次ぐ2番目の売れゆきだった。
その新型フリードのプロトタイプをテストコースで試乗する機会を得た。
新型の全長は、先代に比べて45mm長い4310mmだ。グレードは標準タイプのAIRとSUV風のクロスターに分けられ、後者は全幅が1720mmの3ナンバー車になる。シート配列は、AIRは3列で、2列目がセパレートタイプの6人乗りとベンチの7人乗りがある。
クロスターは3列6人乗りと2列シートの5人乗りだ。パワーユニットは、直列4気筒1.5LのNAガソリンと、ハイブリッドのe:HEVを用意した。
NAのガソリンエンジンの動力性能はコンパクトミニバンの平均水準だ。実用回転域の駆動力に余裕があって運転しやすい。上り坂ではエンジンノイズが高まるが、4気筒だから3気筒のような粗さはない。
ただし先代は直噴式だったが、新型はポート噴射に変わり、最大トルクも先代は15.6kgmだが新型は14.5kgmにとどまる。フル加速時の動力性能も少し下がった。
開発者はポート噴射に変更した理由として、ノイズの低減と扱いやすさの向上を挙げたが、燃料噴射装置のコストダウンも大きい。ハイブリッドは、先代は7速の有段DCTを備えた1モーターのi-DCDだったが、新型は2モーターのe:HEVだ。エンジンは主に発電機を作動させ、駆動はモーターが受け持つ。
新型ホンダ フリード「クロスター」1.5Lガソリン車。さすがにフル加速時は2モーターのe:HEVに比べると遅いが、普段街なかを走るぶんは問題ない
高速巡航時には、エンジンが直接駆動して効率を向上させる制御も行う。モーター駆動が基本だから、運転感覚は電気自動車に近い。アクセル操作に対して機敏に反応して、速度を直線的に高める。動力性能をNAガソリンエンジンに当てはめると2L以上に相当する。
新型フリードのプラットフォームは、ホイールベースの数値を含めて先代と同じだが、走りの質は高まった。ステアリング操作に応じて進行方向が正確に変わる。
下りのカーブでアクセルペダルを戻したり、ブレーキペダルを踏む操作を強いられた時は、後輪の接地性が高く挙動を乱しにくい。ステップワゴンに似た自然な操舵感と優れた安定性を両立させた。
乗り心地は少し硬く、NAエンジンでは粗さも感じるが、コンパクトミニバンとしては重厚感も伴う。先代に比べると、3列目を中心に乗り心地も快適だ。座面の柔軟性も増しており、路面からの突き上げを吸収しやすい。
外観が先代に比べて水平基調を強め、3列目に座った時の風景の見え方もスッキリしたからクルマ酔いも生じにくい。ドライバーにとっては斜め後方の視界も向上して縦列駐車もしやすいはずだ。
渡辺陽一郎氏による新型ホンダ フリードの採点表。平均点は先代フリードHVが62点、新型フリードe:HEVが73点、新型フリードガソリン車が69点
●新型ホンダ フリードの重要ポイント
・2モーターのe:HEVの走りのよさ
・ガソリン車の心地よいエンジン音とレスポンスのよい加速、スムーズな減速
・水平基調のインパネの視界のよさ
・3列目シートの大幅な居住性アップ
・余裕のラゲッジスペース
【画像ギャラリー】待望のフルモデルチェンジを果たしAIRとクロスターの二枚看板となった新型ホンダ フリード(32枚)
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みんなのコメント
国語勉強しなおせ。ってオイラには言われたくないかw
もしかの時に使用するだけならいいが!
シエンタもフリードも三列目は荷物置き場にしかならない。移住性だけの問題ではない。