現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 登場から15年たっても日産「GT-R」はなぜ人を惹きつける? 日本が誇るスーパーカーの魅力とは

ここから本文です

登場から15年たっても日産「GT-R」はなぜ人を惹きつける? 日本が誇るスーパーカーの魅力とは

掲載 更新 23
登場から15年たっても日産「GT-R」はなぜ人を惹きつける? 日本が誇るスーパーカーの魅力とは

■速さとパワーを純粋に求め続ける日産「GT-R」

 日本が世界に誇るスーパースポーツである日産「GT-R」。その名前を聞いてピンと来ないクルマ好きはいないはずです。

「速いのは俺だ!」 最速は時速325キロ!? 速すぎる国産車3選

 2007年に「スカイライン」から独立し、2022年で誕生から15年が経過しようとしているGT-Rですが、特別仕様や限定モデルが登場すると購入希望者が殺到するほど人気のモデルです。

 そんな多くの人を惹きつけるGT-Rの魅力はどこにあるのでしょうか。

 GT-Rの「R」はレーシングを意味していますが、もともとはツーリングカーレースに出場するマシンのベース車として開発された高性能モデル「スカイラインGT-R」として、1969年に誕生しました。

 スカイラインGT-Rおよび現行モデルのGT-Rの系譜は、3世代に分類できます。

「第1世代」といわれる初代(ハコスカ)、2代目(ケンメリ)、「第2世代」の3代目(BNR32型)、4代目(BCNR33型)、5代目(BNR34型)、そして「第3世代」と呼ばれる現在のGT-R(R35型)です。

 日産が経営危機に陥るなか、新たなフラッグシップとして蘇ったのが2007年。当時社長だったカルロス・ゴーン直轄のプロジェクトとして、単独車種として復活しました。

 V型6気筒ツインターボエンジンや「アテーサE-TS」4WD、丸型テールランプといった伝統的なレイアウトなどを継承しつつ、3.8リッターへと大排気量化。最初期(2007年)のモデルでも最高出力は480馬力を発揮していました。

 それでいて乗り心地や操縦安定性、静粛性やトランクの積載性、さらには燃費やCO2排出量などの環境性能も考慮した作りになっており、運転スキルや路面状況などに関係なく、ハイパフォーマンスを味わえる新時代のスーパーカーでした。

 そんなGT-Rは、毎年進化を続けるイヤーモデル制を導入。日産のレース部門である「NISMO」の名を冠したモデルの最高出力は600馬力にまで到達するなど、現在まで進化と熟成を続けています。

■「匠」が手組みするこだわりのエンジンを搭載

 GT-Rの魅力のひとついえるのが、日産がこれまで築き上げてきた技術と英知を結集させていることです。

 デビューから15年が経とうとしていても毎年のように改良が加えられ、世界の高級スーパーカーに負けないパフォーマンスを発揮。その事実だけでも、クルマとしての完成度がいかに優れているかがわかるというものです。

 また海外のスーパーカーと比較して、圧倒的な信頼性と実用性の高さを併せ持っていることも魅力です。

 走行性能を引き上げるために軽量化・小型化させるのもひとつの方法ですが、GT-Rは大人がしっかり座れる4シーターを採用。

 また標準仕様でも570馬力ものハイパワーを発揮することや、この類のモデルとしては比較的悪くない7.8km/L(WLTCモード)という燃費性能も持ち、開発コンセプトどおりに「誰でも普段使いできるスーパースポーツ」に仕立てられています。

 また、3.8リッターV型6気筒ツインターボエンジン「VR38DETT」は、「匠」と呼ばれる4人の熟練工がひとつずつ手組みしていく「セル生産方式」を採用。

 製造ラインでの流れ作業ではできない高い精度の組み立てと、厳しいチェックを経て、初めて搭載されるこだわりぶりです。

 そして、エンジンには組み立てた匠の名前が刻まれたプレートが装着されという、特別感を感じられる演出もあります。

 このエンジンのパワーを余すところなく路面に伝えるのが、通常はFRに近い駆動力配分を走行状態に応じて前輪にも分配する4WD機構「アテーサE-TS」です。

 さらに、トランスミッションはMTよりも速いギアチェンジを実現させた6速DCTを搭載し、通常のAT感覚での走行も可能にしました。

 そして、GT-R最大の魅力といえるのが、元NISMOチーム監督の水野和敏氏主導で開発されたヒストリーなど、日産にとどまらず、日本のモータースポーツを凝縮したかのような技術が詰め込まれた「Made in JAPAN」のスーパーカーであることでしょう。

 初期モデルは、徹底したコストダウンにより777万円からというプライスを実現しましたが、現在ではベーシックなモデルでも1000万円を超え、最新型の特別仕様車「GT-R NISMOスペシャルエディション」はとうとう2464万円まで高額化しています。

 しかし、GT-Rのスペックを考慮すれば、それでも良心的とすらいえるもの。日産が本気で作り込んだ1台は、世界的に見ても稀有な存在です。

 確かに誰もが手が届く価格ではありませんが、570馬力のモンスターマシンを購入するということは、それだけの動力性能を扱う責任と経済力を併せ持ってなければいけません。

 そのぶんリセールバリューが高いのも事実。状況が許すなら、買っておいて損はないモデルだといえます。

※ ※ ※

 次期型GT-Rの情報はまだありませんが、おそらく純粋なガソリンエンジンによるハイパワーモデルはこれが最後になるのではないかといわれています。

 レクサス「LFA」ほど未来的でなく、ホンダ「NSX」のような先進感はなくても、ちょっと無骨なスーパーカーは、今後も愛されていくでしょう。

こんな記事も読まれています

ル・マン決勝前日に完成。シャシー交換で蘇ったJOTAポルシェが8位入賞「完走できると思ってなかった」
ル・マン決勝前日に完成。シャシー交換で蘇ったJOTAポルシェが8位入賞「完走できると思ってなかった」
AUTOSPORT web
ちょっと前まで200万円台だったポルシェ964が20倍以上に!? やっぱりポルシェは値下がりしない説は本当か?
ちょっと前まで200万円台だったポルシェ964が20倍以上に!? やっぱりポルシェは値下がりしない説は本当か?
ベストカーWeb
おお、もしや新型パジェロでは!?!? クラウン風ライトで超絶高級になる予感
おお、もしや新型パジェロでは!?!? クラウン風ライトで超絶高級になる予感
ベストカーWeb
なんちゃってセレブが650馬力の新型ヒョンデ「アイオニック5N」を駆る!「とにかく一度乗ってみて。ヒョンデのイメージが変わるわよ~」
なんちゃってセレブが650馬力の新型ヒョンデ「アイオニック5N」を駆る!「とにかく一度乗ってみて。ヒョンデのイメージが変わるわよ~」
Auto Messe Web
【プロvs素人】データを重ねたら一目瞭然! フォーミュラカー走行で実力差の出るポイントは一体どこなのか
【プロvs素人】データを重ねたら一目瞭然! フォーミュラカー走行で実力差の出るポイントは一体どこなのか
motorsport.com 日本版
アルファ・ジュリアやジャガーFタイプも狙い目 今なら半額!な有能「中古」モデル(3) 高速サルーン/クーペ編
アルファ・ジュリアやジャガーFタイプも狙い目 今なら半額!な有能「中古」モデル(3) 高速サルーン/クーペ編
AUTOCAR JAPAN
「ポルシェ」より「フェラーリ」の登場のほうが盛り上がる! ル・マン24時間レース車検2日目の来場者の反応は?【みどり独乙通信】
「ポルシェ」より「フェラーリ」の登場のほうが盛り上がる! ル・マン24時間レース車検2日目の来場者の反応は?【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
夢、潰える 米新興EV「フィスカー」が破産 資金調達に失敗、資産売却へ
夢、潰える 米新興EV「フィスカー」が破産 資金調達に失敗、資産売却へ
AUTOCAR JAPAN
WRCラリー・ポーランドのエントリーリストが公開。7年ぶり開催の高速グラベルで24歳セスクがデビューへ
WRCラリー・ポーランドのエントリーリストが公開。7年ぶり開催の高速グラベルで24歳セスクがデビューへ
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツ、電動コンパクトSUV『EQB』を刷新。バッテリー容量増強で航続557kmに伸長
メルセデス・ベンツ、電動コンパクトSUV『EQB』を刷新。バッテリー容量増強で航続557kmに伸長
AUTOSPORT web
ヤマハ新型「MT-09 SP」が発売! 上級モデルになり足回りも強化 +約18万で手に入れられる新機能とは?
ヤマハ新型「MT-09 SP」が発売! 上級モデルになり足回りも強化 +約18万で手に入れられる新機能とは?
乗りものニュース
女性歌手、大塚愛が運転姿を公開し話題! 「何の車?」「車種気になる」の声集まる 左ハンドル×ベージュ内装…どんなクルマ?
女性歌手、大塚愛が運転姿を公開し話題! 「何の車?」「車種気になる」の声集まる 左ハンドル×ベージュ内装…どんなクルマ?
くるまのニュース
ブラッド・ピットが主演するF1映画、2025年6月25日に全世界で公開へ
ブラッド・ピットが主演するF1映画、2025年6月25日に全世界で公開へ
AUTOSPORT web
ルノーが中国企業と組む理由 次期「トゥインゴ」でVWと決裂、コスト削減を急ぐ
ルノーが中国企業と組む理由 次期「トゥインゴ」でVWと決裂、コスト削減を急ぐ
AUTOCAR JAPAN
【各地の別荘にそれぞれ置きたくなる?】 ベントレー・ベンテイガに世界各地を具現化した限定モデル
【各地の別荘にそれぞれ置きたくなる?】 ベントレー・ベンテイガに世界各地を具現化した限定モデル
AUTOCAR JAPAN
次世代王者候補ブロック・フィーニーが逆襲。僚友ウィル・ブラウンを降し連勝を達成/RSC第5戦
次世代王者候補ブロック・フィーニーが逆襲。僚友ウィル・ブラウンを降し連勝を達成/RSC第5戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第9戦】契約延長はめでたいが、ここからが正念場
【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第9戦】契約延長はめでたいが、ここからが正念場
AUTOSPORT web
BMW、前戦ノーポイントからル・マンで2位表彰台。ペース劣るも「最後は笑顔になれた」とファーフス
BMW、前戦ノーポイントからル・マンで2位表彰台。ペース劣るも「最後は笑顔になれた」とファーフス
AUTOSPORT web

みんなのコメント

23件
  • 私たちの国には、GT-Rがあることを誇りたい。

    っていうR33のキャッチコピーは今も生きてるね。
  • 今は純ガソリン最終と、生産台数が限られているのが理由だと思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1444.33061.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

588.023000.0万円

中古車を検索
NISSAN GT-Rの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

1444.33061.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

588.023000.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村