ふだん使いのクルマとして、軽自動車と並んで選ばれやすいのがコンパクトカーです。現在、国内外さまざまなメーカーから販売されており、群雄割拠と呼べるほどです。そこで今回は、販売台数でも上位に陣取っているトヨタ・アクアとヤリス、そして日産・ノート、という3つのモデルを徹底的に比較していきたいと思います!
●販売台数ランキング上位に名を連ねる3台
コンパクトカークラスといえば、押すに押されぬ人気ジャンルの1つです。2022年6月の登録販売台数を見てみるとアクアが3288台、ヤリスが1万2400台(ヤリスクロス、GRヤリス含む)、ノートが6626台(ノート オーラ含む)といずれもトップ10位圏内に名前を連ねています。
アクアがデビューしたのは2011年、現行モデルである2代目へとフルモデルチェンジしたのは2021年7月のことです。プリウスの弟分としてデビューしたことから、燃費性能の高さは折り紙付きであり、燃費競争に終止符を打つクルマと言われていたこともある1台です。
ヤリスがデビューしたのは2020年の2月です。トヨタのネッツ店で販売されていたヴィッツが元になっており、ヤリスという名前は北米や欧州向けに使われていた名称でした。国内向けのモデルでヤリスと名付けられたのは現行モデルである4代目のことであり、販売1ヵ月での受注台数は目標数のおよそ5倍に到達、ヤリスWRCとして世界ラリー選手権に参戦するなど華々しい経歴を持つモデルです。
ノートの初代モデルがデビューしたのは2005年のことで、今回取り上げる3モデルの中では、最も先輩です。現行モデルである3代目にモデルチェンジしたのは2020年12月でしたが、フルモデルチェンジに伴い、全車でパワートレインをe-POWERのみに設定したことでも話題になりました。さらに、2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーでは大賞に選出された経歴もあるというクルマです。
●ボディサイズと居住空間の快適性
それぞれのボディサイズを見ると、アクアが全長4050mm×全幅1695mm×全高1485mm、ヤリスが全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm、ノートが全長4045mm×全幅1695mm×全高1505mmとなっています。
まさにコンパクトカーらしいサイズ感の3台ですが、中でもヤリスの全長の短さとアクアの全高の低さが目を引く結果となりました。このことから、ヤリスは他の2モデルと比較すると回頭性に富み、アクアは全高の低さから空気抵抗が低減されることで高速域での燃費向上が図られていることが見えてきます。
一方、車内の広さを示す車内寸法を見てみると、アクアが室内長1830mm×室内幅1425mm×室内高1190mm、ノートが室内長2030mm×室内幅1445mm×室内高1240mm、ヤリスが室内長1830mm×室内幅1430mm×室内高1190mmです。
加えて、ホイールベースを比較すると、アクアが2600mm、ヤリスが2550mm、ノートが2580mmとなっています。
ここにもそれぞれの個性が出ており、ホイールベースの長さからアクアは後部座席の足元スペースも余裕を持って確保されていることが分かり、ノートについては元々クラストップの室内長でセダンに匹敵する快適性を謳っているモデルです。
室内の快適性という部分においては、ヤリスは一歩劣ります。なぜなら、ヤリスは前席優先かつユーティリティよりも走りの部分に注力したモデルであるため。後部座席まで含めた快適さ、という部分においてはアクアとノートに軍配が上がると言えそうです。
●コンパクトカーだからこそ気になる燃費性能
燃費性能を見てみると、WLTCモードでアクアは33.6km/L~35.8km/L、ヤリスが19.6km/L~36.0km/L、ノートが23.8km/L~29.5km/Lとなっています。グレードやパワートレインによってそれぞれ差はありますが、アクアとノートは全車でハイブリッド、ヤリスはハイブリッド車およびガソリン車が設定されています。
この結果を見ると、ヤリスの燃費性能の高さに驚かされます。ですが、それに追従するアクアの燃費にも注目に値します。アクアのハイブリッドシステムは、M15A-FXEと呼ばれるダイナミックフォースエンジンを組み合わせる新世代のシステムであることに加え、リチウムイオンバッテリーを搭載したグレードB以外のモデルにバイポーラ型ニッケル水素電池と呼ばれる新型のバッテリーを採用しています。これにより、EV走行の領域が広がり、燃費性能の向上に繋がっているのです。
また、エンジンスペックでは、ノートのハイブリッドが最高出力82PS/最大トルク103Nmのエンジンで発電しつつ最高出力116PS/最大トルク280Nmのモーターで駆動、アクアのハイブリッドは最高出力80PS/最大トルク141Nmのエンジンを最高出力80PS/最大トルク141Nmのモーターでアシスト(システム出力は116PS)、ヤリスのハイブリッドは最高出力91PS/最大トルク120Nmのエンジンを最高出力80PS/最大トルク141Nmのモーターでアシストします(システム出力は116PS)。(※各数値はすべてFFの場合)。
燃費性能ならアクアとヤリスという結果になります。一方、ノートがほかの2台と大きく異なるのは、エンジンは搭載しているものの、走行自体はすべてモーターで行うというシステムが採用されていることで、滑らかな駆動や低回転から発生する大トルクを活かした走りやすさでは分があります。
つまり、エンジンの音は聞こえますが、走りのフィーリングは電気自動車そのものということです。ガソリン車とは異なる独特のフィーリングですが、一度体験してしまうとガソリン車には戻れないとも言われるもので、人によってはこれだけでノートを選びたいと思う決め手になるかもしれません。
●それぞれの安全装備と価格を比較
まず、ヤリスにはトヨタの安全予防パッケージであるトヨタセーフティセンスが、エントリーグレードであるXBを除き、全車で標準装備となっています。これには、トヨタ初となる交差点右折時の対向直進車・右左折時の横断歩行者を検知機能が含まれているほか、低速時の事故予防をサポートする「低速時加速抑制」や高度駐車支援システムである「トヨタ チームメイト」が採用されるなど、最新鋭の安全予防機能が盛り込まれています。
さらに、アクアではトヨタセーフティセンスを全車に標準装備、パーキングサポートブレーキやトヨタのコンパクトカーとしては初めてブラインドスポットモニターを装備しました。
そして、ノートはナビゲーションとの連携機能を追加した運転支援技術「プロパイロット」がオプション。インテリジェントエマージェンシーブレーキや踏み間違い防止アシストといった安全運転支援システムが全車に標準装備されています。
デビューした時期がそれぞれに異なり、オプションの存在によってある程度カスタマイズできるため同じ基準で判断することは難しいですが、エントリーグレードを含む基本的な安全装備の充実という面では、アクアとノートが秀でていると言えるかもしれません。
また、本体価格を見てみると、アクアが198万円から259万8000円、ヤリスのガソリン車で139万5000円から197万1000円、ハイブリッド車で199万円8000円から232万4000円、ノートが202万9500円から288万7500円となっています。
アクアはハイブリッド車のみで4グレード、ヤリスはハイブリッド車が3グレード、ガソリン車が9グレード、ノートはハイブリッド車のみで7グレードがラインナップされています。
ガソリン車が欲しければヤリス一択になってしまいますが、ハイブリッド車ではノートが最も選択肢の幅が広いという結果です。ただし、ハイブリッドモデルの価格に関してはほぼ横並びであるため、コストパフォーマンスという面では甲乙つけがたいのが現状です。
走りのヤリスかユーティリティのアクアか、電気自動車のような特徴をもったノートか、それぞれ異なる個性を持っているのがコンパクトカーの面白さであると言えるかもしれません。
文:ピーコックブルー
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