新車のような仕上がりで走りの実力も高いレベル
ブレーキパッドに代表される高品質のチューニングパーツを送り出している「エンドレス」の創業者で、現・会長の花里 功氏は、子どものころから大のクルマ好きだった。
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当然、自動車免許を取得するとモータースポーツの世界に足を踏み入れている。軽フォーミュラのFL500や上級フォーミュラ・パシフィックなどに参戦し、B110サニー1200クーペで富士1000kmレースにも出場した。その後もモータースポーツの世界と深く関わり、そこで得た経験とノウハウを糧として良質なブレーキパッドなどを生み出している。
展示車両はすべて動態保存されている
花里会長が、2021年春に長野県・佐久穂町に開設したのが、内外のクラシックカーとエンドレス関連のレーシングカーを集めて展示したカーミュージアム「130 COLLECTION」だ。
すべての展示車両は新車のようにレストアされ、動態保存されている。その多くは車検を取っているため公道を走ることも可能だ。毎年のように名車をレストアし、公道復帰させているため展示車両は増え続け、30台を超えるまでになった。
日本車はホンダS800とライバルのトヨタスポーツ800、オープンのSP/SRフェアレディ、その兄弟車の初代シルビア、チェリークーペ1200X1-R、コンテッサ1300クーペ、ルーチェロータリークーペなど、いずれも日本の自動車史に名を残す名車ばかり。
輸入車もミニ・クーパーSやアルファ ロメオのジュニアZ、VWカルマンギア、フィアット500(チンクエチェント)アバルトなどが並んでいる。マニアならずとも時を忘れて見入ってしまう魅惑の空間だ。
エンドレスの「130 COLLECTION」は、珠玉の名車を見るだけでなく運転席に乗り込むこともできる。これがほかのミュージアムと違うところである。また、事前に予約すれば同乗走行を楽しむこともできる。今回そのなかから、何台か取材をすることに成功したので紹介をしていこう。
走行距離はわずか1万4000kmの個体を入手
1台目は、走行は叶わなかったが、初代スカイラインの1900デラックス(BLSID- III) を撮影することができた。これは2017年に手に入れたという個体だが、栃木県に住む財界の著名人が愛車にしていたスカイラインだ。
別荘に行ったときに故障したため、ずっと留め置かれていた。そのため走行距離は、わずか1万4000kmに留まっている。手に入れたとき車検証がなかったが、素性が分かっているクルマだったため名義変更でき、公道を走れるようになった。
手に入れたときはリヤドアの内張りにビニールが被せたままの状態だったが、ボディからシャシー、エンジン、内装まですべてバラしてレストアを行っている。1862ccのGB4型直列4気筒OHVエンジンはオーバーホールしたが、キャブレターの調子が悪く、何度もストールしたり息継ぎを起こした。
その原因を突き止め、きちんと組み上げたことで軽やかに回るようになっている。 マフラーはフジツボにオーダーし、装着した。
サスペンションは、フロントがダブルウイッシュボーンにコイルスプリング、リヤはド・ディオンアクスルにリーフスプリングの組み合わせだ。このサスペンションも強化した。
だが、走行中に不安定な挙動が出たため、ドライブシャフトを外しベアリングを交換。また、グリスを詰め直すことによって新車のときのような軽やかな走りを取り戻した。
4輪ドラム式のブレーキも強化し、フロントはディスクブレーキに、リヤはレース用ライニングに交換している。ボディカラーは、エンドレスブルーにパールの2トーン塗装だ。新車のように美しい仕上がりで、走りの実力も高いレベルにある。試乗できなかったことが心残りだ。
「130 COLLECTION」は、都心から約2時間。名古屋からでも3時間ほどと全国からアクセスが良いため貴重な車両の数々を見学して、コーヒーを飲んで帰れるという130コレクションは、ちょっとしたドライブの目的地としても最適だ。気になる方はぜひ足を運んでほしい。
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