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こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと "消えた" 珍車 50選 前編

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こんなのあったの? 知る人ぞ知る「スーパーカー」 ひっそりと "消えた" 珍車 50選 前編

忘れられた不運なスーパーカー 50選

成功したスーパーカーブランドもあれば、凋落したスーパーカーブランドはその何倍もある……。

【画像】独特のスタイルで注目を集めた高性能車【イズデラ・インペラートル、スパイダー、コメンダトーレなどを写真で見る】 全13枚

大金を投じて高級車を購入するなら、そのクルマには価格相応の血統を期待するものだ。多くの場合、人はクルマを買うときにブランドに左右されがちだが、特にスーパーカーに関してはブランドが極めて重要だ。

過去数十年間、スーパーカーを世に送り出すために新しいブランドが次々と登場したが、長く存続した例はほとんどない。数十のスーパーカーブランドが誕生しては消えていった。今回は、人々の記憶から忘れ去られてしまったブランドとモデルを紹介する。

モンテヴェルディ・ハイ(1970年)

高級スーパーカーといえば、モンテヴェルディ・ハイ(Monteverdi Hai)ほどレアなものはない。デザインの正式な訓練を受けていない故ペーター・モンテヴェルディが設計したもので、たったの2台しか生産されなかった。

クライスラー製の7.0L V8「ヘミ」エンジンを搭載し、最高出力450s、最高速度290km/hを実現している。エアコンやレザーインテリアなどを備えた豪華なスーパーカーであるが、製造品質はいまひとつだったようだ。

アーガイルGT(1976年)

スコットランド生まれのスーパーカー。1976年、ボブ・ヘンダーソンが最高速度320km/hの新型スーパーカーを作ろうとしたとき、オイルショックで計画が早々に頓挫するとは思いもしなかっただろう。アーガイルGT(Argyll GT)の開発プロジェクトが軌道に乗るのは1977年のことで、納車が始まったのは1984年だった。

しかし、当初計画されていたV8ツインターボが排気量2664ccのV6ターボに格下げされたため、顧客は興味を失ってしまった。

パンサー・シックス(1977年)

1970年代後半、 “血中ガソリン濃度” が高めの少年の部屋には、この狂ったハイパーカーのポスターが貼られていた。六輪のレイアウトに、キャデラック製8.2L V8ツインターボをリアに搭載したパンサー・シックス(Panther Six)は、クレイジーなモンスターマシンである。

最高速度は320km/hとされるが、わずか2台しか生産されず、誰もその性能を確認することができていない。1台はレストアされて欧州に現存するが、もう1台(モーターショー出品用)は何年も前に姿を消し、中東のどこかに潜んでいると言われている。

童夢・零(1978年)

1978年のジュネーブ・モーターショーで「童夢・零(ドウム・ゼロ)」が公開されたとき、日本のメーカーがどうしてこんな奇抜なものを作れるのかと、誰もが息をのんだ。

カウンタックよりもクレイジーな零は、残念ながら日本でのホモロゲーションテストを受ける余裕がなかった。2.8L直列6気筒の最高出力は145ps程度とされているが、何と言ってもそのルックスが素晴らしい。

アストン マーティン・ブルドッグ(1979年)

アストン マーティンがブルドッグを発表した当初は、最大25台生産するという話があった。電動ガルウィングドア、最高出力700psのV8ツインターボ(ミドシップ)、そしてありえないほどドラマチックなデザイン(ウィリアム・タウンズの設計)を備えたブルドッグなら、あっという間に完売しただろう。そして何より、最高速度320km/hという性能が実証されれば、当時としては世界最速の市販車になるはずだった。

しかし、開発作業がすべて完了したあと、アストン マーティンの親会社が変わり、作るべきクルマではないと見なされた。そのため1台しか製作されなかったが、しっかりと現存しており、英国の自動車イベントに時々登場している。

ウルフレース・ソニック(1981年)

ウルフレース・ソニック(Wolfrace Sonic)はワンオフ車なので、この記事の趣旨とは少しズレてしまうが、派手な宣伝用マシンとして製作され、今ではすっかり忘れ去られているため、ここで紹介することにした。

ウルフレース・ホイール社の初代オーナーであるバリー・トレーシーの依頼を受け、ニック・バトラーがデザインを担当し、2基のローバー製V8エンジンを搭載した2シーターの六輪車である。

10万ポンドをかけて製作され、ウルフレース社に大きな宣伝効果をもたらしたが、その後姿を消した。しかし、2015年にスクラップに近い状態でオークションサイトのeBayに登場し、1万8100ポンド(現在の為替相場で約350万円)で落札された。

コディアックF1(1983年)

1983年、セルビア人のムラデン・ミトロヴィッチがフランクフルト・モーターショーでスーパーカーを発表した。最高出力320psのシボレー製5.4L V8を搭載したコディアックF1(Kodiak F1)は、どの国のどんなクルマにも負けないと謳われた。

ガルウイングを持つメルセデス・ベンツC-111にインスパイアされたデザインで、1日中270km/hの速度で走ることができ、絶対的な信頼性があるとされていた。後の改良型にはメルセデスの5.6L V8が搭載されるはずだったが、こちらは実現しなかった。

イスデラ・インペラートル(1984年)

メルセデス・ベンツは6年の歳月をかけて製作したコンセプトカー「CW311」を1978年に発表するが、市販化には至らなかった。そのため、CW311のデザイナーであるエバーハルト・シュルツが自らイズデラというブランドを使って生産を開始した。

彼はこのスーパーカーを「インペラートル(Imperator)」と名付け、排気量5.0L、5.6L、6.0Lの各種V8エンジンを用意し、最高出力390ps、最高速度280km/hを実現した。生産は1993年のイズデラ倒産まで続き、30台のインペラートルが世に送り出された。今でも時々、40万ポンド(約7700万円)前後で売りに出されることがある。

チゼータV16T(1989年)

極限のスーパーカーと言える1台。こんなにも車幅が広いのは、排気量5995ccのV型16気筒エンジンを横置き(!)でミドシップに搭載しているためだ。

最高出力560ps、8000rpmという驚異的な回転数を誇り、64個のバルブを駆使して全開走行するときの騒音は、聞く者に畏敬の念すら抱かせるものだ。V16Tは最高速度328km/hに達すると言われていたが、公式なテストは行われておらず、真相は誰にもわからない。1989年にプロトタイプが完成したが、納車が始まったのは1992年、生産が終了したのは2003年だった。

ジオット・キャスピタ(1989年)

1989年にジオットが発表したキャスピタ(Caspita)は、「サーキットまで運転し、競技に参加し、そのまま帰宅する、そんな生活ができるクルマ」と謳われていた。

当初はデチューンされたF1用V12エンジンを搭載していたが、1990年にはジオット製のV10に切り替えた。どちらも最高速度320km/h以上とされたが、結局顧客の手に届くことはなかった。

ベクターW8(1989年)

1976年にコンセプトカーのベクターW2が発表された。デザイナーのジェリー・ウィーガート氏は航空技術に夢中になっていた。このW2の量産バージョンがW8で、1989年にようやく公道走行可能な状態で公開された。当時の価格は45万ドル。

W8の心臓部には最高出力600psのGM製6.0L V8ターボが搭載され、最高速度は320klm/hに達するとされていた。非常に高額であったものの、14台が販売された。1992年には76万5000ドルの後継車、WX-3が登場している。

ジャガーXJR-15(1990年)

不運なXJ220の開発に着手したのとほぼ同時期に、ジャガーはもう1台のスーパーカー、XJR-15も開発していた。XJ220には当初V12エンジンが搭載される予定だったが、代わりにV6ツインターボが採用された。一方、XJR-15は最高出力450ps のV12を獲得し、最高速度307km/hを実現した。

XJR-15は「ジャガー・スポーツ・インターコンチネンタル・チャレンジ」と呼ばれるワンメイクレースのために、50台のみが生産された。ロードカー仕様も生産され、そのうちの数台は現存している。2004年、ジャガー・スポーツがAJ-V8エンジンによってXJR-15を復活させる計画をちらつかせたが、このプロジェクトは始動すらしなかった。

マセラティ・チュバスコ(1990年)

1990年12月に発表されたチュバスコ(Chubasco)は、「これがマセラティの新しい顔になる」と謳われていた。堅実なビトゥルボの後に現れたミドシップのチュバスコは、刺激的なクルマとして大いに期待された。

シャマルの3.2L V8ツインターボを縦置きに搭載し、最高出力435psを発生する。マセラティは、F1並みのグリップと性能を声高に主張し、年間150台、計450台以上を生産すると見積もっていた。結局、プロジェクトはわずか半年後に中止となり、走行不能なモックアップが作られただけで、1台も生産されなかった。

タトラMTX-4 RS(1990年)

世界経済が破綻する直前の1990年12月に初公開されたタトラMTX-4 RSは、チェコスロバキア初のスーパーカーを目指していた。リアエンジンのセダンで知られるタトラは、鉄のカーテンの崩壊後、新たな道を探り、年間100台以下の少量生産車を世に送り出そうとした。

デザインはベルトーネが担当し、パワートレインはそれまでのセダンと同じ空冷4.0L V8エンジンを使用。最高出力は218psと208psの2種類があり、後者は電子制御式燃料噴射装置を採用し、最高速度265km/hと謳われた。その後、不況に見舞われてしまい……。

ビター・タスコ(1991年)

元レーシングドライバーであるエーリッヒ・ビッターの立ち上げたビッター社は、SCに代表されるオペル車ベースのモデルで知られているが、時折、タスコ(Tasco)のような奇抜なものも作った。MGAディベロップメンツ社との共同開発によるもので、1991年のフランクフルト・モーターショーで発表された。

V8またはV12を搭載するように設計されていたが、実物大モックアップの段階から進展することはなかった。

シュパン962 CR(1991年)

シュパン962(Schuppan 962)は、惜しくも登場するタイミングを外してしまった不運な1台だ。元レーシングドライバーのヴァーン・シュパンが、ポルシェのアイコンである962の公道仕様を作ろうと企画したものである。

ツインターボの3.3Lフラット6を搭載し、最高出力600ps、最高速度350km/hを実現。50台の生産が予定されていたが、77万ポンドと高価だったため販売に苦戦した。結局、5台が出荷されただけで、1994年末に中止となった。

MCAセンテナーレ(1992年)

まるで実物大ミニカーのようなデザインだが、1992年に発表されたセンテナーレ(Centenaire)の当時の価格は50万ドルだった。ランボルギーニのV12エンジンをミドマウントし、イタリアの名門カスターニャ社がデザインを担当したが、モナコでのプレス発表会では誰も試乗を認められなかった。

6台が生産されたと言われており、1993年のル・マン出場も目指したが、残念な結果に終わった。販売も軌道に乗らなかったため、センテナーレの権利はマイクロカーメーカーのエクザム・メガ社に売却され、そこでモンテカルロ(Monte Carlo)という名で再出発したが、販売はやはり困難を極めた。

シュピースTC522(1992年)

産業用変圧器のメーカーとして知られるドイツのシュピース社が、一体どんなクルマを作ろうと言うのか? 1992年に登場したTC522は、カーボンファイバー製のボディシェルに最高出力500ps超の5.7L V8ツインターボと6速トランスミッションを採用していた。

しかし、多くのスーパーカーブランドと同様に販売面での問題に悩まされた。TC522の価格は36万2000ポンドと非常に高価であり、プロジェクトが軌道に乗る前に頓挫したのも不思議ではない。

ヤマハOX99-11(1992年)

スーパーカーの世界では、「公道レーサー」という言葉はマーケティング上の決まり文句であるが、ヤマハの場合はまさにそれに値するものだった。OX99-11はマクラーレンF1対抗しうる数少ないスーパーカーの1つであり、市販化されなかったことが残念でならない。

OX99-11が登場したのは1992年のことで、最高出力425psの3.5L V12エンジンを車体中央に搭載している。このエンジンは1990年代初頭のブラバムやジョーダンに搭載されていたもののデチューン版だ。価格は100万ドルと高額だが、これほどのクルマが他にあるだろうか?生産されたのはわずか3台のみ。

ダウアー962(1993年)

ヨッヘン・ダウアーはポルシェのレースプログラムに密接に関わっていたため、ル・マン24時間レースで成功を収めた962をよく理解していた。ダウアーは、本物の962のシャシーに、カーボンファイバーとケブラーからなるボディを載せ、オリジナルよりも空力性能を向上させた。

最高出力730psのツインターボ3.0Lフラット6を搭載したダウアー962は圧倒的な速さを誇ったが、新車時の価格は約70万ポンドで、わずか13台しか生産されなかった。

イズデラ・コメンダトーレ112i(1993年)

開発開始から4年後の1993年、最初のコメンダトーレ112i(Commendatore 112i)がフランクフルト・モーターショーで発表されたが、このプロジェクトによりイズデラ社は2度目の倒産を余儀なくされ、消滅した。その後、1999年に再登場したものの、またすぐに姿を消してしまった。

112iは最高出力420psのメルセデス・ベンツ製6.0L V12エンジンを搭載し、最高速度338km/h、0-97km/h加速4.3秒を誇る。アダプティブ・サスペンション、専用設計のワイパー、ペリスコープ型ミラーなどを装備している。価格は50万ポンド。

リスター・ストーム(1993年)

GTレーサーとして知られるリスター・ストーム(Lister Storm)は、4台のロードカー仕様も生産され、そのうち3台が現存している。ジャガー製7.0L V12を搭載しており、最高出力553ps、最大トルク80kg-mを発生し、当時は世界最速の4人乗り市販車と謳われた。最高速度335km/h、0-97km/h加速は4.1秒とされている。

ジリアート・アエローザ(1994年)

ジリアート(Gigliato)は日本企業だが、英国に拠点を置き、イタリアの老舗デザイン会社に対抗しようとしていた。1994年には、フォード製3.0L V6を搭載した魅力的なアエローザ(Aerosa)を発表した。

ちょっとした調整で、このエンジンから最高出力300psを引き出すことができたが、それは理論上の話であり、1995年までにこのプロジェクトは過去のものとなってしまった。

ベンチュリー400 GT(1994年)

フランスの自動車メーカーMVSが倒産した後、ベンチュリー(Venturi)として復活し、V6エンジンを搭載するスポーツグランドツアラーの生産に取り組んだ。ベンチュリーの誇る最強モデルは、ツインターボの3.0Lを搭載した400 GTで、最高出力412ps、最高速度293km/h、0-100km/h加速4.1秒を実現した。レーシングカー仕様は数十台が生産されたものの、ロードカー仕様はわずか10台前後が生産されたのみ。

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みんなのコメント

11件
  • gyp********
    小学生の時、お年玉でスーパーカーのラジコンを買いに行って、何故か全く知らない「童夢・零」を買った。
    家の廊下で走らすと、祖父からTVがガサガサ(電波障害)で映らないと叱られた。
    冬休み明け友達とお年玉カーを見せ合ったら、こんな車は知らないと馬鹿にされた。
    それで新品状態で仕舞い込んだけど、何処へいったんだろう。今見付かったらお宝かな?
  • at01
    スーパーカーじゃないけど、当時の子どもがガチャガチャでゲットして大喜びしたのがF1の「タイレル」でした。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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