■トヨタに「是正命令」 何があったのか
2024年7月31日に国土交通省は「トヨタの不正事案に関する対応について」。トヨタは「型式指定申請に関する是正命令について」をそれぞれ発表しました。
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同年6月3日の型式指定申請に関する公表以降続けられていた調査で、新たにどのような内容が明らかになったのでしょうか。
まず、一覧の流れとして前述の2024年6月3日に以下の事案がトヨタから公表されました。
ーーー
1.試験時にエアバッグをタイマー着火した開発試験データを認証申請に使用
・前面衝突時の乗員保護試験
・オフセット衝突時の乗員保護試験
2.規定と異なる衝撃角度
・歩行者頭部および脚部保護試験
3.選定と左右逆の打点、左右片側試験を両側に代用
・歩行者頭部および脚部保護試験
4.規定と異なる台車重量
・後面衝突試験
5.規定と異なるブロックで試験
・積荷移動防止試験
6.出力点の制御調整
・エンジン出力試験
ーーー
上記の事案では計7車種が該当し、そのうち生産中のカローラアクシオ/カローラフィールダー/ヤリスクロスは2024年6月3日から出荷停止していました。
また翌6月4日に国土交通省は、トヨタから上記の事案に関する報告を受けてトヨタに対する立入検査を実施し、事実関係の確認、精査を行ってきました。
今回、この立入検査に加えてトヨタから7月5日に報告された調査結果の内容等も踏まえ事実関係の確認、精査を行った結果、すでに公表された7車種の事案が不正行為と認定されました。
さらに、追加で7車種(現行生産車4車種、過去生産車3車種)における不正行為を国土交通省は認定したと今回発表しています。
その内容は以下の通りです。
ーーー
1.別の試験で使用済みのFrバンパを再利
2.衝突速度を規定に収まるよう数値処理(小数点第2位の切り捨て)
・歩行者脚部保護試験
3.規定と異なる積荷ブロック、量産と異なるシートのロック機構部品で試験
・積荷移動防止試験
4.申告と異なるステアリングで試験したが、申告時の仕様の写真を成績書に添付
・ステアリング衝撃試験
5.量産と異なる部品で試験
・ナビディスプレイ(内装の乗員保護装置試験)
・Frドア内部ブラケット(ポール側面衝突試験)
・Rrドア内張り(側突衝突)
ーーー
これらの内容で、「ナビディスプレイ(内装の乗員保護装置試験)」は日本で販売されるノア/ヴォクシー/ランディ(スズキ)が対象となり、その他は、海外仕様の車種となっています。
その海外仕様の車種に関しては、それぞれの国や地域では問題なく認可を受けたものだと言います。
■対象車種はいつ再開? 何が根本的な原因? 今後はどうなるのか?
こうした内容をふまえて国土交通省は「トヨタからの原因調査結果の報告及び立入検査での確認結果等を踏まえ、トヨタ自動車に対し、道路運送車両法の規定に基づき、是正命令を発出した。またトヨタに対し、1ヶ月以内に再発防止策を報告し、その後四半期毎に再発防止策の実施状況を報告するよう求めた」と明らかにしています。
今回の一連の事案に関してトヨタは、大きく以下の2つを原因として挙げています。
ーーー
1.現場における原因
・認証申請に必要な書類を作成する際の社内の運用ルールが不明確
・認証業務における必要なリソーセスの明確化と管理が不十分
・認証業務の重要性に対する認識が不足
2.経営面における原因
・経営/幹部の認証業務全体における理解と関与が不十分
ーーー
これに加えてトヨタは、以下のように話しています。
「一連のご指摘や社内調査を通じて、弊社としてはこのたびの事案の原因が、現場と経営の両面にあったと捉えております。
これらの認識をもとに正しい認証業務を実施するための仕組み・体制に見直すとともに、認証プロセスの責任と権限をあらためて明確化し、正確なデータ管理など基盤の整備を進めてまいります。
これらを再発防止策としてすみやかにまとめ、国土交通省にご報告いたします。
TPS自主研を通じて、中長期的な仕組み・風土づくりにも取り組んでまいります」
なお2024年7月31日に国土交通省から是正命令を受けたトヨタの佐藤恒治社長は「あらためてお客様はじめ、仕入先・販売店など関係する皆様にご心配とご迷惑をお掛けし、深くお詫び申し上げます。この度は、是正命令での指摘を進撃に受け止め、今後、経営のリーダーシップのもと認証プロセスと責任・権限を改めて確認・明確化し、ガンバナンスを強化していきます」と述べています。
なお今回、対象となった車種の基準適合性に関して、最初の7車種すべてが基準に適合していることが確認されています。
そのため、カローラアクシオ/カローラフィールダー/ヤリスクロスは、2024年9月初からの生産再開を予定。
また追加で明らかになった日本で販売されるノア/ヴォクシーは、2024年7月29日から出荷を停止していましたが、近日再開予定だと言います。
※ ※ ※
今回、トヨタ以外にも各自動車メーカーから不正事案が出ています。
この点については、決められたルールを守られなかったことは徹底的に反省し、次に活かしていくことが求められます。
一方で世界的に競争が加速している自動車分野において、日本は各自動車メーカーの底力もあってまだまだ戦える状況にあります。
そうした中で、日本の基幹産業となる自動車産業をさらに発展させていくには、世界統一のルールづくり、そしてルールの運用方法でリードしていく必要もあると言えます。
今回の件では、あらゆるユーザーが不正やルール、運用などに対して様々な声を挙げています。
こうしたユーザーの関心度が高いイマだからこそ、官民一体となった未来への議論を進めていく時かもしれません。
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みんなのコメント
時々燃えたりするけど、国交省の基準には全く違反してませんので笑