アウディのセンスが光るSUV
昨今、クーペタイプのSUVを街でよく見かける。
SUVは「スポーツ・ユーティリティ・ビークル」といわれている。
しかし、個人的にはそのいでたちやBピラーより後ろの重々しい造形から、「スペース・ユーティリティ・ビークル」と感じずにはいられない。
アウディのミディアムSUVであるQ5は、まさにそのような力強く質感の高い造形、そしてインテリアの質感の高さから、北米で人気を博した。
とはいえ、1990年代後半頃からアウディは質感に加えスポーティ性も重視してきたブランドだ。
そして、この美しい5ドアクーペSUVのQ5スポーツバックは、新たなアウディのスタイルを世間にアナウンスした。
その流れからすれば、SUVのQシリーズに、美しいスポーツバックモデルを設定することが念頭にあったはずである。
今回、雪道を含んだロングドライブを行うことができたため、その際のインプレッションをお伝えしたい。
スタッドレスでも安定性は高い
今回試乗したのは、Q5スポーツバック40 TDIの1stエディション。
昨年の7月に日本で発表している、アウディの最新モデルのひとつである。
パワーユニットは、2020年以降のモデルに順次搭載されているEA288 evoという2Lターボディーゼルに、ベルト駆動式オルタネーターとリチウムイオン電池が搭載されたマイルドハイブリッドモデルだ。
そしてもちろん、アウディとくればスポーツ4WDシステムを携えたクワトロである。
都内を出発し赴いた場所は、避暑地で有名な蓼科である。冬は湖が凍るほどに冷え込み、白銀の世界が美しいところだ。
ブリヂストン製のスタッドレスタイヤを装着していたが、南諏訪までは乾いたアスファルトをひたすら走る。
スタッドレスタイヤでもロードノイズは少なく、タイヤの性能と静粛性が高いこともあり、快適なドライブだ。
中央道のマウンテンセクションも快適なクルージングだ。タイヤのブロックが柔らかくても、直進安定性はすこぶる良好だ。
トンネル入口の横風を受けても微動だにしない。
クーペボディの空力の良さと4WDシステムによって、高速のスタビリティはとてもいい。
そして、最新の2Lディーゼルターボは以前とは比べ物にならないほど静粛性が良好で、中間加速も気持ちがいい。
きびきびと高速の登坂を走るQ5スポーツバックは、南諏訪までの約130kmをあっという間の距離に感じさせるほど快適だ。
見た目も性能も、白銀の世界が似合う
南諏訪から山道をどんどん上っていくと、所々路面に積雪があったが、トラクションに不安定さはない。
スロットルを開けても、ステアリングが取られたりすることは皆無である。
そこからさらに国道を上っていく。白樺湖周辺まで来ると、路面は圧雪状態。
マイルドハイブリッドによってトルク曲線の谷も幾分マイルドになる傾向と、アウディのお家芸と言えるクワトロシステムによって、滑りやすい路面とは思えないほどに安定したドライビングが可能だ。
さらに県道を走り標高を上げていくと、雪質が水分の多いものから乾いたものへと変わっていく。
スタッドレスタイヤも本領発揮というところである。路面状況を確認しつつ、スピードを上げていく。
Sトロニックトランスミッションをホールドにして、スポーツドライビングを楽しむ。
スロットルと動力の反応による安心感あるトラクションによって、ターンインによる横滑りを抑制する。
さらに、リアの駆動力を大きくすることにより、舵角を大きく取らなくてもスムーズなコーナリングが可能だ。
少し空転させてタイヤに付いた雪を払うと、さらにグリップ力が出てぐんぐん前に進む。
トルクフルなエンジンが、スポーツドライビングにぴったりとはまった瞬間である。
ウルトラブルーメタリックのボディと白銀のコントラスは、凛とした美しさを感じる佇まいだ。ブルーは雪に似合うことがよくわかる。
雪道や山岳地帯といえば、武骨でマッチョなSUVのイメーが強いかもしれない。
しかし、ノーブルな白銀へと誘うのは、美しいスタイリングのSUVと深みのあるブルー、そして澄み切った青空なのである。
白銀のキャンバスによって映し出されたブルーの Q5 スポーツバックは、美しさを加速させていく。
文/松本英雄、写真/篠原晃一【試乗車 諸元・スペック表】●1st エディション ディーゼルターボ 4WD型式3CA-FYDTPS最小回転半径5.5m駆動方式4WD全長×全幅×全高4.7m×1.9m×1.66mドア数5ホイールベース2.83mミッション7AT前トレッド/後トレッド-m/-mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量-kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量-kgミッション位置フロア最低地上高0.18mマニュアルモード-標準色グレイシアホワイトメタリック、ウルトラブルーメタリックオプション色-掲載コメント※限定230台※諸元・装備情報は一部ベースとなるグレードの情報を掲載しております型式3CA-FYDTPS駆動方式4WDドア数5ミッション7ATAI-SHIFT-4WS-標準色グレイシアホワイトメタリック、ウルトラブルーメタリックオプション色-シート列数2乗車定員5名ミッション位置フロアマニュアルモード-最小回転半径5.5m全長×全幅×全高4.7m×1.9m×1.66mホイールベース2.83m前トレッド/後トレッド-m/-m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量-kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高0.18m掲載用コメント※限定230台※諸元・装備情報は一部ベースとなるグレードの情報を掲載しておりますエンジン型式DTP環境対策エンジン-種類直列4気筒DOHC使用燃料軽油過給器ターボ燃料タンク容量70リットル可変気筒装置-燃費(10.15モード)-km/L総排気量1968cc燃費(WLTCモード)14.5km/L└市街地:11.7km/L└郊外:14.5km/L└高速:16.2km/L燃費基準達成-最高出力204ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm400(40.8)/3250エンジン型式DTP種類直列4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1968cc最高出力204ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm400(40.8)/3250環境対策エンジン-使用燃料軽油燃料タンク容量70リットル燃費(10.15モード)-km/L燃費(WLTCモード)14.5km/L└市街地:11.7km/L└郊外: 14.5km/L└高速: 16.2km/L燃費基準達成-
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■2021年12月 輸入車販売ランキング 1~20位(乗用車)
順位=ブランド:3ナンバー/5ナンバー/合計(2020年12月)、台
(日本自動車輸入組合の資料をもとに作成、※印は国内メーカーの海外生産車)
1=メルセデス・ベンツ:5,317/-/5,317(6,251)
2=BMW:3,532/-/3,532(4,128)
3=VW:2,797/3/2,800(2,759)
4=ニッサン※:1,765/451/2,216(4,025)
5=BMWミニ:1,918/-/1,918(2,333)
6=ボルボ:1,843/-/1,843(1,805)
7=プジョー:1,242/-/1,242(1,197)
8=アウディ:1,103//-/1,103(2,642)