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[スープラA90ファイナルエディション]マジハンパない!! 1500万円はむしろ[お買い得]!? その理由とは?

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[スープラA90ファイナルエディション]マジハンパない!! 1500万円はむしろ[お買い得]!? その理由とは?

スープラの名が復活してから6年。そのA90集大成モデルとなるファイナルエディションのプロトタイプをサーキットで全開試乗。スペックや装着されているパーツ類はレーシングカーそのものだが、走りは想像を超える完成度だった!!

文:大井貴之/写真:TOYOTA GAZOO Racing、ベストカーWeb編集部

[スープラA90ファイナルエディション]マジハンパない!! 1500万円はむしろ[お買い得]!? その理由とは? 

【画像ギャラリー】気分たかまるコクピットも最高!! A90ファイナルエディションの気合の入りようがすごい!!(99枚)

A90集大成を飾るスペシャルモデル

世界限定300台の販売となるスープラA90ファイナルエディション

ドライカーボン製のエアロパーツで武装したマッド・ステルス・ブラックのボディにマッド・ブラック塗装のホイール。全高は20mmダウン。世界で300台の限定車A90ファイナルエディションにサーキットで試乗する機会を得た。

さて、どんなスペシャルモデルに仕上げられているのかと試乗に出掛ける前にスペックを確認すると、

「量産の制約を外した、究極の仕様・性能のモデル」。車両価格1500万円。これまた大きく出たものだと思ったが、そのスペックはかなりガチな雰囲気。一気に試乗が楽しみになった。

RZよりエンジン出力を高めており最高出力は441psを発生

まずエンジン。吸気音を低減するためのレゾネーターを廃止し吸気経路の最適化。低排圧触媒の採用。そしてECUの最適化により最高出力は378ps/5800rpmから441ps/6000rpm。最大トルクは500Nm/1600-4500rpmから571Nm/4500rpmへと大幅なパフォーマンスアップ。

パワーアップに対し冷却系はしっかり強化されている。一時は廃止されていたサブラジエターを復活させ、ラジエターファンの出力アップ、そしてエンジンフードには熱を逃すためのエアアウトレットを追加。

そしてオイルパンにはオイルの片寄りを防ぐバッフルプレートが追加され、デフカバーの冷却フィンは大型化。そしてサウンドと軽量化のためにアクラポヴィッチ製のチタンマフラー採用と走る気満々仕様だ。

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アクラポヴィッチ製のチタンマフラーを装着しており綺麗な音色を奏でる

その加速フィールは絶品! 旧型RZに対し2ランクアップした印象。しかもビックタービンに変更したパワーアップではないから低回転域のレスポンス低下などマイナス面が無いところも有り難い。

電子スロットルの特性も素晴らしく、パワーを持て余すような低速コーナー立ち上がりでもコントロール性抜群。そのままレッドゾーンが始まる7300rpmまで澱みない加速が続く。しかも音が最高!

車外も決して爆音ではないワインディングを走らせたくなるような快音なところが素晴らしい。

この大幅な動力性能アップに対し、ブレーキも大幅にキャパアップ。真っ赤に塗装されたブレンボ製の4ポッドキャリパー、従来型RZに対し2インチアップの19インチにサイズアップされたドリルドローターはフローティングタイプ。

高μのブレーキパッド、そしてブレーキホースはステンメッシュへと変更されている。

試乗を務めた大井氏

このブレーキ、制動姿勢に関してはフロント-10mm、リア-20mmと若干リア下がりに変更された車高バランスや空力パーツの効果も手伝って、エンジンブレーキ+αのブレーキングでも、ABSが作動するレベルのハードブレーキでもコントロール性抜群。

しかも連続走行に耐える持続力もある。これはもうスーパースポーツカークラスじゃなければ味わえないレベルの性能だ。

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パーツ類も豪華仕立て

サスペンションはKW製も減衰力式を採用

そして、何より驚いたのがボディと足回り。見た目はまるっきりアフターパーツの車高調はKW製。伸び側16段階、縮み側12段階の2wayダンバーでバネレートは標準車に対し約2倍。

スタビはアイバッハ製のハイレートに変更。要は車高も減衰力もキャンバーもコースや装着タイヤに応じてカスタマイズが可能だということだ(ちなみに今回の試乗はもちろん、ニュルブルクリンクにおけるテストでも車高や減衰力設定は出荷状態)。

ここで注目すべきは、各部が強化ブッシュやピロボールに変更され、スタビのブラケットも剛性の高いパーツに変更。リアのサブフレームはアルミリジットマウント!

床下やエンジンルームには補強バーが追加されていたり、薄いプレス物が強固なバーに変更されているなど、徹底的な固める系チューニング。

冷却系強化のためのサブラジエターの追加(コアはアルミでも中身も配管も冷却水で満たされるからそれなりに重い)、強固だが重いブレース、ラゲージクロスバー、そして2インチも大径化されたブレーキローターによりトータル30kgの重量増となった。

その一方で、カーボンシェルのフルバケットシート、チタンマフラー、軽量ホイールというドレスアップにも繋がるパーツで相殺するセンスが素敵だ。

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サーキットで全開試乗!! 評価は?

サーキットで意のままに応えてくれるフィーリングはレーシングカーそのもの

強靭な足回りとボディを手に入れたA90ファイナルエディションはドライバーの意のままに走る。

袖ヶ浦フォレストレースウェイの1コーナー手前には足回りとABSの性能を試すような段差があり、段差を超えるまでブレーキングを我慢しないとABSが強く作動し充分な制動力を得られなくなる危険がある。

だが、ギャップによる接地性の乱れが起きず安定した制動が出来るA90ファイナルエディションには1コーナー進入の失敗がない。

続く2コーナーは袖ヶ浦で最も危険な高速コーナー。路面にはうねりがあるうえ進入が上り勾配でクリップから先が下りという難易度の高い高速コーナー。ここを攻められるか否か、スポーツカーとしての真贋が問われるコーナー。

A90ファイナルエディションはこのコーナーを4速全開で立ち上がれる安定性を発揮し、スピードメーターは150キロを下回ることなくクリア。

しなやかな足、強靭なボディ、エアロもタイヤも素晴らしく良い仕事をしているが、高Gが掛かる環境でドライバーが正確な仕事が出来るのは、体にフィットし剛性が高いカーボンシェル・フルバケットシートのお陰なのだ。

操舵力が軽くなったEPSも好印象。A90ファイナルエディションには走るために無駄だと感じる変更点がひとつも無い。

試乗中のラップタイムは1分12秒台。他の媒体が5Lap×2本の全開試乗を行った後の走行で12秒台のラップが出来るクルマはそうそう無い。走りのテイストはGT4カテゴリーのレーシングカーそのものだ。

8ATのGT4レーシングカーに対しA90ファイナルエディションは6MTのみの設定というのも、トヨタ、そして開発陣からのメッセージが込められているように感じる。

単に速いだけではない本物の走りが与えられているA90ファイナルエディション、1500万円はバーゲンプライスだ。

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