スポーツモデルは痛快な走りを可能した1台だった
現在でこそどこのディーラーでも全車種が購入できるようになったトヨタですが、つい最近まで販売チャンネルごとに取り扱い車種が異なっており、同じトヨタ車であってもその車種を取り扱っている販売店に足を運ばなければなりませんでした。そのためトヨタには兄弟車と呼ばれる、基本メカニズムは共通ながら車名や一部デザインが異なるモデルが多く存在し、「マークII 3兄弟」などはその最たるものでした。
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カローラランクスの兄弟車だったアレックス
全車取り扱いとなった現在でも、「ノア」と「ヴォクシー」、「アルファード」と「ヴェルファイア」のように兄弟車関係のまま販売されている車種もあるが、これらは同一店舗で取り扱うようになったことで、よりそれぞれのキャラクターに違いを持たせているのが特徴だ。
ただ過去の兄弟車の中にはネームバリューの違いなどから、仕様はほとんど同一ながら日陰の存在となってしまった車種も存在する。今回ご紹介する「アレックス」などはその最たるものではないだろうか。
2001年1月に新規車種として登場したアレックスは、5ナンバーサイズの5ドアハッチバックという実用的なパッケージを持っていたが、じつのところは2000年に登場した9代目「カローラ」のハッチバックモデルである「カローラランクス」の兄弟車となっていた。
カローラの兄弟車としては8代目モデルまでネッツ店(旧オート店)向けに「スプリンター」が存在していたが、9代目モデルではスプリンターが消滅することとなった。その代わりにネッツ店向けにあてがわれたのがアレックスというわけである。
カローラランクスとの違いはごくわずかで、フロントグリルの形状がランクスが格子状であるのに対し、アレックスが横バーとなっている程度で、搭載エンジンから同等グレードの価格まで、同一となっていた。
そんなアレックスは、最量販グレードの1.5Lエンジンを搭載したXS150系グレードと、190psを発生する2ZZ-GE型1.8Lエンジンを搭載するRS180系の2種類でスタート。
ホットモデルのRS180系では6速MTが選べたほか、エアロパーツに大径フロントベンチレーテッドディスクブレーキ&リアディスクブレーキ、スポーツサスペンションなどがおごられており、痛快な走りを楽しむことができるモデルとなっていた。
マイナーチェンジでは1ZZ-GE型エンジンを搭載
そして2002年9月のマイナーチェンジ時には、RS180系と同じ1.8Lの排気量ながら、スポーツ性よりも実用性を重視した1ZZ-GE型エンジンを搭載したXS180系を追加。こちらは4速ATのみのラインナップで、ゲート式のチェンジレバーや茶木目調のセンタークラスターパネルなどを備えた上級仕様という位置づけとなっている。
その後アレックスはカローラランクスとともに2006年10月まで販売が続けられ、ベースとなったカローラがフルモデルチェンジを実施したタイミングで終売となった。
結局アレックスはカローラランクスともども1世代のみのモデルとなり、実質的な後継車種として「オーリス」が登場したが、カローラの名前を冠していなかったからか、ネッツ店専売となっていた。
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みんなのコメント
58万~とはアレックスですらプレミア価格がついて値上がっているとは……。