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あの「クラウン」が生産終了!? セダン離れのなか それでも超高級車のセダンが登場する理由

掲載 更新 23
あの「クラウン」が生産終了!? セダン離れのなか それでも超高級車のセダンが登場する理由

■世界的なセダンの人気低迷 そもそもセダンとはなにか

 最近になって「セダン」にまつわる話題は、どうにも逆風的なものが多いようだ。

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 フォードは北米でのセダン販売撤退の方針を明らかにしているし、トヨタ「クラウン」も、次世代モデルはセダン以外のボディタイプになるという報道も見られる。実際に、日本国内のセダンの販売はずっと低調のままだ。

 しかし、2020年9月に欧州で世界初公開されたメルセデス・ベンツの象徴的存在である新型「Sクラス」は、セダンのスタイリングで登場した。

 また「メルセデス-マイバッハSクラス」やレクサス新型「LS」など、いわゆる高級モデルは相変わらずセダンのスタイルを踏襲している。

 いったいセダンは、今後は廃れていくのか、それとも生き残るものなのか。今回はセダンの存在意義や超高級モデルでセダンがいまだに支持される理由を考えてみたい。

※ ※ ※

 まず、セダンとはなんなのか? その定義を考えてみよう。

 一般的には「固定ルーフ」「前後2列のシートで4~6人乗車」「ドアは4枚」「独立した荷室(トランクルーム)がある」といったものになるだろう。

 オープンカーやカブリオレではなく、2枚ドアのクーペではなく、ハッチバックでもない。つまりは、誰もが最初にイメージするであろうという格好だ。英国風にいえば「サルーン」、ドイツ風で「リムジン」、フランス風には「ベルリーヌ」、イタリア風で「ベルリーナ」だ。

 ポイントとなるのは、乗員のいる居住空間(キャビン)とは別に荷室(トランク)を後ろに備えていることだ。そのため、エンジンと居住空間、荷室(トランク)を、それぞれボックスと数えて、セダンを3ボックスと呼ぶこともある。

 ちなみに居住空間(キャビン)と荷室(トランク)をひとつに合わせて、後ろにドアをつけたものが2ボックス、またはハッチバックやステーションワゴンと呼ばれる。

 基本的に乗用車の普及は、ミドルサイズ以上ではセダン、小型車ではハッチバックからスタートしている。日本でいえば、最初の本格的な日本車であるクラウンはセダンであったし、ベストセラーカーであるカローラもセダンが基本だ。また、軽自動車やコンパクトカーも同じように、ハッチバック主体で普及が進んでいる。

 しかし、モータリゼーションが進み、ひと通りにクルマが人々の間に行き届くと、次のクルマとしてセダンやハッチバック以外に目がゆく。

 日本でいえば1970年からのスペシャリティカー人気や、1990年代のRVブーム、その後のミニバンの人気、そして最近のSUVトレンドなど、クルマの普及の歴史は、ボディタイプ増加の歴史といってもいいだろう。

■高級ブランドのフラッグシップがセダンを続ける理由

 ちなみに、近年になってモータリゼーションがスタートした中国でも、状況は日本と似たようなものだという。中国人が最初に購入するのがセダンであり、その後に2台目のクルマとして注目を集めているのがSUVであるというのだ。

 日本の場合、人口というクルマを購入する受け皿のサイズが年々減少している。いわゆる少子高齢化の結果だ。

 人口というパイが小さくなるなかで、ボディタイプが増えてゆけば、当然のこと、もとからあるセダンの台数は減っていくのが当然かもしれない。日本におけるセダン販売の低調さは、そうした全体の流れが背景にあるといっていいだろう。

 では、このままセダンが消えてなくなってしまうのか? というと、高級ブランドによるセダン踏襲のスタンスを見る限り、それはないといえるのではなだろうか。数は減るかもしれないが、消えてなくなることはないということだ。

 では、高級ブランドがなぜセダンを守り続けているのだろうか。

 その理由は、セダンというボディタイプの特性にあるといえるだろう。セダンの特徴といえば、荷室(トランク)が居住空間(キャビン)と別になっていることだ。これが何を意味するのかといえば、乗員と荷物は同じ空間にないということ。これは重要なポイントだ。

 そして、荷物とは、もともときれいな物であるとは限らない。汚れていたり、埃っぽかったり、下手をすると臭いこともある。それが乗員と同じ空間にあるのは嫌だと思うもの。

 そうした考えは、クルマが高級になればなるほど、フォーマルな使い方をするほどに強くなっていくのは当然のことだろう。

 また走行性能を考えたときに、セダンは背の高いミニバンやSUVよりも上になる。クーペやカブリオレと比べると、セダンは走行性能に不利かもしれないが、そちらに対しては、セダンは快適性が上となる。つまりセダンは、走行性能と快適性のバランスが良いのだ。

 フォーマルさや走行性能と快適性などを鑑みたとき、もっともバランスよく実現できるボディタイプがセダンなのである。だからこそ、セダンの販売が低調とはいえ、高級ブランドほどセダンから離れることが難しいのだろう。

 軽自動車やコンパクトカー、SUV、ミニバンのシェアが高まる日本においては、セダンという存在は、もはやそういった高級車にしか残らない可能性はある。

 そして高級車は、数多く売れるものではない。高級車と数多く売りたいという思惑のはざまで、いま苦悩しているというのがクラウンなのではないだろうか。

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みんなのコメント

23件
  • クラウンは若者ターゲットして失敗したのかなぁ
    若者ターゲットしておじさん達にそっぽむかれ
    若者ターゲットの割に価格が高いし若者の車離れなど
    踏んだり蹴ったりになってしまった
    そしてレクサスにおじさん達がいってしまうし
    おじさん達が好むクラウンらしさがデザインからなくなって
    歴代クラウンらしさを戻して復活して欲しいなぁ!
  • ターゲットを完全に見失った結果だと思います、価格面で言えば若い世代が購入出来る価格とは言えず、スタイルの面では長年クラウン乗り継いできた世代からは敬遠される。「フラッグシップサルーン」等と船に例えられるがセンチュリーが旗艦たるフラッグシップならばクラウンはそれを囲む形で随伴する重要な役割のはず、ならば「セダンらしいセダン」の威風堂々たるスタイル、「セダンの王道」を進むべきだったと思います。本物の軍艦と同じです、旗艦たる船のすぐ側に韋駄天の軽巡洋艦や駆逐艦はいませんよね、旗艦の回りは戦艦や重巡洋艦が基本ですから。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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