半導体不足の影響などからRZも限定販売に
トヨタ伝統のグローバルモデル「カローラ」のハイパフォーマンスバージョンといえる「GRカローラ」の発売時期とメーカー希望小売価格が発表されました。当初は通常販売される予定でしたが、半導体不足などの状況を鑑みて、525万円の「RZ」グレードは500台の限定販売でローンチするということです。
またスタンダードなRZグレードは乗車定員5名となっていますが、後席を廃したスパルタン仕様の「モリゾウエディション」は715万円で、70台の抽選販売となることも発表されました。
>>GRカローラの抽選申込がスタート。RZは500台、モリゾウエディションは70台限定、525万円から
モリゾウエディションは、最大トルクを標準車に対して太らせたほか、ギアのつながりに有利なクロスミッションを搭載するなど、かなりユーザーを選ぶ仕様です。
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525万円なら性能を考えるとGRヤリスよりお買い得
そこで、ここでは一般向けといえるGRカローラ“RZ”グレードを中心にライバル車と比較した際のコスパの良さについて検討していきたいと思います。
2022年6月にGRカローラの概要については発表済みですが、あらためてプロフィールを整理すると、車体の基本はグローバルモデルでいうところのカローラスポーツ(5ドアハッチバック)。そこにGRヤリスでもおなじみの1.6L 3気筒ターボエンジンをインストール、駆動系も同じくGR-FOURと呼ばれる電子制御4WDとなっています。トランスミッションが6速MTだけの設定というのもGRヤリスと共通ですが、エンジンの最高出力はGRヤリスの272馬力に対して304馬力まで向上しているのが大きな違いといえます。
エンジンをパワーアップしても、ロングホイールベース&ワイドトレッドなボディを得たことでしっかりと受け止めることができるようになったと理解できます。すなわち、コーナリング性能などはGRヤリスに対してGRカローラが大きなアドバンテージを有していることも容易に想像できるところでしょう。
GRヤリスのRZグレードが396万円ですから、そう考えるとGRカローラの525万円は適正に思えますし、むしろコストパフォーマンスが高いようにも感じます。
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シビック タイプRと比べると割高にも感じる
では、想定されるライバル車の最高出力や価格帯と比較してみるとどうでしょうか。
1.6Lクラスのスポーツ4WD車という括りでは、国産にライバルは不在ですが、パフォーマンスと価格帯を考えると、FF世界最速を目指した「ホンダ シビックタイプR」はGRカローラのライバルといえそうです。
そもそもカローラとシビックは世界的にみれば同じCセグメントのモデルですから、そのエボリューション的モデルもライバルと捉えるのが自然です。
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そしてGRカローラとシビックタイプRを比べると、GRカローラは割高に感じてきます。4WDとFFでは駆動系のコストがまったく異なるので、そこを無視して単純比較するのはアンフェアだとは思いますが、それでもシビックタイプRは330馬力の2.0L 4気筒ターボエンジンを積んでいながら499万7300円となっているのです。
2.0Lターボ搭載のゴルフRと比べてみると…
300馬力を超えたエンジンの、ピークパワーが違うというのは現実的にはナンセンスで、カタログスペックにこだわるユーザーだけが気にする要素かもしれませんが、それでも若干ながら低価格のシビックタイプRのほうがパワフルなのは厳然たる事実です。
輸入車でいえば、Cセグメントのベンチマークといわれる「フォルクスワーゲン ゴルフ」のハイパフォーマンスグレードであるゴルフRがライバルとなるでしょう。こちらもエンジンは2.0L 4気筒ターボで、最高出力は320馬力。駆動方式はフルタイム4WDとなり、後輪のトルクベクタリング機構も備えているものです。
こちらのメーカー希望小売価格は639万8000円。単純にいうとGRカローラのほうが100万円以上お安くなっていますが、エンジンの違いを考えると妥当な価格差とも感じます。むしろGRカローラが割高に見えてくるのは、筆者だけでしょうか。
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新車価格がインフレ状態になっている!
GRカローラの値付けは様々な要因で思うように生産ができない中で、新車価格がインフレ状態となっていることをしみじみと感じさせれます。
思えば、2019年にスバルが販売した「WRX STI」のファイナルエディションは、バランス取りされた専用エンジンを積んでいながら、その価格帯は452万1000円~485万1000円でした。当時は、国産2.0Lターボのスポーツ4WDモデルに500万円近い価格を払うなんて……と感じた人もいたでしょうが、たった3年で1.6Lターボのスポーツ4WD車の価格が500万円を超えるようになったわけです。
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文:山本 晋也
写真:GRカローラ
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