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なぜ日本市場は後回し? スバルが新型「レガシィ」を北米優先で発売するのか

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なぜ日本市場は後回し? スバルが新型「レガシィ」を北米優先で発売するのか

■なぜ新型「レガシィ」は北米が優先されるのか?

現在のスバル車では、SUVの「フォレスター」や「XV」の人気が高いですが、伝統ある主力車種といえば「レガシィ」でしょう。

スバル新型「レガシィ」 すべて一新した7代目モデルが世界初公開

現行レガシィでは、「ツーリングワゴン」が廃止されて後継車種の「レヴォーグ」に切り替わりましたが、SUV風の「アウトバック」とセダンの「B4」は健在です。

そしてフルモデルチェンジを受けた7代目となる新型レガシィの生産が、2019年7月に北米で開始され、2019年秋に発売されます。新しいプラットフォームを採用して、走行安定性と乗り心地を向上させています。

安全装備も進化して、ドライバーの状態をチェックできるドライバーモニタリングシステムなども採用しました。このニュースを聞いて、新型レガシィを買おうと考えた人もいるでしょう。

ところが日本では、2019年9月にレガシィの一部改良が発表され、11月より発売されるといいます。数か月遅れでも北米と同じ新型にフルモデルチェンジするなら理解できますが、日本は一部改良ですから、今後も従来型を売り続けるということです。

今回の一部改良の内容は、新しいグレードやボディカラーの追加、アウトバックは走破力を高める「Xモード」の改良など多岐にわたります。そうなると、少なくとも1年間はフルモデルチェンジをおこなわずに従来型を売ることになります。

なぜ北米で新型レガシィを発売しながら、日本では改良を施した従来型を売るのでしょうか。

スバルの関係者に尋ねると、次のように説明しています。

「従来型のレガシィは、北米と日本でほぼ同時にフルモデルチェンジをおこなってきましたが、今回は時間差が生じます。

同じレガシィでも、北米仕様は北米を中心に原材料やパーツなどの調達をおこない、日本仕様はすべて日本が中心です。つまり同じ車種でも、開発や生産の状況が違うわけです。

また、レガシィの北米仕様と日本仕様では設計の異なる点も多く、日本は北米に比べて遅れて発売されることになります」

※ ※ ※

日本と北米でほぼ同時に発売するには、右/左ハンドル仕様なども含めて、開発も並行して進める必要があります。その分だけ発売されるまでに時間を要しますが、北米仕様を重点的に開発すれば、北米に関しては先行して発売できます。

つまりレガシィに関して、スバルは北米を優先させて、日本は後まわしにされたわけです。

また、レガシィツーリングワゴンの後継として発売されたレヴォーグも、2020年には2世代目にフルモデルチェンジされる予定です。もはやレガシィは日本の主力車種の役割を終えて、海外中心の商品になり、国内との決別宣言が日本における従来型の継続販売とも受け取られるでしょう。

日本のクルマ好きにとっては寂しい話で、歴代レガシィを乗り続けたファンは怒るかも知れません。

■初代「レガシィ」から進化し続けたスバルのGT思想とは?

このような状況のなか、歴代レガシィと現行レヴォーグを改めて試乗する報道試乗会がスバルによって開催されました。通常の報道試乗会は新型車が中心で、過去のクルマを試乗するのは珍しいことです。

主催したスバルによると、「2019年は初代レガシィの誕生から数えて30周年です。スバルのGT思想(グランドツーリング思想/長距離を快適に移動するクルマ造りの考え方)の進化を改めて体感してもらうために、このような機会を用意しました」といいます。

個人的には「スバルのGT思想の進化をアピールするなら、現行レガシィも北米と同じ新型にフルモデルチェンジするべき」と思いましたが、初代「レガシィツーリングワゴンGTタイプS2(1993年式)」に試乗すると、意外に良くできたクルマであることがあらためて分かりました。

この初代レガシィは、スバルが中古車を購入して、その価格以上の金額を投入してレストアしただけあって、ボディの疲労はほとんど感じません。乗り心地にも粗さはありませんでした。低速では硬めで速度が高まると快適になる感覚は、現在のスバル車とも共通しています。

操舵感は、ステアリングホイールを回し始めたときの反応が現行スバル車に比べると鈍めで、車線変更をするときはボディの重さを感じますが、それでも高速道路や峠道を不安なく走れました。

また、設計の古いターボ車の場合、アクセルペダルを踏み込んだ後に若干の時間を経過してから動力性能が高まる傾向が見られます。

試乗した初代レガシィは、このターボのクセも上手に抑えていました。排気量が2.5リッター前後の自然吸気エンジンに近い感覚で運転できました。このようにレガシィは、初代モデルから、スバルのGT思想に基づいて快適な乗り心地と余裕のある走行性能を兼ね備えていたわけです。

さらに4代目「レガシィツーリングワゴン 2.0iアドバンテージライン(2008年式)」にも試乗しました。この4代目から、レガシィツーリングワゴンとB4のボディサイズが拡大されて、3ナンバー車になっています。

4代目レガシィの登場は2003年なので、実質的に16年前のクルマですが、違和感なく運転できました。初代レガシィで感じた操舵したときの反応の鈍さも解消されています。

また、取りまわし性は現在のクルマよりも優れています。3ナンバー車といっても全幅は1730mmに収まり、水平基調のボディによって、前後左右ともに視界が良好です。混雑した街中や駐車場では、現行「インプレッサスポーツ」よりも運転しやすいと感じました。

このほか4代目レガシィでは、横滑り防止装置やカーテンエアバッグも採用され、安全性を高めています。いまでは進化したアイサイトも含めて、優れた安全性はスバル車を支える大切な柱になっています。

※ ※ ※

レガシィツーリングワゴンのDNAを受け継いだレヴォーグは、2019年10月24日から一般公開される東京モーターショー2019で、新型モデルのプロトタイプが世界初公開されます。

レヴォーグは、現在では欧州やオーストラリアでも販売されていますが、2014年の発売当初は国内専用車として日本市場向けに開発されたモデルでした。

いまでもレヴォーグは国内市場を重視し、スバルが大事に育てているモデルといえるでしょう。そのため、新型モデルの世界初公開も日本でおこなわれるというわけです。

2020年に登場するといわれている新型レヴォーグは、新しいプラットフォームや新エンジンが採用され、性能が大きく向上するようです。新型レヴォーグがどのようなモデルに進化するのか、期待したいです。

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