現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 昔の日本車にやたらとグレード数が多かったのはアメリカ車の影響!? そもそもなぜ数多くのグレードが必要だったのか

ここから本文です

昔の日本車にやたらとグレード数が多かったのはアメリカ車の影響!? そもそもなぜ数多くのグレードが必要だったのか

掲載 10
昔の日本車にやたらとグレード数が多かったのはアメリカ車の影響!? そもそもなぜ数多くのグレードが必要だったのか

 この記事をまとめると

■ひと昔前の国産車には装備やエンジン違いなどかなりのグレードが存在していた

軽トラマニアもスバリストも狂喜する1台! ある意味ワークスチューンの軽トラ「赤帽サンバー」が凄い

■グレードの豊富さは主にアメリカの自動車メーカーの影響が大きかったと言われている

■最近では欧州ブランドを参考にした面もあり、グレードの数が減りつつある

 装備は二の次でいいからハイパワーなエンジンがほしい!

 日本では排気量に応じて課税額が決まる「自動車税」というものもあり、長い間「排気量が大きいほど高級車」といったようなイメージが強く持たれていた。そして、排気量の大きい車種の売れ筋モデルはまさに豪華な内容であった。

 昭和のほとんどの時期はクラウンやセドリックといったクルマでも5ナンバーサイズのボディとなっていた。搭載エンジンも2リッター直6が一般的であり、1970年代後半ぐらいになると、上級エンジンとして2.6リッターや2.8リッターの直6エンジンがラインアップされるようになった。排気量が2リッターを超えるので3ナンバーとなるのだが、大きいバンパーを装着してボディサイズも3ナンバーサイズにしたりもしていた。

 しかし、それでも“ロイヤルサルーン”や、“ブロアム”といった高級グレードがある一方で、“スタンダード”や“デラックス”といった装備が簡素ながら2リッター直6エンジンを搭載するグレードも用意されていた。トヨタ・マークIIの4代目では、売れ筋のグランデあたりは直6エンジン搭載となるのだが、パワーウインドウまで装備しない簡素な装備の6気筒エンジンを搭載するLEといったグレードがあるかと思えば、2リッターでも4気筒エンジンを搭載しながらLEと同じような装備内容のGRや、1.8リッター4気筒エンジンを搭載するSTD(スタンダード)もラインアップされていた。

 つまり、売れ筋としてはラグジュアリーグレードが圧倒的に多かったのだが、とくに「装備は簡素でもいいから2リッター6気筒エンジン搭載車が欲しい」といったユーザーなどにも対応したラインアップになっていたのである。このような動きはアメリカの流れが影響していたようだ。

 アメ車も日本車と同じようなグレード体型だった

 アメリカでもセダンにおいては、ボディサイズが大きく大排気量V8エンジンを搭載するキャデラックやリンカーン、そしてそれよりはランクが落ちるもののビュイック、オールズモビル、マーキュリーといったラグジュアリー色の強いブランドにもフルサイズセダンがラインアップされていた。

 しかし、シボレーやフォード、ダッジ、プリマスといった量販ブランドでも、見た目はキャデラックのような豪華さを全面に押し出したキャラクターではない、実用性を重視したフルサイズセダンがラインアップされていた。アメリカで自動車関係のアナリストをしていたスコットランド人に当時の話を聞くと、「豪華だから大排気量車を買う人がいる一方で、必要だから大排気量車を買う人もいる」と実用性を重視しながら、大排気量V8エンジン搭載車に乗る人もいると教えてくれた。

 広大な国土を持つアメリカで、大陸横断は大げさでも長距離移動する機会が多い人ならば、やはりボディが大きく、大排気量V8エンジン車のほうが疲れにくいので選びたいところだが、華美な装備がいらないという人もいるということになるらしい。

 そんなアメリカ車も、いまや2リッターや2.5リッターあたりの直4エンジンを搭載するモデルばかりとなっており、日本車に近い存在となってしまった。

 昭和のころの日本の高級セダンと言うのは、アメリカ車を意識したクルマ作りが目立ち、搭載エンジンは2リッター直6あたりが限界となっていたが、その存在感や柔らかい乗り心地など、アメリカ車からインスパイアされた部分が多く見受けられた。そのため、前述したようにアメリカ車のアメリカでのラインアップを見て、「6気筒エンジンでも簡素なグレード」というものも存在していたようなのである。

 1980年代半ばあたりまでは、日本でも芸能人やプロスポーツ選手、資産家などは大きなアメリカ車に乗っていたが、その後トレンドがメルセデス・ベンツなどの欧州高級車に移っていく。欧州車は同一車種内で幅のあるワイドグレード構成といったことはまずない。クルマ作りのトレンドが欧州車へシフトすると、日本車もそれまでよりはグレード数も絞り込まれるモデルが目立つようになった。

 以前より装備差はなくなってきているものの、複数のグレードを用意するモデルがいまだに多いのは、そもそも日本車はアメリカ車の影響を受けながら成長してきたという過去の名残りなのかもしれない。

文:WEB CARTOP 小林敦志
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

トヨタ『ヤリスハイブリッド』、MKチャリティカップ優勝副賞を福祉施設へ寄贈
トヨタ『ヤリスハイブリッド』、MKチャリティカップ優勝副賞を福祉施設へ寄贈
レスポンス
「万葉の歌に導かれてサイクリング」 富山県高岡市で出会う歌と景色は特別な体験!!
「万葉の歌に導かれてサイクリング」 富山県高岡市で出会う歌と景色は特別な体験!!
バイクのニュース
世界初になる「自動運航の“フェリー”」に乗った! 車の自動運転と全然違う! 「海の銀座」瀬戸内海でレベル4相当
世界初になる「自動運航の“フェリー”」に乗った! 車の自動運転と全然違う! 「海の銀座」瀬戸内海でレベル4相当
乗りものニュース
トヨタ「最新・最安ランドクルーザー」が凄い! ガバっと開く“観音開きドア”&「リッター10キロ超え」のパワトレ採用! 最上級より「330万円以上オトク」なナナマルに注目!
トヨタ「最新・最安ランドクルーザー」が凄い! ガバっと開く“観音開きドア”&「リッター10キロ超え」のパワトレ採用! 最上級より「330万円以上オトク」なナナマルに注目!
くるまのニュース
HRCがミズノとパートナーシップ契約を締結。2026年からホンダ初の二輪/四輪の統一ユニフォームで世界のレースに参戦
HRCがミズノとパートナーシップ契約を締結。2026年からホンダ初の二輪/四輪の統一ユニフォームで世界のレースに参戦
AUTOSPORT web
三菱『デリカD:5』新型発売、価格は451万円から…SUVとミニバンが融合「三菱らしさ」武器に
三菱『デリカD:5』新型発売、価格は451万円から…SUVとミニバンが融合「三菱らしさ」武器に
レスポンス
『イタリア発 大矢アキオ ロレンツォの今日もクルマでアンディアーモ!』第63回【Movie】──アルファ・ロメオ115周年祭リポート! 若者アルフィスタは「年上」がお好き?
『イタリア発 大矢アキオ ロレンツォの今日もクルマでアンディアーモ!』第63回【Movie】──アルファ・ロメオ115周年祭リポート! 若者アルフィスタは「年上」がお好き?
くるくら
トヨタ「GR GT」「GR GT3」を一般初公開&世界初デモラン披露! ハチロク・スープラ向け復刻パーツも【東京オートサロン2026】
トヨタ「GR GT」「GR GT3」を一般初公開&世界初デモラン披露! ハチロク・スープラ向け復刻パーツも【東京オートサロン2026】
くるくら
初代デボネア以上の超ロングライフモデルになるのか!?──新型三菱デリカD_5詳報
初代デボネア以上の超ロングライフモデルになるのか!?──新型三菱デリカD_5詳報
GQ JAPAN
世界のクルマのなかでも特異なポジションを突き進む──新型三菱デリカD_5詳報
世界のクルマのなかでも特異なポジションを突き進む──新型三菱デリカD_5詳報
GQ JAPAN
価格約54万円! 原付二種のフルサイズ・オフ車が待望のデビュー! ヤマハ「WR125R」1月発売
価格約54万円! 原付二種のフルサイズ・オフ車が待望のデビュー! ヤマハ「WR125R」1月発売
バイクのニュース
踏切事故防止へ、名鉄がAI画像解析とETC2.0で車両に直接注意喚起…全国初の実証実験
踏切事故防止へ、名鉄がAI画像解析とETC2.0で車両に直接注意喚起…全国初の実証実験
レスポンス
「デリカD:5」19年目の大変身! “新4WDシステム”搭載の改良型まもなく発売へ 外観も“プチ整形”しました!
「デリカD:5」19年目の大変身! “新4WDシステム”搭載の改良型まもなく発売へ 外観も“プチ整形”しました!
乗りものニュース
「もう軽に見えない!」ホンダ新「N-BOX」発表に“反響殺到”!「ここまでやるか…」「重厚感すごいな」の声も! 軽ハイトワゴン“絶対王者”に新登場の「めちゃクロ」仕様! 特別な「ブラックスタイル」とは!
「もう軽に見えない!」ホンダ新「N-BOX」発表に“反響殺到”!「ここまでやるか…」「重厚感すごいな」の声も! 軽ハイトワゴン“絶対王者”に新登場の「めちゃクロ」仕様! 特別な「ブラックスタイル」とは!
くるまのニュース
起毛感ある“ポニーヘアレザー”がアクセント! ブーツとスニーカーを“いいとこ取り”したナイキ「エアマックス ゴアドーム」の新色は何が魅力?
起毛感ある“ポニーヘアレザー”がアクセント! ブーツとスニーカーを“いいとこ取り”したナイキ「エアマックス ゴアドーム」の新色は何が魅力?
VAGUE
パナソニック、AI×UXで実現する「移ごこちデザイン」体験ブース出展へ…東京オートサロン2026
パナソニック、AI×UXで実現する「移ごこちデザイン」体験ブース出展へ…東京オートサロン2026
レスポンス
レクサス「“新”FRスポーツカー」“公開”され話題に! 美麗「クーペボディ」採用×高性能「V8」エンジン搭載のスペシャルED「に美しい」「存在感際立つ」声も! 迫力ウイングもイイ豪州「LC500」とは
レクサス「“新”FRスポーツカー」“公開”され話題に! 美麗「クーペボディ」採用×高性能「V8」エンジン搭載のスペシャルED「に美しい」「存在感際立つ」声も! 迫力ウイングもイイ豪州「LC500」とは
くるまのニュース
ヴァレオ、超高効率EVプラットフォームなど次世代技術発表へ…CES 2026
ヴァレオ、超高効率EVプラットフォームなど次世代技術発表へ…CES 2026
レスポンス

みんなのコメント

10件
  • zab********
    マークⅡ、クレスタ、チェイサーにも、4気筒の1800ccの安いグレードありました♪、同じクラウン、セド、グロ、ローレルにも…っていうか、昔は自動車学校の教習車にこれらの車が使われていたから、そんな需要に応じたんでは? しかし、「バッジチューン」というか、安いグレードの車に、TWINCAM24VALVEとか、マークⅡGRANDEとか、スーパールーセントのバッジ付け替える人もいたな…(笑)
  • motorider
    たしかにグレードは多かったが、売れ筋のグレードは決まっていたので(私の考えでは)ユーザーに選ぶ楽しみを与える為だったのでは?スーパーの食料品売り場を見ても品揃えの多いお店は買い物を楽しめる様な気がします。最上級グレードのひとつ下のグレードに欲しいオプション付けて買うのが賢い買い方だとクルマ雑誌にありました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

246 . 8万円 354 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19 . 8万円 639 . 0万円

中古車を検索
トヨタ マークIIの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

246 . 8万円 354 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

19 . 8万円 639 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村