大阪メトロの挑戦
「ウォークスルー改札」という言葉が近年、大きな注目を集めている。
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現在、改札を通過する際には、バッグやポケットからスマートフォンや交通系ICカードを取り出し、自動改札機の認識パッドにかざす必要がある。JR東日本ではこの方式を「タッチアンドゴー」と呼んでいるが、各鉄道事業者は今後、段階的にウォークスルー改札へ移行する計画を進めている。
なかでも先進的な取り組みを見せているのが大阪メトロだ。2019年度から試験導入してきた顔認証式ウォークスルー改札が、本格導入の段階に差し掛かっている。この大阪メトロの試みが成功すれば、JR東日本の新Suica構想にも影響を与える可能性がある。
顔認証式ウォークスルー改札
最近、海外旅行をした人なら、日本の空港で顔認証式通過ゲートがすでに導入されていることを知っているだろう。
パスポートのプロフィールページを読み取り部分に置き、カメラに顔を向けると、システムが認識し、ゲートが開く。そこに審査官はおらず、ストレスフリーな出入国がすでに実現している。
鉄道の顔認証式ウォークスルー改札は、それよりもさらに動作が少なく、利便性が高い。「何かを取り出す」という動作を完全に省略し、利用者はただ歩くだけで改札を通過できる。その光景は、もはやシュールですらある。
大阪メトロは、2019年度にまず社員を対象とした実証実験を開始。その後、2022年度には車椅子利用者向けの実験を行い、2023年度末から翌年度6月までは体験モニターを募集した実験を実施。そして2024年度末には、大阪メトロ全駅で本格導入する計画だ。
「ウォークスルーコンビニ」も登場
顔認証式ウォークスルー改札は、実店舗のウォークスルー化も促している。
024年11月13日、大阪メトロ御堂筋線なかもず駅に「S Lawson Go OSLなかもず駅店」がオープンした。ウォークスルー決済を導入した無人コンビニで、利用者は専用アプリに表示されるQRコードをかざして入口ゲートを通過し、そのまま入店。商品を手に取り、出口ゲートを通過すると、アプリにひもづけられたクレジットカードから利用代金が自動で引き落とされる仕組みだ。
大阪メトロのウォークスルー改札とは異なるシステムを採用しているが、「改札がウォークスルー化するなら、コンビニも」という流れが生まれ、こうした店舗の誕生につながったことは間違いない。
新Suica構想に「西からの影響」が?
顔認証式ウォークスルー改札は、JR西日本の駅でもすでに導入が進んでいる。
最初に試験導入されたのは、2023年3月18日の大阪駅(うめきたエリア)。当初から一般利用が可能だったことが大きな話題を呼んだ。
「顔認証式改札で入場した場合、出口も顔認証式改札でなければならない」
という制約はあるものの、カードやスマートフォンを取り出す必要がないウォークスルー改札が2020年代前半に実現した意義は極めて大きい。関西はまさに「ウォークスルー改札最先端地域」といえる。
この流れは、JR東日本が推進する「新Suica構想」にも大きな影響を与える可能性がある。JR東日本は、Suicaのセンターサーバー化を進めることで、タッチアンドゴーに代わるウォークスルー改札や位置情報データを活用した改札を、今後10年のスパンで整備する計画だ。しかし、2025年2月28日時点で、新Suicaのウォークスルー改札にどのような技術が導入されるのかは明らかにされていない。
現在公開されているのは、スーツ姿の男性が自動改札機のない場所を跨ぐ簡素なイラストのみ。顔認証技術を採用するのか、Bluetoothを活用するのか、あるいは近年活用が模索されているUWB(Ultra Wide Band)を導入するのか。その詳細は不透明だ。つまり、JR東日本はまだ技術的な方向性を模索している段階にあるといえる。
「利用者の不安払拭」が早急の課題
新宿駅や池袋駅といった世界最大級のマンモス駅を抱えるJR東日本にとって、新方式の自動改札機の導入は慎重に進めるべき一大事業だ。
関西の鉄道事業者が導入した顔認証式ウォークスルー改札が、ギネスブックにも認定された「世界一利用者数の多い駅」の通勤ラッシュをスムーズにさばけるのか。その結論はまだ出ていないのが実情である。
また、JR東日本はウォークスルー改札の導入に先立ち、利用者の不安を払拭することにも取り組む必要がある。顔認証式ウォークスルー改札の場合、
「カメラで自分の行動を録画されているのではないか」
といった懸念を抱く人も一定数いるだろう。しかし、これは誤解に過ぎず、利用者の動向を録画することはない。この点について、丁寧な説明が今後求められることになる。
クレカ不要で広がる新商業圏
こうしたハードルを乗り越えれば、ウォークスルー改札と共通のシステムを搭載した無人店舗が登場する可能性も高い。
現在のS Lawson Go OSLなかもず駅店では、入店時にスマートフォンのQRコードをゲートにかざす必要がある。しかし、新Suicaのシステムをそのまま活用すれば、こうした動作すら不要になる無人店舗も実現するだろう。
また、Suicaはクレジットカードではない点にも注目したい。現行のレジレス無人店舗の多くは、クレジットカードや、それと紐付けたアプリがなければ利用できない。しかし、この仕組みでは
「クレジットカードを持たない人はどうするのか」
という課題が生じる。与信審査が必要なクレジットカードではなく、未成年でも持てるチャージ式プリペイドカード、つまりSuicaで決済できる無人店舗が増えれば、この業態は身近なインフラとして定着していくだろう。
こうして広がるのは、新Suicaを軸にしたストレスフリーな商業圏だ。
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みんなのコメント
QRコードもNFCも処理速度が全然足らんし
(今は後付で位置が悪いから余計に酷い、位置を最適化しても正直…)