スーパーカブのオフロードバージョンが「ハンターカブ」
ホンダを代表するバイクとして、世界的に知名度と人気を獲得しているのが「スーパーカブ」です。
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50cc~125ccの原付としてラインアップされていますが、初代が登場したのは1958年。ホンダの初のバイクとして登場しました。
以降現在に至るまで、世界の人の仕事の足として、日常の友として活躍。時代に合わせてモデルチェンジも行いますが、初代のコンセプトは変わらず受け継いでいます。
現行型は50ccクラスの原付一種、125ccクラスの原付二種と多彩なバリエーションを展開しています。
その中でも変わった風体を持ち、人気を得ているのが「CT125ハンターカブ」。2020年にカブファミリーに新たに加わった125cccエンジン搭載車です。
ハンターカブは、簡単に言えばスーパーカブのオフロードバージョン。「頑丈で壊れない」というファミリー共通の特徴は持ちつつ、レッグガードを取払い、専用の足まわり、大型のキャリアを装備したことで悪路と大荷物の積載に対応しています。
この個性的かつワイルドな見た目も人を惹きつける要素です。
新型車として追加されたCT125ハンターカブですが、ハンターカブ自体は古い歴史を持っています。
スーパーカブは1959年にアメリカへの輸出が始まりました。しかしアメリカでは、日本のように日常の足としてではなく狩猟用として使われ始めます。
現地法人のアメリカンホンダはその実際の使用方法に目をつけ、アウトドア用品店にカブを売り込んでいたといいます。
やがてアウトドアに特化したスーパーカブというアイデアを思いつき、日本側にオフロード対応型カブの開発を要請しました。
これがハンターカブが登場するきっかけ。そして1960年、初代ハンターカブといえる「CA100T トレイル50」が誕生しました。
レッグガードがなくオフロードに対応した足回り、そしてハンターカブのアイコン的なアップマフラーのスタイルは、この初代が作り上げたもの。アップマフラーとした理由は、排気ガスで草木などが燃えないようにとの配慮からです。
ちなみに「ハンターカブ」というのはかつてはオーナー界隈の俗称でした。ホンダが正式な車名としたのは、実は2020年発売の現行型が初。
ハンターカブは登場後、エンジンの排気量を変更したり、カムの駆動方式をOHVからOHCに変更するといった改良がなされていきます。
従来のハンターカブよりもひとまわり大きな90ccのスーパーカブをベースにし87ccのOHVエンジンを搭載した「CT200 トレイル90」が1964年に登場。
その後、スーパーカブ自体のエンジンが89.6ccのOHCに代わったことで、同様に初のOHCエンジンを搭載したハンターカブ「CT90 トレイル90」が1966年に登場。同車が、今回のオークションに登場したハンターカブです。
「古いけど古くさくはない」1970年製ホンダ「CT90トレイル」
出品された個体は1970年型のもの。
カラーはイエローをベースに、中央のフレームカバーをホワイトとした2トーンとなっています。
このカラーリングは再塗装がなされていますが、オリジナルに忠実に色付けされています。
そのほか車体全体的に見ても良好な状態です。塗装部分はもちろん、エンジン本体やマフラー、スポークホイールに至るまで錆はありません。
それもそのはず、再塗装も含めて車体はオーバーホール済みで、劣化した部品も交換されています。
個体の走行距離は、メーター読みで2600マイル(約4184km)。新車であれば慣らしがそろそろ終わる程度の距離で、カブのタフネス性も考えればエンジンの劣化具合はほぼないと考えられます。
※ ※ ※
「古いけど古くさくはない」。ハンターカブを見ると多くの人はこのような印象を受けるでしょう。この個体も、遠くから見れば新車のようです。
ハンターカブが古くならない理由は、デザインとコンセプトが完成しているからでしょう。
今回の個体と最新型のCT125を並べて比べても、両車は同じように見えるはずです。この個性をしっかり受け継いだからこそ、現行ハンターカブはヒットしたといえます。
1970年型ハンターカブは、本記事の執筆時点で2000ドル(約31万円)で出品され、購入希望者を募っています。現行型のスーパーカブほどの値段です。
タフで壊れないことは折り紙つき。古くても、しっかりと走ってくれるでしょう。
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まあ、まずサブミッションが活躍するエリアに入って行く場面は、よっぽどの山間部でもまずなかろうけど。