コンパクトクルーザーはどんなクルマ?
トヨタは2021年12月、「BEV戦略に関する説明会」で16車種のコンセプトモデルを一挙に発表しました。
今後数年内にその全てを市販することを明らかにしていますが、その16車種の中の1台である「コンパクトクルーザー」には特に注目が集まっています。
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鮮やかなライトブルーのボディをまとったコンパクトクルーザーは、その名のとおり、コンパクトなボディが特徴の電気自動車(BEV)です。
発表時からそのエクステリアデザインに対する評価は高く、2022年6月にはイタリアの専門誌による「カー・デザイン・アワード 2022」の「コンセプトカー部門」を受賞しています。
コンパクトクルーザーは、スクエアなボディに樹脂塗装と見られる大型のフロントフェンダーとリアフェンダーが組み合わされた無骨なデザインが特徴です。
そのタフでポップなスタイリングを、かつてトヨタから発売されていた「FJクルーザー」の再来と評する声も多くファンにとっても注目度の高い1台となっています。
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どこかクラシカルな印象を持つコンパクトクルーザーですが、その一方で、LEDランプと推測される3連のヘッドライトや、その周囲を取り囲むデイタイムランニングライトが、先進的なBEVであることを強調しています。
また、どちらかと言えば都市部での利用が中心となっていたBEVのイメージを覆すかのように、トヨタが公開したコンパクトクルーザーの画像では、ルーフにスノーボードを搭載する様子や、荒れた岩山を走る様子が映し出されています。
これらの画像を見る限り、コンパクトクルーザーのオフロード性能はランドクルーザー譲りの本格的なものであり、昨今の"シティ派SUV"とは一線を画していると言えそうです。
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登場するならヤリスファミリーの一員?
一方、トヨタが公開したコンパクトクルーザーの画像を見ると、タイヤに「YARRIS CRUISER(ヤリス クルーザー)」と読める文字が記されており、様々な憶測を呼んでいます。
言うまでもなく、「ヤリス」はトヨタのグローバルにおける主力コンパクトカーです。ヤリスにはSUVの派生モデルとして「ヤリスクロス」が存在しており、日本はもちろん欧州でも人気を博しています。
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そんなヤリスに「クルーザー」の文字が掛け合わさって「ヤリスクルーザー」となると、期待されるのはコンパクトな本格クロスカントリー車です。
コンパクトでありながら本格的なオフロード性能を持つモデルと言えば、スズキ「ジムニー/ジムニーシエラ」が真っ先に思い浮かびます。最近では海外で5ドア仕様のジムニーシエラのテスト車両が目撃されており、5ドア版のジムニーシエラが登場すれば世界中で今よりもさらに大ヒットとなることは確実です。
しかし逆に言えば、ジムニーに対抗するモデルを提供できれば、一気にシェアを拡大することができるカテゴリーでもあります。とは言え、すでに圧倒的なブランド力を誇っているジムニーと真っ向勝負してしまうと、いかにトヨタといえども勝つことは容易ではないでしょう。
そこでジムニーと差別化を図り、新たな市場の開拓を狙ったと考えるとコンパクトクルーザーの目指す方向性が見えてきます。
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ヤリスクロスと同サイズで2023年前半に発表か
現時点で、コンパクトクルーザーの詳細や発売時期について詳細なアナウンスはありません。しかしデザインの仕上がりなどを見る限り、すでに市販を目前としていることがうかがえます。
コンパクトクルーザーがヤリスファミリーの一員として登場すると仮定すると、全長4180mm×全幅1765mm×全高1580mmのヤリスクロスと同程度のボディサイズになると想定されます。
コンパクトクルーザーとスタッフが記念撮影した写真をトヨタが公開していますが、それを見ると、やはりヤリスクロスに近いボディサイズであることは間違いないようです。
ヤリスファミリーの一員であることから、ヤリスやヤリスクロス同様に、ガソリン車やハイブリッド車がラインナップされる可能性もありますが、コンパクトクルーザーのデザインを見る限り、BEVに特化したプラットフォームを利用していると見られるため、その可能性は低いと言えそうです。
いずれにせよ、現時点ではほとんど情報がないのが実情です。しかし、早ければ2023年前半にも市販版のコンパクトクルーザーが発表されるとの噂もあるため、今後の動向から目が離せません。
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文:ピーコックブルー
写真:トヨタ自動車
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