トヨタ ヤリス 「C-HRをスケールダウンしたような4ドアクーペ的コンパクト。」のユーザーレビュー

tonmon tonmonさん

トヨタ ヤリス

グレード:X_4WD(CVT_1.5) 2020年式

乗車形式:レンタカー

評価

5

走行性能
5
乗り心地
5
燃費
5
デザイン
4
積載性
3
価格
5

C-HRをスケールダウンしたような4ドアクーペ的コンパクト。

2021.1.20

総評
レンタカーで2日間680km走行してみて、ヤリスの立ち位置が理解できた。
C-HRに近い2+2のコンセプトであり、外見はコンパクトカーでも車内は4ドアクーペの趣がある。軽自動車が中心となって推し進める「広いことはいい事だ」という日本人のお得感志向から決別し、後席は割り切ってドライバーと助手席のパッセンジャーにとって最高の相棒と成りうるクルマを目指したのである。
スペースを求めるユーザーの受け皿としてヤリスクロスやルーミーを揃えたからこそ、同クラスには無い思い切ったコンセプトに出来たのであろう。
このような思想を支持する方に、ヤリスを買って素敵なカーライフを満喫してほしいものだ。
満足している点
1.ドライビングポジション
初めてシートに腰かけた瞬間、随分と尻下がりなシートだと感じた。しかしドライビングポジションを合わせて走っているうちにすっかり馴染んだ。ペダルの配置は適切だし、左足のフットレストがしっかり踏めるように作られた事が一番嬉しかった。フットレストの最適化は同クラスではDJデミオの特権かと思われたが、ついにトヨタもフォローしたのだ。
シートに戻るが、尻下がりの効果によりシート前端に至るまで太ももが離れない。つまりお尻に体重が集中しないようにしているのであり、このシートなら相当にロングツーリング耐性が高いのではないかと思う。

2.ディスプレイオーディオ及びカーナビ
画面左右に押しボタンとつまみが備えられており、いずれも深いストロークで操作した実感が強い。画面はかなり近いが、どのスイッチにも肩がシートから離れることなく手が届くように設計したからである事が容易に理解できた。

カーナビは流石のトヨタで非常に使いやすい。おまけにスピードメーター中央の液晶パネルにまで方向指示が出ると来た。これは凄い。


3.レーダークルーズコントロール
取説を読まなくても簡単に操作できた。速度の調整も1km/h単位で親指1本で行える。加減速はごくごく自然にやってくれる。夜の高速道路のカーブにて隣の車線の車両を検出して急減速したことが2回あったが、その急減速もビックリする程の急ではなかった。

4.エンジンを停止した際、メーターの液晶モニターが窓の閉め忘れを教えてくれた事に救われた。このお知らせが無ければ窓が一部開いたままホテルの平面駐車場に駐車し、翌朝車内に雪が吹き込む有様になっていただろう。

5.鏡が大きなドアミラー
不満な点
1. ドアの内側のプルハンドルの位置
ドアトリムの設計において、まずペットボトルの置き場から決めていったのであろう。ボトルの出し入れに支障がないようにパワーウインド等の集中スイッチがドアアームレストからかなり高く設置されている。そしてハンドルはあたかも消去法でこの位置に決まったかのような変な位置である。開閉の度にいちいち肘を曲げねばならぬ。
集中スイッチを触るよりもドアの開閉の方が遥かに頻度が高いのだから、位置を逆転させても良かったと思う。


2. ハイマウントストップランプ
ランプのハウジングとリヤウインドの間に隙間があるようで、夜にブレーキを踏むとブレーキランプの光が漏れ、テールゲートが赤く照らされてしまう。これはDIYで解消できるだろう。設計ミスなのか、役割があってこのようにしているのか、果たして?


3. マップランプ
発光面が小さいので明るさが削がれているように感じられる。電球自体は一般的な砲弾型だと思うが・・・。またスイッチが発光面と分かれているので消灯したい時にスイッチを探してしまう。発光面本体がスイッチを兼ねている車種も多いが、この方が合理的だ。

4.ステアリングスイッチの一部
左側の音量ボタンと右側のサーチボタンが小さくてブラインドタッチが出来なかった。走行中にスイッチを目視すると前方から視線がそれてしまうので不安全だ。一方、ディスプレイオーディオ側に物理スイッチが付いているのでこちらを使った方が簡単であった。


5.スマホをUSBコードでインパネに繋いだら、エンジンを掛けるたびにトヨタスマートデバイスリンクのダウンロードを勧誘してくる。ハイドラの邪魔なので仕方なくダウンロードした。

6.フロントワイパーの間欠インターバルの調整ができない

7.テールランプがLEDなのは先進性があって良い反面、発熱しないので吹雪の中を走行するとリヤコンビランプが全て雪に埋没してしまう。雪国ではリヤフォグランプが必須であろう。


8.吹雪の中を走るとフロントグリル内のソナーが雪で埋まる。メーター内の液晶モニターに警告が出るが、外気温表示が消えてしまうので厄介だ。ステアリングのリターンボタンを押せば前画面に戻って気温が見られるが、すぐに警告が出てしまう。警告が出たらマメに駐車して手で雪を掻き出すべし。

デザイン

4

【外装】
フロントバンパーはエアロバンパーと言ってよく、サイドシルスポイラーも最初から付いている。フィット、ノート、スイフト、MAZDA2の各スタンダードグレードの中では最もスポーツ性が高いと感じる。GRヤリスのデザインを先に決め、それを量販車種に下ろしてきたような印象。

雪道での運用を考えると、フロントバンパーは路肩の雪などに干渉して壊してしまう懸念あり。ミリ波レーダーもソナーも備わっているので修理代は高そう。サイドシルも雪が積み上げられた狭い路地から左折で車道へ出る際、雪山に樹脂製のサイドシルが干渉すると容易にひび割れしてしまうのではなかろうか。

【内装】
前席はハイバックシートである。分離式ヘッドレストを上まで上げた状態までカバーできるよう作られているのだろうか、丈がかなり高い。後席での前方視界を大きく削いでいる事となり、これだけでも前席優先でデザインされたクルマである事が明白だ。しかも前席を最後端までスライドさせると後席の座面との離れが拳1個半しかなくなる。
一方、後席のヘッドレストは分離式だが格納できないので後方視界の邪魔だ。逆L字型にしてくれれば嬉しいのだが、このクルマの設計思想が2+2だと考えれば、後席の背もたれは通常前倒しで、同乗者がいる場合のみ背もたれを起こす使い方をするのがいいのかも。
色はインパネ、シート、フロアがブラックなのは良くあるが、ピラーガーニッシュ、天井、果てはマップランプまでブラックに染められていたのは珍しい。C-HRとの共通性を感じた。


【メーター】
タコメーターを全車標準装備したのはトヨタとしては意外だった。
Xグレードのアナログ2眼メーターは写真だけ見ると、GとZに付くデジタルメーターと比べてどうしてもショボイ印象だった。しかし乗ってみると全然ショボくなかった。
文字盤は昼間も常時発光であり、明るすぎず非照光部分とのコントラストが絶妙である。夜間はオプティトロンメーターそのものであり、2000ccのクルマに転用しても全然OKと思った。
タコメーターはスピードメーターと同径。20年前のクルマによくあったが、大きなタコメーターで常に回転数の変動を追いかけるのも楽しい。
燃料計・水温計もアナログの指針である。今や水温表示はランプ1個で済むし、燃料計も液晶画面に組み込むことで駆動パーツを減らしてコストダウンが図れるはず。あえて残したのは海外の志向なのか?
走行性能

5

停止からの出だしがまず速い。アクセルペダルを思わず緩めてしまうほどに過激ではなく、少しだけGが強い印象である。タコメーターの針を見ると1500rpmも行っておらず、ノッキングしそうな低回転のままグッと前に出るのだ。中間加速も同じで、アクセルを僅かに踏み増すだけでエンジン回転がさほど上がらないのに俊敏に加速してくれる。
高速道路で一気にスピードを上げる時は3000rpmまで達したのを見たが、スピードが乗ってしまえば今度はタコメーターの針が急降下して1500~2100rpmくらいで粛々と巡航してしまう。1500ccのNAガソリン車とはとても思えない。過給しているのでは?と錯覚するくらいだ。
バイクの話で恐縮だが、HondaのNC750Xの加速感に似ている気がした。
これだけ低速トルクが強力なパワートレーンなら、200kg近く重いカローラ系に搭載しても全然問題ないだろう。生産継続中のアクシオ/フィールダーが生産終了になったら、現行車に「1.5X」として既存の1.8より10万程度安価なグレードを新設するのではないか。
3気筒エンジンのネガは感じることはなかった。回転が3000rpmくらいまで上がった時に軽四に似たサウンドを感じるが、遮音が効いているため嫌味はなく、通常使用範囲の2000rpm程度以下ならアイドル中を含め振動はほぼ無いし、音の安っぽさも無い。
そして走る・曲がる・止まるの操作については一切クセが無いのが良い。
乗り心地

5

凹凸が激しい圧雪路面を走行しても「ゴトッゴトッ」というように振動を丸めてくれる。4万km乗ったNSP135もマイカーのDJ3FSも同じ印象である。柔らかくも硬くもない丁度いい。上級車種と乗り比べても違和感は無いだろう。
積載性

3

後席の背もたれを倒してラゲッジスペースとして使った。フラットラゲッジボードが装備されていたのが良かった。
背もたれを起こした場合でもラゲッジの広さは標準的なものと言える。
燃費

5

燃費の良さは期待以上であった。
東北自動車道の青森県内から一関市までを往復した結果、高速燃費は16km/L台。80km/h程度での巡航なら平均燃費が17、18とグングン上昇していった。時々クルーズコントロールを活用して100km/h程度で走っても、最終的に16キロ台で済んでいる。
一般道においても、青森市から野辺地経由で八戸市まで走行した時の平均燃費は22km/L弱とこれまた驚きであった。

総合的にNSP135のヴィッツ1.3F・4WDより2~3割増しの感覚だ。
価格

5

車両本体価格は1,831,000円(税込)である。Bセグメントのコンパクトカーとして他銘柄と比較すれば一見、高額な印象ではある。
しかしC-HRのS-Tの4駆(車両本体2,613,000円)を基準に考えてみると、装備差こそあれど70万円以上安価である。上級車種からの引き算で考えればヤリスは決して高いとは言い切れないと思った。
レンタカーの費用としてはトヨタレンタカーの法人カードで1日当たり最低クラスの5,500円。今は登録3年未満のヴィッツが大量に保有されているので、車種無指定で最安クラスを申し込めばまずヴィッツが出てくるが、そのうち淘汰されヤリスに代替される。北海道・東北ならまずコレと同じ1.5X・4WDが配備されるはずだ。
予防安全デバイスがほぼフルスペックでレーダークルーズコントロールまで備えた車種を1日5,500円で借りられるとは何と幸せなことか。今後トヨレンでレンタカーを借りる機会がある方はヤリスをチョイスする事をお勧めしたい。
故障経験

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