トヨタ ヴォクシー ハイブリッド 「これからのミニバンを先取り」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

これからのミニバンを先取り

2022.11.21

年式

2022年1月〜モデル

総評

旧世代のプラットフォームを刷新し、運転ポジションやシャシーの適正化など、目に見えない部分の進化に感心しつつ、使う人がほしい機能をとことん突き詰め、これまでにないアイディアで実現した現時点で理想のミニバンではないでしょうか。この価格帯で、2列目シートのゴージャスさは間違いなくトップだと思います。

満足している点

コネクテットサービスが登録日から5年目まで無料というのは素晴らしいところ。話しかけるだけでナビの設定などができるエージェントをはじめ、専用アプリを使ったリモート操作やヘルプネットなど、ドライブをもっと便利で楽しくしてくれる機能が満載。現在地や目的地周辺のイベント情報や最新ニュースをエージェントがちょくちょく届けてくれて、望めば読み上げてくれるのも楽しいです。

不満な点

運転が苦手な人にとって、車庫入れという大きなストレス・不安を解消してくれるパーキングサポートブレーキが標準装備。なのですが、なぜか前方後方静止物の検知機能はついているのに、接近車両の検知はオプションというのが気になるところ。どちらかというと、接近車両の方がヒヤリとすることが多いので、こちらもぜひ標準装備にしてほしいです。

デザイン

4

ミニバンとしては少し斬新すぎるかなと感じる人もいるようですが、大胆に空いたフロントグリルに何層ものバーが連なるデザインは、キリリとした精悍さとプレミアム感が演出されていると思います。薄く細長いヘッドライトは左右が一本のバーでつながり、先進性もプラスされ堂々と乗れるミニバンです。

走行性能

5

第5世代のハイブリッドシステムが搭載され、走行中にエンジンがかかっているのか、止まってるのかはメーター内のエネルギーモニターを注視しない限り判別が難しいほど静かでシームレスに切り替わります。上り坂でアクセルを踏み足すような場面でも、うまくモーターアシストがカバーしており、どんな時でもパワー不足を感じさせず、静かでなめらかな走り。E-Fourモデルはさらに剛性感がアップして高速道路での落ち着きが感じられました。

乗り心地

5

TNGAのGA-Cプラットフォームを採用し、ボディ剛性から前後のサスペンションジオメトリーなどまで改善しているため、乗り心地もとても落ち着いています。ガソリンモデルよりも車両重量が重いのですが、それをうまく安定感や上質感にプラスにしており、3列目シートでも不快な振動などが抑えられていると感じます。

積載性

5

ガソリンモデルと比べても、バッテリー搭載などのハンデを感じさせない荷室の広さを確保しています。3列目シートの跳ね上げ格納が、片手で簡単に操作できるのは感動モノ。フラットで広大なスペースでレジャーの荷物も余裕です。バックドアが好きな角度で開ける機能は、発明レベルの使いやすさです。

燃費

5

すべての電動モジュールを刷新した第5世代のハイブリッドシステムと、最大熱効率40％を実現した1.8Lエンジンとのコンビは、最高23.4km/L（WLTCモード）の低燃費を達成。EV走行が頻繁に入ってエンジンを停止するので、普通に運転しても自然と効率よく走れるところが秀逸です。

価格

3

7人乗りと8人乗りがあり、ベースグレードで344万円から。ノアハイブリッドより40万円ほど高い設定となっています。標準装備、オプション設定の装備はほぼノアと同じで、8インチのディスプレイオーディオは標準装備。10.5インチがオプションとなっています。長距離ドライブが多い人は、ハンズオフ機能がつく渋滞時支援のアドバンストドライブを検討してもいいと思います。