トヨタ シエンタ 「ハッチバック＋３列目」のユーザーレビュー

ハッチバック＋３列目

2024.9.22

総評

この車は、ミニバンというより小型のハッチバックに３列目がおまけで付いてきた、というイメージの車です。

３列目はおまけ以上の価値がありますが、格納時はその存在感を消してしまうため、余計にそのようなイメージを強く持ちます。

走りもフリードと比較すると明らかにキビキビとしたセッティングになっているので、４人までの乗車がメインという方はコスパも含めて、シエンタの方が魅力的に映る方が多いと思いました。

個人的には走りを重視しているので、僅差でシエンタを選ぶと思います。

満足している点

・走りも含めた実用性の高さ

初代シエンタから２代目になった時にも走りの進化に驚きましたが、ＧＡ－Ｃプラットフォームを使った３代目はさらに磨きがかかっていました。

実用性は先代と変わらないまま、より安心して走らせることができる車になっています。

外観のデザインとのギャップが強めです。

ＥＰＳがしっかりセッティングされており、ステアリングが軽すぎず、特に高速域では直進安定性が高く感じられ、長距離を走るには疲れにくくなっていると思います。

また、ロールもよく抑えられていて、多少のワインディングを流すくらいであれば不満はそうそう出ないのではないでしょうか。

個人的には着座位置がフリードと比較すると低めで、ハッチバックを運転している感覚になれるのも評価しているポイントです。

・パワートレーンの力強さ

実用域のトルクが太く、中間加速が力強いように感じました。

個人的にはパワーモードは不要です。

・ディスプレイオーディオ

これが標準されていることにより、コスパの良さを押し上げています。

また、少ないエクストラコストでＤＶＤが見れるようになるのも高いポイントです。

・安全装備の充実さ

最も廉価なグレードでもブラインドスポットモニターをオプションで追加できたり、ドライブレコーダーが安価な価格で前後装着できたり、安全装備に関してはぬかりがないと思います。

不満な点

・電動パーキングブレーキの省略

これはこの車の最大の欠点だと強く感じます。

というか、トヨタはシエンタに限らずアクアやヤリスなど、コンパクトクラスへのＥＰＢの採用をなぜこんなに渋っているのでしょうか。

シエンタのＺグレードのＡＣＣには停止保持まで付けているのですから、せめてＺグレードだけでもＥＰＢとブレーキホールドを装備すべきです。

・乗り心地

走りとトレードオフのため、仕方ない面はありますが、後席のことを考えるとややコツコツする感じがします。

・静粛性

３気筒の割にはかなり音、振動を抑え込んでいるとは思いますが、コールドスタート時はかなりにぎやかでした。

パワートレーンが暖まると静かになりますが、そうなると今度はタイヤノイズが気になりました。

・快適装備がオプション

Ｚグレードでもシートヒーターがオプションなのはいただけません。

ステアリングヒーターもセットで付いてくるのはいいことですけど。

デザイン

3

良くいえば、個性のある、フランス車みたいな、という感じのデザインですが、アクの強さは否定できないと思います。

２代目を所有している父はこのデザインが好みでないようで、乗り換えたくないと言っていました。

個人的にはフリードＡＩＲのデザインの方が好みです。

走行性能

4

パワートレーンの力感は車格を考慮すれば、文句はありません。

ハンドリングも意外とシャキッとしており、首都高でも安心して早い流れに乗れました。

直進安定性も高く、ＧＡ－Ｃの素性の良さを感じます。

この辺りはプラットフォームを刷新した価値があったと思います。

乗り心地

3

角は丸いですが、硬めではあります。

この点は、走りを取るか乗り心地を優先するか、で判断する必要があると思います。

また、特にフリードと比較すると、３気筒感ははっきり感じられ、コールドスタート時はなかなか威勢のいいエンジン音が入ってきます。

積載性

4

３列目がすっきりいなくなるので、かなり実用性の高いラゲッジが確保できます。

３列目を使用する頻度が低く、３列目を格納状態にしている時間が長い使い方をする場合は、この点は地味に大きいポイントです。

燃費

4

エアコンを使いながら、首都高の渋滞に巻き込まれたり、時に早い流れに乗り、不満のない加速を見せて20km/L超えなので、不満はありません。

価格

4

初代、２代目とシエンタを乗り継いだ身としては、シエンタも随分高くなったなぁと感じていますが、それでもコスパは高いと思います。

特にガソリンＸを買えば、最小の予算で７人乗りが手に入ります。

故障経験