トヨタ シエンタ 「オシャレなトレッキングシューズの新作」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

オシャレなトレッキングシューズの新作

2022.11.25

年式

2022年8月〜モデル

総評

小さなボディに7人乗りの3列シートをレイアウト、使い勝手がよく、取りまわしもしやすい。シエンタの魅力はここにあると言っていい。ボディサイズを変えずにさらなる進化を見せた3代目はハイブリッドのE-Fourも選べるようになり、より魅力的なラインアップをそろえている。先進安全装備の充実ぶりも嬉しいところ。

満足している点

5ナンバーサイズのコンパクトさをキープしながら居住性を改善し、とくにセカンドシートはスライド量の延長によって膝まわりのスペースが広がった。インテリアの雰囲気もよくなり、全体の質感も高められている。さらにガソリン、ハイブリッドとも燃費性能が向上していること。運転のしやすくなった運転席まわりの視界もグッドポイント。

不満な点

インテリアのカラーコーディネートが無難な色でまとめられていること。アクセントカラーのオレンジも含めて選べるようにしてみては？　シフトセレクターわきの小物入れの使い道はガムやタブレット菓子入れってこと？　飲み物やスマホも入らず、どことなく中途半端。

デザイン

5

3代目シエンタは“シカクマル”をコンセプトに道具感を追求。先代のトレッキングシューズをモチーフとしたデザインも印象的だが、新型はまたしても個性的で、どことなくフレンドリーな雰囲気もある。このちょうどいい大きさは日本の道路事情にピッタリで、ピープルキャリーとしての機能性にもすぐれる。ライバルの「フリード」ではないが、シエンタはちょうどいいトヨタなのだ。

走行性能

4

シエンタはガソリン車の走りもなかなかいい。ノーズが軽く、ワインディングではキビキビとした走りっぷりが楽しかったりする。ハイブリッドは実用域で力強く、ガソリン車と比べると落ち着きのある乗り味だ。運転支援機能の「プロアクティブドライビングアシスト」は運転状況に応じたリスクの先読みを行い、たとえば前車に近づきすぎた場合はステアリングやブレーキ操作をサポート。時にはうざったく感じることもあるが、この装備はとてもありがたいものだ。

乗り心地

4

3代目はガソリン、ハイブリッドとも3気筒となり、エンジンに負荷をかけない領域では静かなのだが、アクセルを強く踏み込んで加速させるとノイズや振動が気になってくる。GA-Bプラットフォームの採用は操縦性と乗り心地のバランスがよく、穏やかな乗り味が得られる。それでいてワインディング走りも楽しめるポテンシャルを持っている。

積載性

5

乗車人数よりも積載性を重視するなら2列シート5人乗り、多彩なシートアレンジを使い倒すなら3列シート7人乗りを選びたい。かさばる荷物も天井付近まで積み上げられることが出来、その収納性の高さには驚くばかり。フロアの高さは7人乗りシエンタのほうが低め。折り畳んだシートが干渉するのでかさばる荷物の積載には注意が必要だ。

燃費

5

燃費で驚かされたのはシエンタハイブリッド。東京方面へ向かう一般道で計測したところ、ヤリス並みの30km/hオーバーをマーク。同区間のシエンタガソリン車が17km/L台だったことから、シエンタハイブリッドの経済性には目を見張るものがあった。高速走行ではシエンタのガソリン車でも20km/Lを越えた。3気筒ダイナミックフォースエンジンは効率的だ。

価格

4

装備内容が異なるので正確な比較ではないものの、先代と比較すると高価になった。とくにハイブリッドの最上級7人乗りで比べると33万円、ベーシックなX同士の比較でも13万円ほどの違いがある。先代では未設定だった運転支援機構、トヨタセーフティセンスは全車に標準装備となったが。