ハイブリッドカーの車両本体について ハイブリッドカーの車両本体価格を安くするには、何を改善したらよいのですか？ 気になったので、質問させていただきました。

Answer 1

●ハイブリッド車の特徴は？
一般にガソリンエンジン車は，生産台数が多いほど，原価が下がる構造でした。しかしハイブリッド車や電気自動車は，下記のような点で，ちょっと異なります。

・レアアース，レアメタル … 駆動モータにはネオジムという希土類をつかった磁石をつかいます。このため生産台数が増えると，需給バランスの関係でコストが高くなります。これは駆動用電池の正極材料についてもほぼ同じことがいえます

●どうすれば良いのか？
日本は資源が少ない国であり，レアアース，レアメタルを有する国の外交方針により，使えなくなる可能性があります。このためこれらの資源をつかわない磁石や電池を開発する必要があります。すでにネオジムを使わない強力な磁石が開発されてきています

●ハイブリッド車の車両価格を下げるには？
長期的に見れば，レアアース，レアメタルを使わないことですが，短期的には下記3つの方策が有効です。

(1) スペックを下げる … モータの出力を下げたり，電池の搭載数量を減らすことが現実的です。これを究極的まで進めたのがホンダのIMA方式です。カタログ燃費は，プリウスと大きな差（38km/L：30km/L）ですが，実燃費の差はせいぜい10%です（モータ出力はホンダ・インサイトがプリウスの1/6）。

(2) プラットフォーム共有化 … 共通のプラットフォームを使えば，基本的な車両開発のコストが低減でき，同一仕様の生産台数を増やすことができます。たとえばプリウスはCT200h，SAI，HS250hと駆動系を含めてほぼ同じプラットフォームです（SAIとHSはエンジン排気量が2.4L）

(3) ハイブリッドシステムの簡素化 … トヨタのように2モータを使う方式では，従来のパワープラントと大幅に異なる構造になります。一方，ホンダや日産のような1モータ方式では，従来からの変更部分が少なくなります。つまり大量生産のベース車をベースにしたハイブリッド車をつくることが簡単になります

●まとめ
ハイブリッド車や電気自動車に特有のモータや電池は，資源問題の渦中にいます。このため，従来のような「大量生産 ＝ 低コスト」という図式に当てはまりません。レアアース／メタルを使わないというのは，非常にハードルの高い開発が要求されますが，資源のない日本では必須の課題です。このためには，一時的にコストがあがる状況もあるでしょう。しかしそこを乗り越えないと，日本の将来はありません

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

わかりやすい回答ありがとうございました！

他の方もわかりやすかったのですが、こちらの方にベストアンサーにさせていただきました。


ハイブリッドカーについて新しい質問をまたするので、またお世話になるかと思いますが、よろしくお願いします！

Answer 2

市販車はだいたい4～5年で減価償却をするように造られています。開発費、工場ラインなど…

ここでバカ売れした2代目プリウスは、3代目が出た時点でハイブリッドシステムの開発費などはすでにペイしています。
この減価償却の終わったハイブリッドシステムを使い、ヴィッツのシャーシを流用して年末に発表されるプリウスcは開発されています。

既存のパーツを寄せ集めれば金型などを変更しなくて済みます。これらの開発費や制作費などが節約できるのと、複数の車種で使い回せれば生産量が増えて1個あたりの単価が落ちます。

2代目プリウスは減価償却が終わったことによって189万円に値下げして、そのハイブリッドシステムを引き継ぐプリウスcはさらに価格が下げられる見込みです。
プリウスcでは、価格を下げるために電池容量も小さくしているようです。

レクサスもヴィッツも開発費はそれほど変わりません、とにかく量産に勝るコストダウンはありません。何台売れるかで車両価格は決まります。

Answer 3

開発費でしょう。

部品的な単価を大量生産すればと思いますがこれだけプリウスが走り回っても価格は下がりませんので。