救急車は緊急自動車であるので緊急出動中の際には一般ドライバーは、その通行を妨げてはならないと道交法に規定されていますが、朝晩のラッシュ帯で渋滞してる中、

Question

通行が厳しい時はサイレンまで止めている隊員もいれば、回りの車両を無理矢理動く様にマイクで指示して通行していく隊員もありますが進路を譲る事が厳しい場合に、そこまでする指導はされているのでしょうか？
又、日本の法律は矛盾だらけですから、緊急自動車に進路を譲る為であっても赤信号で停止線を超えた場合には「信号無視＝道交法違反」になると聞いた事ありますが実際はどうなんでしょう？
実際はケースｂｙケースとは思いますので、それは回答除外とします。
出来れば、現職救急車隊員か交通課警察官の回答を求めます。

Answer 1

現役消防官です。
まず，法律の解釈から説明しますね。

道交法では「車両は緊急自動車に進路を譲らねばならない」という規定があるのはご承知の通りです。
では，あなたの言うように「赤信号で止まっていたら救急車が後ろから来た。進路を譲るためには停止線を超えて交差点に入らなければならない」という状況であれば「進路を譲らなくてもいい」のです。
緊急自動車に進路を譲らねばならないが，他の規定に反してまで行えという規定はないので，そこまでする必要はないのです。ですから「進路を譲らなくとも罪（違反）にはならない」のです。
これが，道交法の厳密な解釈です。

さて，では現実はどうか？というと…
多くのドライバーが，停止線を超えて車両を移動し，進路を譲ってくれます。
これについては，警察官が現場にいても，違反として処理しないでしょう。
進路を譲ったドライバーは「善意による行動」ですし，緊急自動車が進まなければならないのは「緊急性，公益性の高い業務」だからです。
その辺は「目をつむる」訳ですよ。

さて，先の方の回答の中で，誤解されているところがありますので，指摘しておきます。
赤信号で交差点に進入するパトカーと，一般の車両が衝突しても「公務執行妨害罪」にはなりません。
公務執行妨害罪というのは「暴力や脅迫により，公務員の職務を妨げる」ことですから「パトカーの邪魔をしてやろう」という「犯意」がなければ成立しません。
単に，進路を譲らずにぶつかっただけですから，道路交通法違反（安全運転義務違反）になる程度です。
また，緊急自動車の進路を妨げると，道交法違反となります。

それと，私たち消防官が消防車を運転するときに厳しく教えられたことがあります。
それは「緊急自動車には一定の特例（赤信号でも交差点に入っていいとか，反対車線に出て逆行してもいいなど）が認められているが，そのような走行をする場合は，通常の走行以上に安全に配慮し，運転する義務がある」ということです。
つまり「一般の運転者には緊急自動車に進路を譲る義務があるが，それを鵜呑みにして，注意を払わず漫然と緊急走行すれば，緊急自動車側の責任が大きくなる」ということなのです。

また，万が一「緊急自動車に進路を譲るために，赤信号の交差点に入った車両が他の車両と事故を起こした場合」には「赤信号で交差点に進入した車両の責任が重くなる」ということです。
緊急自動車に進路を譲ったことについては，一定の「理解」は得られるでしょうけど，法律を厳格に運用しようとすれば，青信号で交差点に入った車両の方が優位になりますね。

質問者からのお礼コメント

詳しく有り難うございました。

Answer 2

すいません、警察官でも救急隊員でもありませんが。

まずパトカーは法的に赤信号でも認められている車になります。
かりにあなたが交差点で、赤信号のパトカーと衝突した場合、もちろんパトカーにも責任を問われますが、あなたにも公務執行妨害含め、処罰を受ける可能性があります。
しかし救急車の場合には、赤信号を無視した救急車に責任があるようになっています。したがって、法的に絶対の権限をもっていません。あくまで、善意に基づいた信号無視の権利しかあたえられていません。

集団的自衛権と同様にそこは現場判断での対応が必要とされています。車内の患者の状況にもよりけりでしょうが、一分一秒を急ぐ時にはそういった対応も必要に思います。

もう一つの停止線を超えた場合というものですが、信号無視というのは基本的に現行犯です。したがって、明らかに救急車両に譲ったと思われる場合には、現場警察官の判断により、見逃されます。
警察官の現行犯での取締は、スピード違反を含め、本人が納得していることをもって、成立します。したがって、そうでない場合（納得いかない）には、違反とするためには状況証拠・物的証拠などの必要性が出てきます。理由のある違反はそうしたこともあって見逃されます。