トヨタ ライズ 「トヨタの末っ子SUV」のユーザーレビュー

オタナス オタナスさん

トヨタ ライズ

グレード:X“S”(CVT_1.0) 2019年式

乗車形式:レンタカー

評価

3

走行性能
3
乗り心地
2
燃費
3
デザイン
4
積載性
3
価格
4

トヨタの末っ子SUV

2022.1.16

総評
「トヨタブランドで売る5ナンバーサイズのSUV」という、いかにも売れそうな商品企画。
ダウンサイジングターボエンジンが気に入ったのに、2WDガソリン系は廃止に・・・HVを売るためか?

デビュー当初は「1LクラスのFFで床の高いクルマ、こんなの誰が買うんだう?」って不思議に思っていましたが、売れているんですよね。
SUVは男の乗り物、クロカンは四駆じゃないと!みたいな古い考えを持つと置いていかれるよ、と教えてくれるような気がしました。
「クルマに興味がない人ほど惹かれるクルマ」なんでしょう。

また、これがランクル300系まで繋がる、トヨタSUVラインナップの末端というポジションも感慨深いものです。
ハリアー、RAV4、カローラクロスなど、キャラクターを分けているのがトヨタらしく、上から下まで一緒路線のマツダのSUVと対照的なのも面白いですね。
満足している点
ダイハツ主導で設計したDNGAプラットフォームのしっかり感、KR系エンジン唯一の1Lターボエンジンのパフォーマンスは優秀です。

スマートキー、オートハイビーム、安全装備などを一通り載せて軽自動車と変わらない174万円でよくぞ作ったと思う程、コストパフォーマンスは高い。
不満な点
Xグレードはシートリフターがなく、身長の低い女性でも視界を確保するためなのか「妙に天井に近い」着座位置に。
全車シートベルトの高さ調整もなく、滑るシート表皮もあわせて落ち着かない。
デザイン

4

「5ナンバーサイズSUV」のライバル、クロスビーと比べるまでもない、上手くまとまったデザイン。
新興国向けの雰囲気もないし、ダイハツロッキーとはフロントバンパーが別デザインになっており、ちゃんとトヨタ車になっています。



インテリアは値段相応のプラスチック感がありますが、立体的な表面の仕上げで上手にカバーしている印象。
ただ、ダイハツ系の”ホールドされない”ウィンカーレバーは最悪w

走行性能

3

ダイハツ系の3気筒=ヴィッツのとにかく走らない1L(1KR-FE)という印象があり、マイナスイメージがありました。
ライズも同じ系統ですが、KR系エンジン唯一のターボエンジンです。

走ってみると、98PSのスペック以上に出足が良く、巡行時の静粛性やアクセルに対する過敏さも抑えられていて、同じエンジンとは思えない程に制御が良くなっています。
2500回転以上でターボが掛かり、必要以上にアクセルを踏み込まなくても流れに乗れるストレスのない走りは驚きました。
ゆっくり発進させて、ステアリングにブルブル振動が来るか試しても、不快さは排除されています。日産のHR12DEの方が余程ブルブルしますね。

ギア駆動も組み合わせるD-CVTも、スバルのリニアトロニックまではいかないにしても、過去のダイハツ系CVTとは雲泥の差でレスポンスも良く、飛び出し感がないのは好印象でした。
エンジンの見た目は「どうせボンネットなんて開けないでしょ?」と言わんばかりの素っ気なさ。配管の取り回しも効率とコスト重視で見た目は全く考えられてません。



一方、ステアリングフィールが上記の良さを吹き飛ばす勢いでダメダメです。
それこそ、過去のヴィッツやパッソのように何回転しているんだか分からない軽すぎるアシストと、中立性の悪さがあります。
スタッドレスタイヤのVRX2を履いていてこれですから、エコタイヤを履いたら更に印象が悪くなりそうです。

乗り心地

2

DNGAのプラットフォームは過去の1~1.5Lクラスと比べてしっかりした乗り心地です。
SUV系の味付けなのでしょうか、足回りは固い印象。重心高を考えると仕方ないのかもしれません。

静粛性は時速80kmまでなら静かなまま、3気筒のエンジン音も気になりません。
高速路になると流石に風切り音が目立ちますが、200万円を切る日常ユースのクルマですからこれで問題ありません。

フロントシートは女性ユーザーを意識しているのか、リフターなしのXグレードは妙に天井が近く感じる・・・。
そしてシート生地も滑りやすいので落ち着かないですね。かろうじてステアリングにチルト機構があるだけ良いですが、これがなければ0点。
リアシートは掛け心地、乗り降りもしやすい親切設計。そしてリアウィンドウも広く、閉塞感が少ないのが好印象。
フロントよりリアの方が高い評価になるのはちょっと不本意だけどw

積載性

3

ここが軽自動車と大きな違いでしょう。
5ナンバー枠で5名乗車ながら、ラゲッジスペースは広さがあります。
通常1・2名乗車が多いであろうクルマですから、リアシートに荷物をポンと置いたり、大きめの荷物はトランクスペースに、とハッチバック車として十分に使えます。ハッチゲートは横開きにしない方が、雨の日の積み下ろしを考えると正解でしょう。
燃費

3

JC08モードで23.4km/Lに対し、今回は17.5km/L。
ガソリンターボ車と考えれば標準的でしょうか。

価格

4

軽自動車200万円オーバーの時代、174万円で買えるのはコストパフォーマンス良しと判断できるでしょうね。
故障経験

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