伝統を持つ数少ない日本車
クラウンは、クラウンでなければいけないという価値をもつ、貴重な日本車です。
クラウンしか持ちえない存在感があります。そういう
2011.12.9
- 総評
- 伝統を持つ数少ない日本車
クラウンは、クラウンでなければいけないという価値をもつ、貴重な日本車です。
クラウンしか持ちえない存在感があります。そういう意味で非常に貴重な日本車です。
現行のひとつ前、ゼロ・クラウンからそれまで貫いてきたフレーム構造をやめ、モノコックボディとなりましたが、トヨタ最高峰のブランドに恥じない、一貫した価値観は保たれました。
それは日本人が高級と感じる乗り味であり、シートであり、内装であり、静かさであり、ドアの音など日本人にしか出来ない細やかさでした。
私が乗った事があるのは父の前の所有車、つまり最後のフレーム構造のクラウンです。
良し悪しは別にして、数十年もの間、一つのコンセプトのもとで作られた日本車は、他にランドクルーザー、パジェロくらいではないでしょうか?
ほぼすべての日本車はモデルチェンジごとにコンセプトを変え、スタイルを変え、その結果としてその車でなければならない、という大切な伝統を築けませんでした。
「いつかはクラウン」
すでに死語となってしまいましたが、日本人にそうした夢を抱かせてきた稀有な車です。
「いつかはLS」になるためには、LSがこれから先数十年という期間中、ずっと最高であり続けなければなりません。はたしてそれがLSにできるでしょうか?
翻って現行クラウン、スタイリングはトヨタNo.1。のびやかでかつ威厳も感じさせ、見事にクラウンであることを体現しています。
他のトヨタ車同様、フェンダー周りの処理が残念ですが、綺麗にまとめていると思います。
現行クラウンは目につきにくい部分、たとえばドアのヒンジやトランク部分など、やはり日本車であることを認識させるコストダウンが見られますが、その中でも必死に最高を目指していることが伺えます。
内装は典型的なトヨタ車。ただ他のトヨタ車にくらべ、素材も質感も確実に上です。
ドイツ車などとは全く違う方向性ですが、ここまでこだわればこれもまたアリと思います。
乗り心地もまたしかり。トヨタ流ですが、完成度は高いです。ここまで徹底的にやられると、好き嫌いは抜きにして称賛に値します。これぞ日本車、これぞトヨタ車、です。
もしすべてのトヨタ車がここまでトヨタ流にこだわって、もちろん車格によるコストの掛け具合は別にして、それぞれにおいて最高を目指し、統一した世界感を発信できていれば、メルセデスもかくや、といったメーカーになれたはずです。
- 満足している点
- 本文の続きです。
日本車はドイツ車にはなれないのです。
ドイツ流が流行っているからと言ってドイツ車のようになってしまってはただの物まねになります。
私もドイツ車が好きで、日本車を批判していますが、それはあくまで哲学のなさを批判しているのであって、これが日本車だ、と胸を張って主張できるものがあれば、文句は言いません。もし快適性、乗り心地の柔らかさを是とするならば、それを徹底的に突き詰めることで、日本車としての意味、価値が生まれてくると思うのですが、残念ながら多くの日本車メーカーはコスト削減を最優先にして、完成度が低い上に、日本車の伝統や顔を持つことができませんでした。
クラウンはそうした日本車への最後のメッセージだと思います。
がんばれクラウン!
長所。
・良くも悪くもこれぞトヨタ車。
・トヨタの中で「最高」を目指した崇高な哲学、伝統がある。
- 不満な点
- ・レクサスが上にあるため、微妙になってしまった立ち位置。
・先代のゼロ・クラウンの方が良かったと思ってしまう「ブレ」
・やっぱりハイブリッド(というか遊性ギア)はいただけませんね。
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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- 価格
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- 故障経験