トヨタ センチュリー 「後席にもたらされる最高の贅沢」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
5
積載性
5
燃費
3
価格
5

後席にもたらされる最高の贅沢

2022.1.17

年式
2018年6月〜モデル
総評
センチュリーが現在も販売されていること、これだけで十分だ。このクルマを必要とする人々はこの先、減ることはあってもゼロにはならない。伊勢神宮の式年遷宮ではないが、手作りの技を伝承する意味でも作り続けていってほしい。この上のクラスである御料車しかないが、その継続という意味でもセンチュリーが担う役割は大きい。
満足している点
用意されたクルマの後席に毎日座ると身であったとしたら、間違いなくセンチュリーを指名する。日本ならではの奥ゆかしさと、洗練された素材で作られているからだ。また、走行性能に優れる点も高く評価。要人向け車両である以上、安全に確実に、そして速く目的地に着くことが求められる。精度の高い先進安全技術が搭載されていることにも共感した。
不満な点
いったいどこに不満を感じるのか、一生懸命考えてみたが、見当たらない。強引にこじつけるとすえれば、少なからずいる個人ユーザーのため、ボグリーン系のボディカラーを追加してほしい。同じ理由から、先進安全技術には最新世代のAdvanced Driveを投入して頂きたい。
デザイン

5

3代目となる現行型センチュリーだが過去2代とデザイン路線は変らない。堂々としたグリルに水平基調のテールランプなど1967年に登場した初代と同じ文法が用いられた。ショーファードリブンとして後席での快適性をとことん追求。乗降性能を真っ先に考えたルーフデザインは、セダンボディの日本車では唯一の存在に。ボディカラーはすべて漢字表記だ。
走行性能

5

V型8気筒5.0l+ハイブリッドシステムを搭載。基本は先代LS500hのパワーユニットで、それをセンチュリー向けにモデファイ。静かなキャビンだが、アクティブノイズコントロール(騒音消去装置)により、一層の静寂が保たれる。運転してみるとかなりパワフル。しかし、アクセルペダルはストロークが大きく、しずしずと走らせることに特化したことがわかる。
乗り心地

5

取材時はテストコースでの走行もできたのだが、意外なまでにハンドリング性能が良いことに驚いた。要人を乗せた際に万が一の事態を想定してのことだという。エアサスペンションを標準で備え、こちらも乗り心地重視の設定ながら、電子制御で減衰力を調整する機構が用いられ、乗り心地とハンドリングの両面に良い効果をもたらす。
積載性

5

ボディサイズの大方をキャビンに使っているので想像よりも小さく感じられるトランクルームだが、ゴルフバックなら4セットがしっかり収納できる。大型の後席アームレスト内にも収納スペースが設けられた。大切な応接間であり執務室となる後席には、マッサージ機能など各種快適装備も用意される。
燃費

3

WLTC値12.4㎞/lだが、高速道路モードでは13.9㎞/lまで伸びる。使われ方からすると、出先で後席の住人を待つこと路上待機が多くなると思われるが、ハイブリッドシステムにより長時間のアイドリングが避けられることから環境面への配慮ができるようになったといえる。
価格

5

随所が手作りとなるにも関わらず2008万円だ。ハイパフォーマンスをうたうスポーツモデルが2000万円のプライスタグをつけるのとワケが違う。配置部位ごとに木材を変えながら、手作業で仕上げまで行なうセンチュリーは、まちがいなく日本で一番、手の込んだクルマ造りが行なわれている。その意味では、価格以上の価値があると断言できる。
西村 直人
西村 直人
自動車ジャーナリスト
WRカーやF 1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。