トヨタ アクア 「街中チョイ乗り用、高速や自動車専用道には不向き」のユーザーレビュー

街中チョイ乗り用、高速や自動車専用道には不向き

2020.12.7

総評

金沢でのSAIのエンジントラブルにより、代車として180km程度運転したが、改めてSAIの良さを痛感した代車だった。
徹底的なまでの低燃費を追求したクルマであり、低価格をなことも相まって、チョイ乗り用シティカーの完成形と言った感じ。
１日50km以内、高速利用はほぼ無しであればかなり有力な選択肢の１つになると思うクルマ。

満足している点

とにかく燃費が良い。
小型の1.5LエンジンにTHSⅡの組み合わせ、徹底した車体の軽量化と小柄な車格が相まってずば抜けた燃費を実現してくれている。
また、軽量化の為に装備を限定的にしているため、エントリー価格が181万円～と、手頃なのも魅力的か。

不満な点

走行性能全般など、燃費・低価格を実現した結果、クルマとしての快適性は極端に劣悪。
走行中の車内騒音は、商用軽自動車と同等に近いモノであり特に高速走行時は顕著に騒音が車内の各所より入ってくる。
速度の増加に伴い、直進性の悪化は加速度的(レンタカーとして借りたクルマの個体由来の可能性もある。アライメント調整が一切行われていないのかも？)であり、高速や自動車専用道の走行は強度の緊張感に襲われ、長距離・長時間の走行には非常に厳しいものがある。

デザイン

2

デザインは最近のトヨタにありがちな鋭角を多用してのオラオラ系のフロントスタイルとなっており、個人的にはかなりダサイ。
リアの形状も外観はスッキリとした輪郭の割には、ブレーキランプなどに不要な出っ張りを設けるような形など、まとまりがなく全体的にカッコ悪い仕上がりだと感じる。

走行性能

1

皆無。
低燃費を追求したパワートレインはアクセルベタ踏みで加速をしてもエンジンが猛烈な唸りを上げるだけで加速は亀のように鈍く、流れの早い高速の合流では追突の危険を感じる有り様。
高速合流のしやすさで言えばミニキャブやエブリイ、ハイゼットのような商用軽自動車にも劣るレベルであり、高速合流は切迫した恐怖と戦わなければならない。
また、80kmを超えた辺りからの車体の直進性には難があるように感じられ、多少でも路面に浅い轍が出来ていれば容易くハンドルを取られ左右に逸脱しそうになる。
軽量でコンパクトな車格ながら、車内空間確保のためか少し車高が高いボディとなっているが、先述の軽量さと相まって海沿いの強い横風では煽られやすく、免許取りたての初心者ドライバーには全くもって薦められないクルマとなっている。

乗り心地

1

軽量化と低価格の犠牲になっているのは乗り心地も同様で、少し舗装の荒れた道を走ればスプリングでは衝撃を吸収しきれずにガタガタと車内が揺動する。
エンジンマウントの制震材や吸音材も量が少なく、エンジン始動時の振動はしっかりと車内の座席に伝わり、エンジン騒音は車内に響き渡ります。
市街地を50～60km程度で走行する分にはまだ気に障る事はありませんが、高速・自動車専用道などの速度域が高い道を走ると瞬く間に騒音が無視出来ないレベルになります。
先述のアクセル全開時の加速の鈍さと、エンジン騒音の大きさから、ドライバーからすれば怖いくらいエンジン音が車内に響き渡るのに全く加速せず本線速度に乗れず、また、速度が60kmを超えると【ゴー】というタイヤハウスからのロードノイズが加速度的に大きく車内に響くのも、ドライバーと同乗者にさらに高速走行に対する恐怖心を煽るのに一役買っていると思います。

積載性

2

コンパクトハッチバックなので、積載性も望めません。
旅行の手持ち品だったボストンバッグと紙袋1つ、そしてノートPCバックを横に並べるとあっという間に埋まります。
幅的には長めの傘を横置きにしたくらい(85cm程度？)でしょうか。
日常的な買い物、2名一泊二日の小旅行程度の荷物が積める感じでした。

燃費

4

金沢市から七尾市までの往復180km程度、無料高速も使い走りましたが燃費を意識しない走り方でもトータル24km/L(メーター表示)、市街地でSAIと同じ走り方をしたら余裕で30km/Lを超えてきていたので、低燃費性能はずば抜けています。

価格

-

レンタカーなので無評価ですが、エントリー価格181万円のクルマの実力はこの程度かと感じました。
正直アクアの新車を購入するなら、状態の良い型落ちのプリウスや70万前後のSAIやHS250hを購入する方が、運転初心者の人には良いと思います。
中古のアクアを買うとしても同様の結論でしょう、個人的には。

故障経験