トヨタ 86 「ちょうどいいバランスのスポーツカー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

まるも 亜希子
まるも 亜希子(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

5

デザイン
5
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
4
価格
5

ちょうどいいバランスのスポーツカー

2022.6.20

年式
2012年4月〜モデル
総評
走りの楽しさと日常の快適性をうまくバランスし、スポーツカー初心者でも扱いやすく、ベテランドライバーでも奥の深い楽しみが味わえる希少な1台だと思います。後席にも荷物が置けるので、荷物が多い女性にもおすすめです。
満足している点
意外にも取り回しがいいところ。全幅が1800mm以下で、最小回転半径が5.0mなので、Uターンする際なども鼻先がくるっと小さく転回するイメージです。スポーツカー初心者にもおすすめできます。
不満な点
新型にはアクティブサウンドコントロールが採用されて、加速とともにリニアな音が響いてきて、とてもテンションが上がるようになっているのですが、旧型にはそれがなく、やはり音が……。もう少し官能的だと、もっと走っていて気分が高まると思うのですが。
デザイン

5

誰もが思い描く「FRのスポーツカー」の理想像をそのまま具現化したようなスタイルは、老若男女誰にでも似合い、親しみやすいという、スポーツカーとしては希少な1台。低すぎず、マッスルすぎず、でもちゃんとカッコイイ。リアには高い位置に配置したディフューザーがポイントとなって、軽快で若々しいスポーツカーを演出しています。
走行性能

5

日本のスポーツカーをダメにしたのが「ターボ、四駆、ハイグリップタイヤ」だ、と真っ向から挑戦状を叩きつけ、素のドライビングの楽しさを追求したのがこの86。ハイパワーじゃないから頭を使って的確に操作しないと、ちゃんと走らないところがまた夢中にさせるポイントです。でも比較的市街地も乗りやすく、ハードとソフトがほどよくバランスした走りだと思います。
乗り心地

4

前席は身体を深く面で支える形状のシートとなっていて、それほどタイトな印象はありません。インパネが水平基調なのがいいのか、山道などでも酔いにくいと感じました。我が家は合計3台の86を新車で購入しましたが、すべてワンメイクレース車両。でも、狭いながらも後席に乗って300kmくらい走っても平気だったし、なんとかファミリーでも使えるスポーツカーです。
積載性

4

後席が一体で前倒し可能なので、そうするとタイヤ4本積載もOK。なので1〜2人なら旅行時も十分の積載量があります。ただ、トランクリッドの開口部がちょっと狭くて、荷物を出し入れする際に引っかかることがありました。
燃費

4

スポーツカーなのに、燃費が最高でWLTCモード12.8km/Lというのは優秀ですね。MTは運転の仕方によって、燃費の優劣がかなり変わってきますので、上達しがいがあると思います。ただ、国産車ですが燃料はハイオク。というところは痛いですね。
価格

5

スタイルの良さや内容を考えると、破格とも言えるお買い得スポーツカー。気に入らないところは自分でチューニングして仕上げていく楽しみもあります。一応4人乗りなので、子供が小さいうちならファミリーでも使えるし、ほかになかなかないクルマです(実際、我が家も先代の86にチャイルドシートをつけて3人でドライブしていました)。
まるも 亜希子
まるも 亜希子
自動車ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員。YouTube「クルマ業界女子部チャンネル」、「おっさん on boad」にも出演中。
トヨタ 86 新型・現行モデル

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