スズキ ワゴンR 「比較的お手頃価格で狙える「元祖・便利な箱」」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

比較的お手頃価格で狙える「元祖・便利な箱」

2021.2.22

年式

2017年2月〜モデル

総評

後席がスライドドアではないため「子どもによるドアパンチ（駐車中、隣の車にドアをぶつけてしまうこと）が心配」というのは確かにある車です。しかし逆にいえば、欠点と言えるのはそこぐらいのもの。スライドドアではないゆえに車両価格も比較的安価ですので、「しっかり使える車を手頃な価格で手に入れたい」と考える人には最適な車のひとつです。

満足している点

積載性や乗り降りの容易さに関しては軽スーパートールワゴンに分がありますが、（スーパートールタイプと比べれば）背が低めな分だけ、ワゴンRのほうがキビキビとした感覚を伴って街中を移動することができます。もっさりとした運転感覚をあまり好まない人には、ワゴンRぐらいの背の高さの軽自動車が向いています。

不満な点

走行性能や積載性などには目立った弱点はなく、むしろ美点ばかりが光るスズキ ワゴンRですが、そもそものボディ形状ゆえに後席ドアがスライドドアではなくヒンジドア（ちょうつがいを使って開くタイプのドア）となってしまうのは、小さなお子さんがいるご家庭にとっては正直気になるポイントです。

デザイン

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イメージが異なる全3種類のデザインを用意。ワゴンRの「FA」と「ハイブリッドFX」には四角をモチーフとしたシンプルなフロントマスクが与えられ、同「ハイブリッドFZ」は横基調のラインでグリルとヘッドランプを上下分割したスポーティな顔つきを採用しています。そしてワゴンRスティングレーには、メッキ加飾と縦型のLEDヘッドランプなどで迫力を強調したフロントマスクを採用。どれを選ぶかは好みの問題ですが、いずれのフロントマスクもセンス良くまとまっています。

走行性能

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標準モデルは、軽量化された新世代プラットフォーム「ハーテクト」と、小規模なハイブリッドシステムである「マイルドハイブリッド」により、不足のない加速や巡航が可能。また軽量化されたことによる恩恵か、市街地での乗り心地が良好なのもこの車の特徴です。またマイルドハイブリッドシステムのモーターがアシストしてくれるため、市街地ではノンターボ車であってもアクセルペダルを深く踏む必要はあまりありません。ただし高速道路ではさすがに力不足を感じる局面もあるため、長距離を走る機会が多い人にはターボエンジンも用意している「ワゴンR スティングレー」の上級グレードが向いているでしょう。

乗り心地

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前述した内容とやや重なりますが、市街地での乗り心地は大いに良好。背が高めな車ではありますが、極端に高い車（軽スーパーハイトワゴン）ではないため、余計なゆらゆら感はほとんどありません。また足まわりがややハードなスティングレーも「硬すぎる」ということは決してなく、落ち着いた乗り味を堪能できます。

積載性

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後席のバックレストを前方に倒すと座面も連動して下がり、フラットで広い荷室に変更可能。後席のスライドを含めて左右独立式なので、乗車人数や荷物の量に応じて調節しやすい作りだといえます。荷室の床下にあるボックスの容量も、先代以上に拡大されています。

燃費

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マイルドハイブリッド車のWLTCモード燃費は25.2km/Lとまずまず良好。そしてターボエンジン付きのワゴンRスティングレーも、同じくWLTCモードで23.4km/Lという、軽ワゴンターボ車ではトップクラスの燃費をマーク。CVT（無段変速機）のギア比を見直すなどして、実用域での燃費は先代よりも向上しています。

価格

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上級グレードであるハイブリッドFZ（2WD）でも車両価格142万1200円で、しかもこれには先進安全装備がパックになっている「スズキ セーフティ サポート」が標準で含まれています。ワゴンRスティングレーのターボ付き最上級グレードであるターボT（2WD）はさすがに165万3300円となりますが、それ以外のグレードであれば「お手頃価格」と言うことができるでしょう。