スズキ スペーシアギア 「停まってるときも嬉しいハイトワゴン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

停まってるときも嬉しいハイトワゴン

2024.12.23

年式

2024年9月〜モデル

総評

「アウトドアライフに欠かせないアクティブ軽ワゴン」をコンセプトに新しくなったスペーシアギア。初代より大人っぽい雰囲気と、後席のフレキシブルな使い勝手を手に入れて、移動するだけでなく目的地や立ち寄り場所で停まっている車内でも、楽しみとリラックス感が増えたのではないかと思います。撥水加工のシートで、遊びにガンガン使えるのも便利です。

満足している点

後席に加わった新機能として、オットマン、レッグサポート、荷物の落下防止となるストッパーと3タイプに使える「マルチユースフラップ」が便利。オットマンは停車中のみの機能ですが、長距離ドライブの際にちょっと休憩、というときでも足を支えてもらうだけでゆったりとリラックスできると思います。

不満な点

満足な点と相反するところなのですが、後席にマルチユースフラップという機能が追加された影響もあるのか、一般道でも後席に座っているとやや座面がたわむような揺れを感じるシーンがありました。気にならない人もいると思いますが、一度気になりだすと違和感が続くのでぜひ後席にも試乗してみることをお勧めします。

デザイン

5

堂々と張り出したバンパーにアンダーガード風の装飾、太いメッキブロックが縦に並ぶグリルと、大人っぽさとワイルド感のあるエクステリアデザイン。ブラックルーフのツートーンで、市街地でも浮かない程度のポップさが魅力的です。ブラックで引き締めたホイールやサイドのバンプモールもいいアクセントとなっています。

走行性能

5

マイルドハイブリッドで発進からアシストされて軽やかに走り出し、街中ではまったく頑張ることなく軽快な走りを見せてくれます。ターボのパワフルさも相まって、急な上り坂も高速道路も余裕の走り。上り坂ではややエンジンが大きく唸る場面もありますが、息継ぎするような不安はなく走れると思います。

乗り心地

4

見た目のワイルドさとは打って変わって、乗り心地は落ち着いています。ゴツゴツと路面の悪さやギャップを拾うところはあるものの、振動が長引かないので安定感もあります。高速道路ではやや風切り音が入ってくるときもありますが、この広大な空間にしては静かだなと感じました。

積載性

5

4人乗車時でも荷物が積みやすいよう、荷室側から後席のスライド操作ができ、奥行きがすぐに変えられるのが便利。後席はワンタッチダブルフォールディングで簡単にフラットにでき、助手席までフラットになるので、大きな荷物も長い荷物も積みやすくなっています。自転車の前輪を乗せるとスッと積みやすくなるガイド溝も健在。フロアは泥汚れなどにも強く、掃除がしやすい防汚タイプラゲッジフロアを採用。シートも撥水加工となっているので、プールなどの水遊びで濡れたまま座っても汚れにくいのが嬉しいところです。

燃費

5

ターボでもWLTCモードで21.9km/Lというカタログ数値は立派。自然吸気エンジンなら23.9km/Lになるので、マイルドハイブリッドの恩恵を感じることも多いと思います。ただ、高速道路を長時間走るような場面ではあまりマイルドハイブリッドの効果はないので、使い方によって燃費の良し悪しも変わりやすいかもしれません。

価格

5

シンプルにターボと自然吸気の2グレードとなっており、ターボでも203万円台というのはリーズナブル。オーディオレス仕様なので、そこから実出費は少し高くなりますが、ターボも自然吸気も安全装備や快適装備はほぼ差がないのは良心的。市街地中心なのか、遠出もするのかなど、用途によって選べばよいと思います。