スズキ ジムニーシエラ 「デメリットをメリットに感じる全ての変態向けの車」のユーザーレビュー

デメリットをメリットに感じる全ての変態向けの車

2024.11.3

総評

高級サルーン（かつて300万円以上のセダンなど）以上の乗り心地が基準であれば選んではいけない車です。
一方、スポーツカーなど足回りが硬く振動や騒音に耐性のある人が選ぶなら「場合によっては」全く気にならない人もいるでしょう。

エンジン以外にもミッションなど様々な機械の作動音がしますから「静粛性」がストレスにもなる場合があります。A地点～B地点までの移動が主目的だとうんざりするのではないでしょうか。

この車の最大のメリットは「操り感」で、低速なら障害物や凹凸をいなしながら乗り越えていくこと。ワインディングなども「車と対話」しながら操作をすることで得られるものでしょう。

良くも悪くも適切な操作を全てのシーンにおいて要求されます。

満足している点

〇古典的スポーツカーのレイアウト
縦置きエンジン+リア駆動+MT　リジッドアクスルなのはアメリカンマッスル～AE86の頃まで存在した。ゆえに入力衝撃はあるが旋回時はじわーっとロールする。

〇超ショートホイールベース
ハンドルを切れば切るほど曲がる。急ハンドル時の横転リスクにもナロー設定は貢献しているので常にゆっくり大きく回すのが吉。

〇アイポイントがちょうどいい
足の長い人なら乗り込み時の問題はクリアできるが、割と引っかかる。その分、他の車種より見晴らしがよいので交通状況が把握しやすい。

〇燃費が良い
エンジンやトランスミッションのおいしいところさえわかれば実燃費15前後で市街地走行できる。スーパーハイト軽NAをベタ踏みするくらいならこちらの方が優秀だし、コンパクトカー比較でもかつての安全装備が少なかった時代のものと遜色ない。

不満な点

✖左折時に寄せるのに慣れが必要かも
超ショートホイールベースゆえに曲がるタイミングはシビア。外側にはみ出すサイズではないけど。

✖アイドリングストップまじでいらねえ
毎回ボタン押すの忘れるので初回の信号停止時に作動させてしまう。

✖ブレーキがプアに感じる
オフロードでのコントロール性を担保しているためか、一般道や高速道路、渋滞などで前が急に詰まった際の少し強めのブレーキでは不安を感じます。ピッチングも大きめなので信号の度に前後の揺れがあります。

✖半クラ位置でのアクセル開度調整が癖あり
ふかし過ぎ、出力足りなさ過ぎのどちらかが出やすいので個人的には慣れるまでに時間かかりそう。

✖荷室の荷物が滑りまくる
ラゲッジマット必須かも。

デザイン

5

個人的には先代モデルからずっと刺さっていますし、現行型もデビュー時からぐっときてました。
プラスチッキーなんじゃなくて「モロ」プラスチックです。

走行性能

5

個人的には満足、納得しているので5つ星。
安楽な車ではないので「気を抜くな」としかアドバイスできませんけど…

乗り心地

5

舗装の凹凸を乗り越えた時の衝撃が少ないので快適な部類だと感じる。
振動や音は車体から様々なものが入ってくる。

S2000、BLレガシィ、GDBインプレッサからすると高級車。

積載性

5

フルフラットにはなるし、大抵のものは積める。四人乗車前提だと何も載せられないので用途や工夫などで限定的。

燃費

5

1500CC　1080キロで15キロくらい出ていれば立派じゃないでしょうか。
状況次第では660CCのNAとほぼ同等。

価格

5

総額おおよそ220万円（マット、ナビ周辺部品、持込部品工賃）

ジムニーも販売価格がだいぶ上がりましたが、この時代にこの価格で楽しめるスズキ天晴。

現時点では売却しても金銭的に大きな損失はないと思います。

故障経験