スズキ アルト 「小さい軽自動車の決定版！」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

小さい軽自動車の決定版！

2021.3.25

年式

2014年12月〜モデル

総評

アルトは、小さくて簡素だが、それが強みにもなっているモデルだ。アルトには端々にしっかりとした説得力があるから、「軽自動車の一番安いモデルに乗っている」と卑下するのではなく、「自分が好きでこのモデルを選んでいる」と、ユーザーに自信を持たせてくれる。小回りも効くし、燃費も良いし、人も楽々乗せられるし、生活を共にする相棒として、長い間良い関係が築けるモデルだと思う。

満足している点

ここまで簡素でコンパクトな軽自動車を現代でも開発し販売しているだけでもすごいことだと思う。装備類は決して豪華とは言えないが、実際に触れてみると、モデルの軽薄さは感じられず、ひとつひとつ実直に作られていることが分かる。デザインも個性的で可愛いし、エントリーモデルとして初心者が購入しても、恥ずかしくないモデルであるところも◯。

不満な点

トランスミッションが3種類も用意されているのには驚いたが、5AGSはシフトショックなど、ちょっとクセがあるモデルなので、ATのような単純でスムーズなドライブフィールを求めている方は、CVTモデルの購入をおすすめする。

デザイン

4

初代アルトのデザインを受け継いでいる少しレトロなアルト。ヘッドライトまわりのめがねのような縁取りや、四角い箱型のボディは、他の軽自動車にはない個性的なデザイン。簡素さの中にも、こだわりを感じられるデザインが◯。

走行性能

4

軽自動車の中でも、さらに極限まで無駄を削ぎ落として作られているアルト。なんと車重は約650kg！たとえ非力なNAエンジンでも、車重の軽さのおかげで、どこへでもスイスイ走って行ける。クルマが素直な動きで走ってくれるので、誰にとっても運転しやすいモデルになっていると思う。ただ、5AGSモデルは、シフトショックが大きい場面もあるので、簡単に快適に運転できるモデルとしては、CVTをおすすめしたい。

乗り心地

4

アルトのサスペンションは、よくストロークするのに加えて、13インチというタイヤのおかげで、乗り心地は◯。シート地も柔らかいクッション性のあるものになっているが、経年劣化が早そうなので、そこは注意されたし。

積載性

4

軽自動車の中でもコンパクトなアルトは、荷室容量はそこまで大きくはないものの、室内空間は工夫が凝らされている。ボディサイズは小さいが、運転席で普通にドライビングポジションを取っても、後席は足を組めてしまうほど広い。細かい小物入れやショッピングフックなども装備されているので、工夫次第では使いやすいモデルになるだろう。

燃費

5

「エネチャージ」搭載グレードは、一般的なハイブリッドモデルと比較して、駆動用のモーターがなく、電装品に回生エネルギーを利用するエネチャージのみ搭載しているシンプルな構造にも関わらず、燃費は23.4〜25.8km/L（WLTCモード）という驚愕の数値！「軽くてシンプルなクルマこそ、生活にも環境にも良い影響を与えるんだ」と思い知らされるモデルだ。

価格

5

もっとも簡素なグレードで、約86万円。それに先進安全装備を付けても、約92万円。新車で100万円を切る自動車はほとんどないので、ここまで価格を突き詰められているだけでも◎。アルトは、軽くて小さいクルマだからこそ、安全装備の『スズキ セーフティサポート』装着車をおすすめしたい。