スバル レガシィ アウトバック 「国産としての素性に誇りを持て 北米市場を意識して姿かたちをアメリカナイズしたのでは、もはや日本車とは名乗れないであろう。これまでのアウトバックと比べ、」のユーザーレビュー

国産としての素性に誇りを持て 北米市場を意識して姿かたちをアメリカナイズしたのでは、もはや日本車とは名乗れないであろう。これまでのアウトバックと比べ、

2009.11.20

総評

国産としての素性に誇りを持て
北米市場を意識して姿かたちをアメリカナイズしたのでは、もはや日本車とは名乗れないであろう。これまでのアウトバックと比べ、スタイル・内装はずいぶんと大味になってしまった。世界市場を意識して世界市場にすり寄った結果、アウトバック（≒レガシィ）伝統の野武士的雰囲気は失われ、単なるアングロサクソン系のマッチョ的雰囲気となってしまった。
日本市場の中から育まれ、よって全幅も長らく1690ｍｍサイズにこだわってきたレガシイ。そして、そういうレガシィが国内はもとより北米市場でも支持されてきたのではないのだろうか（そしてその派生モデルであるアウトバックも）。
国内市場を切り捨てた結果が現在の国内販売台数にも表れている。現在赤字のスバルが世界市場に活路を見出したかったのは理解できるが、それが果たして今回のような「転向」であったのだろうか。
日本車としての味を捨て去ったことが、海外で「外国車」として支持されるのか興味のあるところである。
走りの面では３．６気筒のしなやかで力強い走りが秀逸であり、高速クルージングの場面でこそその高性能ぶりが発揮されるというレガシィ伝統の走りは守り抜いている。５速ATもとりたててデメリットは感じない。そういう意味ではレガシィ伝統の「ドライバーズファン」はしっかりと残っていると感じた。
それゆえ、その高性能な走りがアメリカナイズされた衣装をまとっている点がつくづく残念なのである。新型アウトバックを街中で見かけても「ワクワク」しないのがスバリストの私としては残念なのである。

満足している点

世界規模の視点で見れば、レガシィの主力モデルはアウトバックである。そして、今回のレガシィラインナップのデザインの基本はアウトバックから発していると考えられる。ゆえに、このマッチョなスタイルもアウトバックが一番しっくりとしている。
＊なんといってもターボにはない3.6気筒水平対向エンジンのリニア感覚の走行性能。発進時からその快適さはいかんなく発揮される。このエンジンを味わうと2.5リッター４気筒ターボエンジンのがさつさが目に付きだす。
＊歴代レガシィは、シートが良くなかった。すぐに底をついてしまうすわり心地で、先代モデルはとくにその傾向が強いと感じた。それに比べると低反発素材を利用したシートはずいぶんと疲れにくくなった。
＊悪評高い内装のチープさも、アウトバックなら許せそうな感じだ。あるいは、こちらが慣れてきたせいだろうか。
＊SIドライブは意外と重宝する。普段はエコモードである「Iモード」で十分ストレスなく走行でき、いざという時には「S♯」のかなりメリハリの利いた力強い走りが体感できる。３つのモードの走行感覚の違いがしっかりと体感できる点がよい。
＊後部座席は確かに広くなった。後部座席に人を乗せる際にこれまではフロントシートを少し前にスライドさせて後部スペースを広くすることもしていたが、そういう気遣いが不要になった点は良い。
＊アウディのフロントマスクほど特徴的ではない新型のフロントマスクであるが、特に特徴がないにもかかわらず、実物は写真以上に力強く迫力がある点は、新型のスタイルの中で唯一気に入っている点だ。

不満な点

アメリカモデルにはかっこいいルーフレールが付いているのに、国内モデルではそれが省略されており、デザイン自体が簡略バージョンのように見えてしまう点が残念だ。どうせ車高もルーフレールなしでもすでに機械式パーキングには入庫不可なのだから、原型モデルのルーフレールはつけてほしかった。
＊リアバンパー両サイドの赤色反射板が不細工だ。
＊新型のアルミホイールデザインは全シリーズとも駄作だ。こういうディテールの大味さが新型の最大の短所だと感じている。
＊ワゴンとしての機能の一部を切り捨てたところ。先代まで標準装備されていたコンソールボックスの電源や先代までカーゴスペースに標準装備されていた電源、換気ファン等がなくなってしまっている点。
＊積載能力は十分ありながら、必要最小限の大きさというレガシィ伝統の良さが先代から徐々に無くなってきたのは残念。また、車高は１．６ｍを超えているので一般の立体駐車場には入らない。
＊北米仕様の方がかっこいいところ。

デザイン

-

走行性能

-

乗り心地

-

積載性

-

燃費

-

価格

-

故障経験