アウトドアにはアウトバック
ツーリングワゴン、B4に続いてアウトバックも試乗をした。選んだのは同じNAの2.5のLパッケージ。
元々SUV用のシャ
2009.6.1
- 総評
- アウトドアにはアウトバック
ツーリングワゴン、B4に続いてアウトバックも試乗をした。選んだのは同じNAの2.5のLパッケージ。
元々SUV用のシャシーが無かったスバルが、レガシーの車台を利用して、最低地上高を上げて作ったのがアウトバック(当時はグランドワゴン)。そんなわけで、ワゴンとの違いは正直、大きめのタイヤと最低地上高のみと考えても良い。
それじゃあワゴンでいいじゃん。という人も多いが、それはそれで結構。でも違うんだな。趣味で山歩きをするので、オフロードに入ることも結構多いが、そこで必要なのはロードクリアランス。昨年、RV車からミニバンに車を買い替えたが、前車のつもりで林道を走行中、路肩の岩石にサイドシルをぶつけてしまった。修理費は4万円也。買ってまだ半年なのに・・・(T_T)。 その点、アウトバックならロードクリアランスは200mm。この値はジムニーと同じ。パジェロやランクルなどの本格派クロカンほどではないが、ツーリングワゴンよりは50mm高いし、ヴァンガードや、C-RV、ムラーノなど(ともに185mm)よりも最低地上高は高い。
背が高いことのもう一つの利点は、運転時の視界の良さ。乗り比べると判るが、座面はワゴンよりも高く、視点も高くなった。数台先の情報も良くわかるので、運転が楽だし安全だ。また、背が高いからと言って、他のSUVの様に、乗り込む時に登るような感じもなく自然に着座でき乗降性は良い、小さな子供や年配の家族を持つユーザーにはありがたい。
肝心の走行性能はツーリングワゴンに近く、良い味を引き継いでいる。新開発のCVTは、違和感もなく自然な加速が楽しめた。2.5LのSOHC(170ps)はパワフルというほどではないが、1.5tのボディを引っ張るには十分な余裕。アクセルを踏めばとスッと加速し速度が上げる。これなら動力性能は合格。
先代よりもワイドになり、背が高くなったデザインはマイナスではあるが、SUVという性格上、ワゴンやB4ほどは気にならない。ただ残念ながら、燃費については他と同様に及第点はあげられない。もう少し頑張りましょう。
とは言え、ある程度のオプションを備えても300万円以下という価格は結構お買い得。オフロードで愛車のサイドシルやフロアを擦って修理費に泣くこともない。オン/オフ両方をこなすSUVとしては、結構良い出来だと思う。
- 満足している点
- ・シンメトリカルAWDの走行安定性:
初代から20年以上も熟成させてきた水平対抗+AWDというシステムは乗っていても安定感がある。
この新型で実際に雪道を走行したわけではないが、これまで自分が乗った車の中では、特に雪道、悪路での安定性はスバルのAWDが一番だった。かなりハードな状況でも、スタッドレスさえはいていれば、チェーンのお世話になることはなかった。AWDであるため、突然の路面状況の変化にも素早く対応できることと、低重心でありAWDとしては比較的軽い車体もその理由だろう。
装備されたタイヤはワゴン、B4とは異なりマッド&スノーのオールシーズンタイプなので、タイヤを履き替えなくても、ちょっとした雪道なら大丈夫そう。
・運転席からの視界
3車種中もっともシートポジションが高い。乗り比べてみれば明らかだが、その分アイポイントも高く前方の視界は良好。数台先の状況も把握しやすくなるので、運転していて楽だし安全。
・カーゴスペース
後部座席に余裕を持たせながら、4人で2泊3日のキャンプ・スキーに出かけても不満のないカーゴスペースを確保。この点は大きくなった利点。
・静粛性:
アクセルを踏み込んだ時の室内の静粛性はかなり上がっている。ただし、タイヤはオールシーズンタイヤを履いているので、高速走行ではロードノイズが若干大きくなると思う。街乗りではその差はほとんど感じられなかった。
・価格:
ベースグレードの2.5iは実質かなりの値下げ。それなりオプションをつけたLパッケージでも300万円以下に押さえたプライスはお買い得。
- 不満な点
- ・燃費:
試乗車だったので皆がアクセルを踏み込むということで、割り引いて考える必要はあるが、残念ながら燃費計の表示は6km台後半。カタログ値の燃費を出すのはかなり厳しい。実用燃費は、市街地で7~8km/L、高速で10~11km/Lといったところか。もう少し頑張りましょう。3.6Lのグレードもあるが、価格も50万円高くなるし、2.5Lでこの燃費では選択は難しい。営業マン氏の話でも前も3.0Lはほとんど売れませんでしたとのこと。
・大きさ:
北米仕様ほどではないが、車幅は1.8mを超えて3車種中もっともワイド。狭い林道、山道に車を乗り入れたりするので、アウトドアを楽しむためには、車幅は出来るだけコンパクトであることが望ましい。この幅だとサイドを藪で擦る可能性もそれなりに高くなる。積載能力は十分ありながら、必要最小限の大きさでというレガシーの良さが段々無くなってきたのは残念。と言うわけで☆一つ減。また、車高は1.6mを超えているので一般の立体駐車場には入らない。
*その他、欠点ではないが気になった点
・後部座席を倒しても完全にフラットにならず微妙に斜め。別に困ることはないが、なんか気になる。
・荷物をさらに積載する場合は、ルーフキャリアを付けたい。ルーフレールがあると車体に傷つけずに装着できるので、あると良い。(最近ルーフレールのある車少ないよね。)
- デザイン
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- 走行性能
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- 乗り心地
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- 積載性
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- 燃費
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