4ＡＴって時代遅れってどういう事ですか？ 今日車の雑誌を買ったんですが スバルの車いくつかに もう4ＡＴは時代遅れ 触る気もしないなど 書かれていますが

Question

全く意味がわかりません。
何が時代遅れか解る方いらっしゃいますか？

Answer 1

●4速ATと6速ATの差は？
★４速AT（前型 日産エクストレイル T30）
1速 ＝ 2.785
4速 ＝ 0.694
最終減速比 ＝ 4.425 （QR20DEエンジン）

★6速AT（現行 日産エクストレイル T31）
1速 ＝ 4.199
6速 ＝ 0.685
最終減速比 ＝ 3.571

以下，比較は「4速AT／6速AT」と表示します。

変速比幅 ＝ 4.01／6.13 → 6速化で1.53倍に拡大
総合減速比（最低段）＝ 12.32／14.99 → ６速化で1.21倍に拡大
総合減速比（最高段）＝ 3.07／2.45 → 6速化で1.25倍に拡大

●それぞれの比較項目の意味は？
・変速比幅 … 変速機の最低段と最高段の変速比の幅（レシオカバレッジ）を示します。これが大きいほど，低速域では強い加速になり，高速域では低燃費（エンジン回転数低減）になります。エクストレイルでは，前型車より1.5倍も広げており，もし同一エンジンなら，20%くらい燃費が改善できます

・総合減速比（最低段） … これが大きいほど，低速域での加速が強くなります

・総合減速比（最高段） … これが小さいほど，高速域でのエンジン回転数を低くできます

●どうしてスバルは変速機開発に遅れたのか？
スバルは，エンジン搭載方法が特殊で，アイシンやジヤトコ製の変速機を使うことができません。つまり自社開発です。このため他のメーカより変速機生産台数が少なくなり，開発サイクルが長くなってしまうのです。これはホンダも似た事情です（トルコン付きCVTや6速AT投入の遅れ）。

●スバルの最新変速機（リニアトロニック）とは？
スバルは世界初のCVTマスプロメーカです（車両はジャスティ）。にもかかわらず，トルコン付きCVTは日産主体の開発になり，CVTをあきらめていました。しかしレガシィなどに搭載された新型CVTは注目すべき技術です。これは，欧州の一部メーカが採用したようなチェーンを使い，プーリの伝達効率を上げることで，プーリ径を小さくし，CVTユニットの縦置き化に成功しました（世界初）。
この変速比幅は，6.32であり，6速AT並の幅広い変速比を獲得しています。
ちなみにレガシィのターボエンジンは５速ATで，変速比幅は4.24と，20年前と同じです。

●スバルの次の手は？
加速性能と燃費性能の両立化を狙い，6以上の大きな変速比幅をもたせるため，6速以上の多段ATあるいは副変速機付きCVTというのが，現在の常識です。スバルもリニアトロニックでやっと追いついたところですが，下記の問題があります。

・大きなトルク容量（＞350Nm）への対応
・6速以上（つまり7速あるいは８速）への対応

つまりCVTのトルク容量アップでいくか，7速以上の多段ATを開発しないと，すでに出遅れているのです。

●最後に，「4速ATの歴史」を
50年くらい前は，MT（手動変速機）が主体でした。この頃のATは「3速AT」でした。ところが，東名高速道路などが徐々に整備され，速度 100km/hで走行することが必要になりました。ところが3速ATで高速走行すると，下記の問題があったのです。

(1) エンジン音がうるさくて車内で会話ができない
(2) 高速走行時の燃費が非常に悪い
(3) 変速時のショック（トルク段差）が大きい

これらを解消するため，直結の「3速：変速比1.0」の上に「4速：オーバードライブ：変速比 1.0未満」を作ったのです。これが「オーバードライブ付き4速AT」の始まりです。この4速ATの登場で，上記の問題はだいたい解決できました。しかし次の問題が出てきました。

<1> さらなる燃費改善
<2> 大出力エンジンでの変速ショック低減
<3> さらなる加速の改善

このため5速ATが作られました。しかしすぐに6速ATに移行し，現在の高級車はほとんどすべて6速AT以上です。

簡単ですが，ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

皆さんとても解りやすくありがとうございます！！！！！！

Answer 2

現行フォレスターの４ＡＴは、１速→２速→３速→３速ロックアップ→４速→４速ロックアップと替わって行きます。やっている事は６速ＡＴと同じです。こういった事を知らない人達は時代遅れなどと言っちゃったりします。詳しくはＷｉｋｉｐｅｄｉａ【トルクコンバータ】を参照してください。

Answer 3

カタログスペック的な話ですよ。
乗れば大差ないのがわかります。

Answer 4

意味があって４ATならいいんですけど、あれは単に設計が古いんです

Answer 5

基本的に、ATであれMTであれ、「多段化することにより常に最適なエンジン回転数を使用できるようにする」というのが一つのセオリーです。しかし現実には、製造コスト・重量増加などのデメリットとトレードオフの関係にあるため、そうやたらとギヤ数を増やすわけにもいきません。
そうした諸条件の折り合う点が、従来の普通車は「5速MT」「4速AT」だったわけですが、最近はMTなら6速、ATなら5速～7速程度が増えています。今時、4ATといえば軽自動車にでも当たり前に使われている装備ですから、ある程度以上の大きさの新型車でまだ4ATを使っていれば「時代遅れ」と言われても仕方ないでしょう。

Answer 6

燃費や走行フィール重視で、7ATや8AT等の多段化や、CVTによる無段化が著しく進行しているのに、旧態依然とした4速ってのがスペック重視の人からみたら嫌なんでしょうね。