ポルシェ ボクスター (オープン) のみんなの質問

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車にとても詳しい人に質問です

現在は駆動方式がRR方式の車は全く採用されませんが、RR方式の車が出来ない理由はなんなのですか?RR方式ももFF方式同様スペース効率がいいと思うので作ってもいいのではと思います

RR方式にすることで何か事件があったのですか?

詳しい回答をよろしくお願いします

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ベストアンサーに選ばれた回答

ここでは実際のクルマにもとづいて,RR駆動の特徴を説明いたしま

●ポルシェ911
ポルシェ356は古くからRR駆動ですが,ベースはVW(旧ビートル)です。開発当初は,エンジンもあまり大きくなく,VWのレイアウトをそのまま生かして,エンジン出力をアップしていました。

→ もともとはVWのレイアウトを流用したスポーツカーをつくるため

その後,911は水平対向の6気筒エンジンになり,排気量・出力をアップしてきました。ここで911に採用したRR駆動は次のメリット,デメリットがありました。

★メリット
トラクション限界が高い … 大きなエンジンの駆動力を路面に伝達できるので,加速が良くなります

→ トラクション限界 = 摩擦係数 × その車輪の垂直荷重

~ RRは,もともと前後重量配分比が,35:65くらいで,しかも加速時には,後輪へ荷重移動するため,30:70~25:75のように,大きな荷重で後輪に入ります。このため大きなトラクションが得られます

★デメリット
(1) ステアリング特性 … 旋回時,オーバーステア,スピンになりやすい。またスピン時,重心からエンジンまでの距離が長く,慣性モーメントが大きいので,復原しにくい
(2) 直進性 … フロント荷重が少ないため,直進性が悪い

~ 後輪の摩擦円で,駆動力が大きいため,横力が不足します。このため旋回時,後輪の横方向の滑りが発生し,おしり(車両後端部)が外側に流れ,オーバーステア,そしてスピンに至ります

→ プロのドライバなら,後輪の滑りはじめがわかるため,RRのトラクションを生かした運転が可能です。しかし一般のドライバでは,非常に危険な運動性能といえます

→ コルベットの事故は,このオーバーステアとリアサスペンションの形式(スイングアクスル)によるオーバーステア助長によって起きています。旋回時,内輪側が強いポジティブキャンバになり,強い旋回モーメントを持つためです。シボレー社はこのことを知っており,前輪の空気圧を低くすることで,タイヤの横力を低下させ,アンダーステア傾向を持たせていました。しかし多くの人がこの空気圧設定を知らず,前後同じ空気圧にしたため,オーバーステア+横転事故が頻発しました。

●911の現在の課題は?
下記4つです。

(1) 出力アップ … 水平対向6気筒では,ボアサイズに限界があり,火炎伝播速度からみて,8気筒化が必要です
(2) 冷却系 … ターボ・チャージャにより,出力がアップしたのですが,エンジンおよびチャージエアクーラ(=インタクーラ)の冷却が大きな課題です
(3) 4WD化 … 後輪荷重が大きいことにより強大なトラクションがあるのですが,それも限界に達しており,GT2のような4WD化が必要になってきています
(4) RR/MR? … ボクスターのようなMRの方が,望ましいのですが,「911=RR」という強烈なイメージがあります

●VWのビートル → ゴルフへの変化?
VWはビートルの販売低下にともないRR駆動でデザインだけを変えた車をつくりましたが,まったく売れませんでした。そこでリア・ミッドシップのクルマを試作しました。ちょうど三菱i(アイ)のような感じです。
しかしエンジン熱の処理が難しく,冷却系の配管がたいへんだったため,この構想はなくなり,FF駆動が選ばれました。FF駆動もAUDIのような縦置きと横置きが検討され,結果的にAUDIは技術的課題が少ない縦置きを選択したものの,VWは等速ジョイントやトルクステアなどの技術課題がある横置きを選択しました

●どうして三菱i(アイ)はリア・ミッドシップなのか?
30年くらい前の軽自動車の多くが,RR駆動でした。ここでは軽自動車の駆動方式の変遷について説明いたします。

・初期 … RR駆動。軽自動車が出る直前,スズキがFFを作りましたが,等速ジョイントが満足にできおらず,技術的に失敗しました。このため各社,技術的に簡単なRRを選択しました

・現在 … 等速ジョイントの問題が片付いたため,レイアウトしやすく,トランクスペースが広いFFが一般的になりました

・三菱i … 三菱はリア・ミッドシップ(RMR)を選択しました。狙いは軽自動車を超えた操縦安定性です。前後重量配分比を45:55にします。これにより旋回時,前後のタイヤの横力がほぼ同じバランスになります。また制動時には,前輪に荷重が移動するので,前後重量配分比が50:50くらいになり,制動能力が良くなります。
コストや重量を考えると,FFが有利なのに,RMRを採用したのは,もうひとつ理由があります。これは衝突時,車体の中央部に高電圧部品があるので,漏電事故の確率が下がるためです

ご参考になれば幸いです。

質問者からのお礼コメント

2011.9.13 22:10

RR駆動方式にはそんなに沢山の欠点があるのですか・・・。他の方々にもRRの特徴や注意点、コルヴェア事件などの解説をいろいろありがとうございました。
また私が分からないことがあれば質問します。

その他の回答 (8件)

  • 唯一採用されているのはポルシェ911だけですね。

    他社の追従できない事情としては、
    あまり深い意味はなく、以下の単純な理由となります。

    RR作ったらポルシェと比較されます。
    そしてポルシェに勝てないと酷評され商売にならないのです。これだけです。
    打倒ポルシェのルノーアルピーヌ(RRです)は生まれながらにして悲劇で始まり悲劇で終わりました。
    RR車体設計に関しては歴史と技術ノウハウの量が違い過ぎますから。


    その中ではスバル(サンバー)が一番の成功例でしょう。
    あと、バスはRRですね。スペース効率を追求した成果でしょう。
    FFバス、MRバスはありませんよね。昔はFRバス(ボンネットバス)がありましたがスタックする代名詞でした。


    RRを追求すればいいことづくめです。ポルシェ意外ではルノーが一番研究しました。
    究極の公道用自動車が作れます(レースカー除く)。
    ■宇宙一のブレーキ性能
    ポルシェ所有の楽しみの一つにブレーキがあります。
    GT-Rだろうが、フェラーリだろうがブレーキは我慢時間ですが、ポルシェは快楽時間です。
    ブレーキで車体全体が地面にへばりつくように沈み込むのはポルシェRR駆動だけです。
    ■4人乗れます。
    ポルシェ911は乗用車です。レース専用車ではありません。
    2人乗りに妥協したMR配置のボクスターとは志が違います。
    ■(みなさんが言われている)トラクション性能です。

  • ポルシェ911はRRなのでは?

  • RRのクルマを設計する人の立場で考えて見ましょう。
    ・ラジエターとエンジンとの間の冷却水の配管の長さはどれだけ増加しますか。それによって、ウオーターポンプの力は何%増加させなくてはいけませんか。配管の重量の増加はどれだけになりますか。
    ・エアコンのコンプレッサーとコンデンサーやエバポレーターとの配管はどれだけ長くなりますか。それによる重量増加とコストの増加はどれだけになりますか。
    ・オルタネータとバッテリーの距離は何メートルの増加になりますか。電気抵抗をふやさないようにするには、配線の太さをどれだけ増やさなくてはいけませんか。それに伴う重量増加とコストの増加はどれだけになりますか。
    ・エンジンルームの冷却の空気をどこから取り入れて、どこへ排気しますか。
    ・排気管のとりまわしはどうしますか。高温になる触媒コンバーターとプリマフラーとマフラーをどこに収納しますか。
    ・燃料タンクはどこに配置しますか。
    ・トランクや荷室のスペースはどうやって確保しますか。

    ということで、何千万円もするスーパーカーを作っているメーカーならまだしも、0.1g単位でねじ一本の重量にもこだわって軽量化をしていて、また、一つ一つの部品のコストを1円以下の単位にこだわってこすと削減を行っている自動車メーカーにとっては、クルマの前と後ろに分けていろいろなものを配置しなくてはいけないRRはメリットは少ないのではないでしょうか。

  • スペース効率が良いのはたしかで、ビートルやスバル360、ルノー・4CVをはじめFF以前は結構存在してました。
    が、
    ・フロント荷重の薄さからくる高速安定性、直進性の悪さ
    ・操舵輪ゆえのトランススペースの確保のしにくさ
    ・重心位置からくる急ハンドル時の横転の危険性(エルクテストで顕著)
    ・燃料タンクとエンジンが近いため、火災が起きやすい
    などの理由で敬遠されました。
    特に下二つは米国において問題視され、シボレー・コルヴェア事件がトドメとなり絶滅しました。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3#.E3.82.B7.E3.83.9C.E3.83.AC.E3.83.BC.E3.83.BB.E3.82.B3.E3.83.AB.E3.83.B4.E3.82.A7.E3.82.A2.E4.BA.8B.E4.BB.B6.E2.80.95.E2.80.95.E3.83.AA.E3.82.A2.E3.82.A8.E3.83.B3.E3.82.B8.E3.83.B3.E3.81.AF.E5.8D.B1.E9.99.BA.3F
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%82%A2

    操安性の問題を解決するためには、ポルシェ911やサンバーのように水平対向という特殊エンジンで重心位置を低くしなければならず、ハードルが高いのです。
    トンカチの金槌部分を前にして引っ張るのと(FF)、後ろにして押す(RR)では安定性が比べ物にならないのは何となく分かるでしょう。
    三菱・iはミッドシップじゃないかな。
    エンジン重心が後軸より後ろにあるようには見えないし。

  • 簡単です。
    現在のエンジンは水冷ですよね?
    そのため水を冷やすためフロントに
    ラジェターを付けなくてはいけません、
    フロントからリヤのエンジンまで水を通す
    配管が必要になり、経費も、掛かりますし、
    長い配管だと、漏れる可能性が高まりますし、
    高温のための断熱処理も必要になります。
    更に、運転席まで各種配線をリヤから持ってくる
    必要もありますその分の配線の長さ、費用が掛かります。
    現在の利益中心主義では、どのメーカーも
    あえて作りませんね。
    それに、重量配分が悪すぎます。
    リヤがスーパーヘビー過ぎますね。

  • エンジンなどの冷却が難しいからです。
    ビートルや古いポルシェなどは空冷エンジンだからRRができましたが、水冷式でリヤにエンジンを置くメリットがあまりありません。スポーツタイプは重量配分の関係でRRを採用していますが、セダンやミニバンでは衝突安全性を考えたら採用はないでしょう。前にエンジンがあると乗員保護につながりますから。

  • RR形式は冷却系統の設計が面倒です。

    ラジエータを後方に取り付けると冷却不足になりやすいですし、
    前方に取り付けると長大な冷却水パイプが必要です。

    よって、量産車向きのレイアウトではありません。

    FFはFRより性能面で劣りますが、
    構造が簡単で量産に向くということで採用されたのです。

  • ありますよ。三菱のi、スバルのサンバーどちらも軽自動車ですが。トラクションがかかるので、スリップがしにくく、いいです。

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