ポルシェ 911 「実にシッカリしたスポーツGTカー」のユーザーレビュー

実にシッカリしたスポーツGTカー

2024.4.11

総評

スポーツカーとしての運転の楽しみも、小旅行のお供のGTとしても、日常での使い勝手も、とても満足出来る素晴らしい車です。

満足している点

走らせると車の素性などが「ドライバーに感じられるように」シッカリと造られている。

ワタシのブログを見てもらうとわかるように文字が多い人なんですが、そのワタシからしても文句の付け所が無いくらいに良く出来た車です。

不満な点

エンジン始動時のアイドリング騒音が酷い。とにかく1,2分ウルサイ。冷間時はもちろん、温間でもほぼアイドルアップする。マフラー内に電制フラップを備えているのに制音しないのは、時代錯誤のセンスと言わざるを得ない。

PASMの減衰特性は一考の余地あり。初期微ストローク域＋ダンパーピストン高速時の動きを滑らかにしてほしい。いうなれば道路／橋などの凸段差通過時の最初の当たり吸収性。他車でとてもよく似た足回り特性の経験があるので、PASMメーカーの製品ポリシーなのであろう(たぶん動き始めてからの慣性を嫌っての事だろう)。

デザイン

5

シンプルモダンの顔がとてもお気に入り(標準バンパー)。

車好きなら誰でも「あっ、ポルシェだ！」とわかる曲面で構成されたボディ。

「おっ、どのポルシェかな？」とオーナーの共有感をくすぐる4点DRL。

内装もモダンで良いです。標準内装でもイケると思ってます。

運転席の5連メーターは実質3コしか見えないのが残念。

走行性能

5

爽やかなパワーフィールのエンジンはとても気持ち良い。もう少しパワーが有っても良いですが(S,GTSモデルがある)。

エンジンECUや各モード、PDKの制御は文句の付けようがない。

ブレーキローター径はSモデルと比べると小さいが、制動力は全く問題ない。それなりの運転をしても、いまだにABSが働いた事がない。こんな車は初めて。

足回りは車体と共にとてもシッカリ感があり、考え抜かれて造られていると感じる。

リアヘビーなRRだが高速直進安定性も全く問題ない。RRのクセは、良いも悪いも相当な運転をしないとハッキリとは顔を出さないだろう(超高速域の下りコーナーは別と予想)。

乗り心地

4

やや硬派。

車体と足回り剛性がとても高く、足回りブッシュも981比で明確に硬いので、ラグジュアリースポーツクーペを予想すると乗り心地の硬い車と感じるだろう。

リアのタイヤハウス周りの静寂性をもう一段上げてほしい(年式によっては軽量遮音ガラスが有る)。

もしタイヤがピレリならばミシュランに変えて内圧をコンフォート圧に下げれば、乗り心地の不満は和らぐだろう。

ブレーキホールド、ヒルスタートアシスト、360度カメラ、エアコンの内気／外気切り換えスイッチが運転席側等、とても快適に日常使用できる。

積載性

5

2+2クーペでフロントトランクに機内持ち込みサイズのスーツケース2個。素晴らしい。

燃費

4

地方住まいで遠出メインならば10km/L位。高速道路が多ければ12km/Lまで延びる。悪くはないと思う。

価格

4

車格と排気量を考えると高価な車と思う。世界情勢の影響とはいえ、新車から3年後に車両本体定価が200万円以上値上がりしたのも驚き。

唯一無二の車両デザインを含めてブランド力が有るという事だろう。

スポーツカーを体験するという意味では、ポルシェカレラカップを一つの頂点として、公式のセーフティ＆スポーツドライビングプログラムの充実ぶりや歴史は他社の比ではない。また、ポルシェ・エクスペリエンスセンター東京では特別なモデルでの走行も出来る。試乗場所としても良いし、非オーナーであっても利用可能。素晴らしい。

こうした諸々がブランドや価格に反映しているのかもしれない。

故障経験