ポルシェ 911 「キャパシティ」のユーザーレビュー

キャパシティ

2023.1.12

総評

エンジン、足回り、ステアリング、ブレーキ、走りに関する部分のフィーリングは全部素晴らしい。しっかり作り込んだ、仕立ての良さを感じます。

自動車は、ますます便利で快適で安全で燃費良く、環境にも配慮して、諸々進化して来ていますが、走る曲がる止まるの基本動作は変わりなく、基本動作の出来は、基礎技術の深さや広さや蓄積がモノを言うと思います。

997は、ポルシェ911の約50年の歴史と技術の蓄積を感じる事が出来ました。先進的なデバイスの開発技術じゃなくて、あくまでも人がコントロールする事を前提としたクルマを仕立てる技術。アナログ技術の極みじゃないかと。

ごちゃごちゃ言いましたが、走ってなんぼ。楽しみたいと思います。

(911初心者、2,000km走行後の個人の感想です。ご容赦ください。)

満足している点

走行フィールは素晴らしい。

路面からの入力と、ドライバーからの操作入力をしっかと受け止めて、対処する能力が高い。
加減速時、旋回時、路面が荒れている中でもコントロール性が素晴らしくて、ああドイツ車って感じです。

アクセルをベタ踏みすると、一瞬アゴあがりになりますが、普通に常用域で、急な操作をしない限りはRRのリスクは全く感じないどころか、安心、安全すら感じます。
ロールは深すぎず浅すぎず。スピード上げても、どっしりベッタリ重心の低さを感じ、高いポテンシャルを感じます。
得意とする速度域が上の方にあるので、それなりの道でそれなりに走ると幸せ。

ステアリングフィールも極上。コントロール性、リニア感が良い。油圧だから？重すぎず、軽すぎず、クイック過ぎず、ダルくもなく、自分にはちょうど良い塩梅です。低速では重いかな。挙動が分かり易い所が良い。

NAフラット6は、このクルマのハイライト。
345ps/6,500rpm、390Nm/4,400rpm。
今時のクルマと比べると数値は大したことないかもしれませんが、フィーリングサイコー。
2,000rpmも回せばツキが良く、アクセルちょいと踏めばグイグイ後ろから押します。

エンジン音は、少なくとも3段階は変わる感じで面白いです。緩く踏めばジェントルに、以前乗っていたベンツCクラスW205みたい。
少し踏みこむと、後ろからクオーンと鳴りだし、更に深く踏めば、3,500rpm辺りから、ぎゃーーーーん！とメカニカルサウンド。ギターをジャーンとコード弾きしたようなハーモニーが美しく、獰猛・レーシーに豹変します。7,400rpmからレッドゾーン。7,000rpmまでしか試していませんが、苦しゅうない感じで、シームレスに一気に回ります。
大排気量6気筒がこんなに軽やかでレスポンスが良いとは思いませんでした。(人生初めての3リッター超。)
首都高は積極的に2〜4速を選ぶと楽しめます。

キャパが大きく、懐深い乗り味が素敵です。

不満な点

・これからどれだけ費用がかかる！？恐怖心を煽るところ。

・もっとアクセル踏みなさいよと煽るところ。

・ステアリングホイールのシフトボタンは、音とタッチが安っぽい。スポーツステアリングの普通のパドルシフトが欲しくなる。

・スポーツモードは2→1速ダウンでギクシャク。街中ではノーマルが良い。最新のPDKとは出来が違うのかも。一度、PDKのオイルを交換してみたい。(PDKオイル・オイルパン一式15万円、デフオイル3万円也…。)

・公道ではポテンシャルを出し切れないかも。

・120km/h、2,000rpm位でエンジンのコモリ音が出る。

デザイン

5

外観は文句無し。過去の911の雰囲気を残して、レトロな感じ。
内装は、シンプルで走るための必要最低限の機能、装備、加飾、電飾しか無く好印象です。

走行性能

5

満足。
「満足している点」に書きます。

乗り心地

5

柔すぎず硬すぎず。
後輪は295/30R19、ホイールベースは2350mmと短いので、条件は悪いでしょう。

突上げは街中ではそこそこあるが、スピードを上げるとあまり気にならない。ロングドライブ行けそう。

積載性

3

荷物を置ける後席スペースは有り難い。
一台しか持てないので、実用性は大事。

燃費

3

渋滞にハマって、山坂道も走って9.3km/h。悪くない。

価格

3

部品、工賃、何かとお高いでしょう。
これからです。

故障経験

ステアリングラックからギーギー異音あり。