今こそ時代と逆行せよ!
出会いは'77のカレラ、そしてトーションバーからコイルオーバーへの足回りの一新を期に'90 carrera2 MTを新車購入し
2012.4.26
- 総評
- 今こそ時代と逆行せよ!
出会いは'77のカレラ、そしてトーションバーからコイルオーバーへの足回りの一新を期に'90 carrera2 MTを新車購入して現在も所有。
途中、サーキット用に全く同じ'90 C2 MT(これはナンバー無しのチューンド)を中古購入して現在ポルシェは2台所有。
四半世紀近くの付き合いをしても尚、空冷ポルシェ以上に乗って面白い車に出会った事がありません。
現代の日本車では新車から次回車検くらいまではノーメンテ・ノートラブルが常識ですが、この車はそうはいきません。
短いサイクルであっても指定定期交換部品があったり定期的なエンジンOHまでも当たり前のようにユーザーマニュアルに記載されています。
ただし、整備をキッチリやることで一生モノとなるのが空冷ポルシェです。
この文化の違いからなる思想についていけるかが長く付き合えるかの分岐点でもありますね。
- 満足している点
- まず、私はエンジンOHまですべての整備を自分でやります。
それは相応の価値で信用に足る整備をする車屋が皆無に近くなってしまったためです。
それと年甲斐も無く相当過激な走りをします。
飾り物では無く走ることがポルシェの宿命だからです。
これから空冷ポルシェに乗る方へのアドバイスとしては、所謂都市伝説はほとんどが当てはまりません。
Q 維持費が大変?!
完全に整備された状態で乗り出すことと状態を把握することで国産車と何ら変わらない費用で維持出来ます。
一度完璧な状態まで整備すれば定期交換部品以外はほぼ壊れません。
ですので購入時にエンジンを下ろすくらいのチェックをすると後が楽です。
空冷ポルシェのエンジンは簡単に下ろせます(慣れれば1時間かかりません)ので脱着は意外に安いんですよ。(ショップなら5万~)
現在では実は低走行車にこそ落とし穴があります。
空冷ポルシェは油冷とも言われるように大量のオイルを循環することでエンジンを冷やします。
またフラット6という構造上、長期に渡ってエンジンを掛けないとカムが油切れを起こします。
ですのでカムシャフトの虫食いやバルブガイドの変摩耗が非常に多いんです。
もし純正品でカムを交換するとパーツ代で1本10万コースです。
Q クラッチが弱い?!
よくポルシェはアイドルスタートが鉄則などと言われますが真っ赤な嘘です。
確かにディスクの減りは軽減されますが反面半クラッチの確率が上がりカバーやレリーズベアリングを傷めることの方が多いです。
ポルシェのクラッチは決して弱くありません。
私はシグナルレースも良くやりますし、まったく気にせずブン回して繋ぎますがそれでも50,000kmくらいは保ちます。
※RSに換装してる場合は30,000kmくらいです。
Q エアコンが効かない?!
964以降のエアコンは国産車並みに効きます。
ただし、コンプレッサーを回すエンジンがリアのため配管が長くなることで漏れを起こしやすくエバボレーターやエキパンといった主要部品がガソリンタンクを外さなければアクセス出来ない位置にあるために整備性が悪く漏れたままの状態でガスの継ぎ足しをしながら乗ってる車が多いのも事実です。
そのため効きが悪いと言われるんですね。
- 不満な点
- 最後に、964には必ず壊れる部品があります。
●DMEリレー
フューエルポンプを稼働させるリレーで当時のリレーは構造的な欠陥があります。
ヒューズボックスの中にありますので品番の確認をしましょう。
新車時は「944.615.227.00」928~品番もあります。対策品は「993 615 227 00」最新は「993 615 227 01」
純正は1万強、OEM品だと3,500円程度。
●フューエルポンプ
実は964のタンクは錆びます。
タンク自体が錆びるのでは無くレベルセンサーの頭とコックが錆びるためポンプが詰まって壊れます。
交換履歴があるかの確認とガソリンコックの底を見て見ましょう。
コックの底が錆びてるようならポンプは近々に交換が予想されます。
ディーラー交換の場合6万弱、OEM品を町工場で交換の場合3万強。
レベルセンサーはOEM品の部品代で2万弱。
●オイル漏れ
無いに越したことはありませんが空冷ポルシェは漏って当たり前です。
要はどこから漏ってるかです。
ポルシェは空力を考えて底面はほぼフラット形状にカバーが付いています。
たいていの業者はカバーを良い事に多少の漏れは隠したまま売ります。
高い買い物をするわけですから必ずカバーを取ってもらって自分で確認しましょう。
オイルライン(エンジンから右前フェンダー内のオイルクーラーまで)の漏れはそれほど大事ではありません。
エンジンもヘッドカバーからの漏れ(滲み程度)はガスケット交換で止まります。
あってはならないのがクランクケースです。
クランクケースやミッションから滲んでる車は止めた方が賢明ですね。
●エアコンの効き
送風口にペンタイプのサーモ(温度計)を入れてもらって18℃を目安にしてください。
真夏であっても日陰で漏れが無ければ13℃くらいは冷えます。
エアコンは後で修理するとなるとディーラーなら40万~コースです。
自分で修理してもOEM品の部品代で12万くらい掛かる高額修理になりますので「まぁいいや」はダメです。
チェックヶ所はまだまだあるんですが文字数制限がありますのでこれくらいで^^
ドイツではよくポルシェをオンナにたとえますがまったく同感です。
従順な女も良いですが生意気なじゃじゃ馬娘にいうことをきかせる喜び!
これこそがポルシェ乗りの醍醐味のような気がしてます。
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